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【コラム】安全配慮義務は企業法務の重点、法律事務所には相談急増!

2014年03月10日

人間関係に悩まないサラリーマンは少なくないだろう。職場における人間関係と言っても、立場によりその関係性は複雑だ。上司との関係が悪化すればパワハラに発展するかもしれない。平成24年度、各都道府県労働局等に寄せられた相談件数は106万件に上った。ここ5年間は100万件を突破している。企業法務としても見逃せない問題だ。最も多かった相談内容は、職場での嫌がらせ行為になっている。労働者の悩みは幅広い。昔から多少なりとも悩むことはあったが、友人に愚痴のひとつでも聞いてもらうことでストレスを解消したものだ。もちろん今でも愚痴ることで活力を養っている方も多いだろう。

弁護士事務所が駆け込み寺

ただ、公的機関に限らず、民間の労働相談もうなぎのぼりに増えている現状がある。どの職場でも長時間労働、人手不足により職場環境は悪化している。そのしわ寄せが労働者のストレスとなり、人間関係の希薄化を招き、嫌がらせが増えているとの指摘がある。とは言え、官民に問わず相談件数の多さは尋常ではない。ここには労働者の変化が見て取れる。泣き寝入りしないで積極的に公の機関に相談しようとする姿勢があるようだ。耐性がなくなったとの声が聞こえてきそうだが、職場環境の問題がオープンになり、改善されるキッカケになるのであれば歓迎したい。

社会保険労務士も対応可能

企業には安全配慮義務(労働契約法第5条)がある。条文には、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と規定されている。パワハラ等の嫌がらせ行為を企業は防がなければならない。使用人からの訴えを怠ると、労働契約法には罰則規定がないため、民法第415条の債務不履行、民法第715条の使用者責任により、損害賠償請求が認められる可能性がある。過去の判例でも原告(使用人)の主張を認め、賠償命令が出されたケースは数多く存在する。

損害賠償支払い続出? 予防のための法律事務所

日本ファンドのパワハラ事件では、従業員3名が上司及び会社を被告として訴えた。東京地裁(平成22年7月22日)は、うつ症状が見られた原告については慰謝料60万円及び治療費、休業損害を命じ、他の2人については、慰謝料40万円と10万円を被告である上司及び会社に支払うよう命じている。判旨では、扇風機による故意の風当て、始末書の提出や叱責がパワハラにあたり、民法第709条の不法行為責任を認めた。原告(使用人)の訴えが棄却されることもあり、判決で被害が認容されるとも限らない。よく言われることだが、パワハラと指導の線引きは難しい。

しかし、近年の傾向として、被害従業員の訴えを認める風潮はあるようだ。パワハラや嫌がらせ行為が職場にはびこると、仕事の生産性は確実に落ちる。人権上の問題はもとより、企業業績にも間接的に影響しかねない。職場環境の劣化を防ぐため、大企業などでは対策に乗り出すところも増えてきている。100人未満の企業においては、嫌がらせ行為防止という意識すら持たない会社も多いようだ。パナソニックの創始者・松下幸之助氏は、"企業は人なり"との名言を残しているが、改めてこの言葉の意味をかみしめたい。

(記事提供/株式会社エスタイル)

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