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【コラム】法律事務所もお手上げ?"表現の自由"の取り扱い

2014年04月10日

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ネットの口コミ情報を信用する人はどれくらいいるのだろうか。
2012年、IT系ニュースサイト「アイ・エム・プレス」が口コミサイトの利用状況を調べた。「利用したことがある」と答えた人は約半数。その中で飲食店の口コミサイトを利用した人が一番多かった。ただ、店の意志とは関係なくサイトに掲載されるため、法律事務所に相談されるケースが多々ある。
飲食系口コミサイトの代表格は「食べログ」だろう。影響力はずば抜けている。ただ、「食べログ」については、過去、掲載店から訴えられる事態が起きている。つい最近も、「秘密の隠れ家」を標榜するバー(大阪市)の経営者から、掲載の削除及び330万円の損害賠償を求めて訴えられていた。

企業法務からも見逃せない

提訴したバーは、看板なども設置しておらず、「秘密の隠れ家」を地で行く作りになっていた。
産経新聞によると、『店内は華やかなバーラウンジにしつらえるなど、ギャップで客を驚かせる演出を施しており、客には口コミサイトに投稿しないよう告知している』という。店側のスタイルは徹底しているように思える。第1回口頭弁論で、被告の「食べログ」を運営するカカクコムは争う方針を示した。カカクコム側は"表現の自由"を前面に押し出している。表現の自由(憲法21条)を主張するのはメディアの常套句だ。表現の自由が大事なことは誰でも分かっている。

まずは弁護士事務所に相談

では、掲載・報道されない自由はないのだろうか。表現の自由については、幾度となく裁判で争われてきた。北方ジャーナル事件(昭和56年)などは有名な判例として語り継がれている。表現の自由は最大限尊重されるため、これに対抗するには法的措置に踏み切るしかないのが現状だ。小規模店舗などは、提訴したくても弁護士費用を負担しなければならず、訴訟手続きも複雑なため、提訴することはまずない。事実上、泣き寝入りをしている。口コミサイトといってもその規模はさまざまなタイプが存在し、なかには明らかに胡散臭いと思われるサイトもある。

法律事務の前に反論させるべし!

数年前には口コミサイトのやらせが発覚した。いわゆるステルスマーケティングだ。やらせ投稿を請負う業者があり、その業者がやらせ投稿者を募集する。ネットではこのような募集を見かけることが未だある。事実上、野放し状態だ。法的には偽計業務妨害(刑法233条)、優良誤認(景品表示法第4条)などに該当する可能性はあるが、立件するには難しい面もある。表現の自由により、効果的に取り締まる法律を求めても無理のようだ。では一層のこと、口コミサイトを評価する口コミサイトをつくってみてはどうだろうか?そこで不満のある店主は思う存分に反論すればよい。言論には言論で対抗すれば公平だろう。口コミサイトの投稿にも善意の消費者のクチコミは存在する。しかし、匿名の悪口が集まる2chや、運営者がはっきりしないネタばかりのまとめサイトなど、ネットには誹謗中傷が蔓延している。口コミ業者が表現の自由を掲げるなら、店側の反論を堂々とサイトに掲載させて、風通しを良くする工夫を考えるべきではないだろうか。法律以前の問題だ。

(記事提供/株式会社エスタイル)

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