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【コラム】犯罪加害者の企業法務~名古屋無差別事件から~

2014年03月27日

先日名古屋駅近くで無差別殺人未遂事件が起き、大野木亮太容疑者(30)が逮捕された。事件と直接は関係ないが、企業法務の観点からも重大事件の影響を考えてみたい。無差別・通り魔事件は年4、5件ほど起きているが、決まって事件を起こすのは若い男だ。そして「非正規雇用」で働いている、または働いてきた若者だ。30歳の大野木容疑者も大学卒業後、就職せずに昨年7月までアルバイトを転々としていた、いわゆるフリーター。頭をケガ(後遺症の影響)して定職に就けないと、周囲の人々に説明していたという。サラリーマンなど生活が安定している若者が、無差別事件を起こすことはそうそうない。

企業の非正規雇用対策は・・・

「非正規雇用」と無差別・通り魔事件との関係、分析を是非とも進めてもらいたいものだ。大野木容疑者らしい人物が、妄想的書き込みをYahoo!知恵袋に投稿していたことが分かった。今後、精神鑑定が行われると思うが、重度の精神障害も捨てきれない。事件の解明については慎重に見守りたいと思う。重大事件が起きると馴染みの光景がある。マスコミによる家族への取材だ。今回の事件のように20~30代の若者が逮捕されると、親の所にマスコミが大挙して押しかける。そして親が深々と頭を下げて謝罪する。しかし、このようなイベントには反発が少なくない。成人した子弟の事件に対して、親を叩くことへの抵抗は根強い。

法律事務所が対応窓口になることも

大野木容疑者の父親は愛知県警の警視、幹部であった。本来なら、マスコミのネタになる親の姿がなく、警察への配慮があるのでは、との見方がある。大野木容疑者の父親が一般人ならどうなっていただろうか?状況は間違いなく変わっていたと想像がつく。事件を起こした容疑者本人が責任を問われるのは当然であり、裁判で断罪される。社員が事件の当事者になれば就業規則に従い処分を下せばよい。だが、家族が社会的制裁を受けなければならない意味があるのだろうか。もし、社員の家族が重大犯罪を起こしてしまったら、会社はどのような対応を取るだろう。

会社業績にも影響

社員の家族が関与した犯罪は、当然のことながら会社には無関係だ。ただ、現実には根深い問題がある。社会的に大きく報じられた事件は家族にも影響がでる。秋葉原通り魔事件の加藤智大被告の弟は、事件の影響で勤め先を辞め、住んでいた東京を追われるように後にした、と事件発生当時、雑誌のインタビューに答えていた。秋田児童連続殺害事件の畠山鈴香受刑者の弟も、事件の影響で勤務先を退職した。自発的に辞めていったといえ、事件の影響は兄弟にも襲いかかる。畠山受刑者の弟は、「加害者の家族会はなぜないのかな」と述べている。

大きな事件が起きると、配偶者、親、兄弟の勤め先に、マスコミの取材、嫌がらせ電話・メールが送られてくるという。その結果、職場では冷たい視線にさらされ、居場所がなくなる。事件では、犯罪被害者の人権、支援を第一に考えなければならない。しかし、誰もが犯罪加害者の家族になる能性はある。こればかりは予防することができない。自社の社員が重大犯罪の身内になることは十分あり得る。風評被害など実害がでるかもしれない。法律で対処できないこの問題は、どの企業にも起こりうることを肝に銘じたい。

(記事提供/株式会社エスタイル)

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