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【コラム】介護における企業法務の作法

2014年05月12日

介護は身近なようで身近でない。高齢者(65歳以上)の数はうなぎのぼり。働き盛りのサラリーマンにとって、親の介護は人ごとではない。介護してみて初めてその大変さを実感したと、介護する多くの人が共通して語る。介護の場面は突然やってくる。親の老いを感じつつも、どこかで元気だったころの想いを忘れたくない。年老いていく親の姿を受け入れる葛藤をどの子も抱えている。誰が親の介護をするのか切実な問題がある。働いていたら介護は基本的にできない。勤めている会社を辞めて介護生活に入るサラリーマンもいる。

介護問題は、企業の問題でもある

実家近くに住んでいる専業主婦は毎日世話ができる。会社員なら週末だけ介護できるだろう。介護保険制度により、ホームヘルパーの訪問介護が利用できるが、条件があり費用も掛かる。そもそも介護といってもその範囲は広い。多少のことなら一人でできる軽度のものから、寝たきりになる重度のものまで、必要とされる介助は様々。育児休業が浸透して子育てのために仕事を一時休む会社員を時々目にする。少子化により子供の数は減っているが、子育ての制度は充実している。一方、急速に増える高齢者を対象にした、介護をするための休業制度があることはあまり知られていない。

企業法務に関わる介護休業法

この制度は、平成21年の改正育児・介護休業法により始まった新しい仕組み。要介護状態にある家族を介護するため、通算93日まで介護休業を取得することが可能(育児・介護休業法第2条)になった。しかし、現状では介護休業を取得するサラリーマンはほとんどいない。介護休業は高齢の親のほか、配偶者・子供もその対象になっている。介護期間における給与は、事業主には賃金の支払い義務はなく、休業前の賃金40%相当が雇用保険から介護休業給付金として支給される(雇用保険法第61条)。介護休業と似たような制度に、介護休暇がある。介護休暇は年5日間だけ、介護のために休みを取ることができる。

企業の人材流出を懸念

介護休業は本格的な介護を念頭に置いているが、介護休暇は入院など一時的な付き添いができるように工夫されているようだ。高齢の親のために介護休業が利用できても、効果はかなり限定されている。介護は数年単位で行われ、3か月程で済む話ではない。このため職場を退職する社員もいる。介護退職は主に女性がメインだが、男性の姿も時々見られる。今後、高齢化社会の進展に伴い、定年退職前に社員の介護退職が増えることも考えられる。企業が必要としている有能な社員が、早期にリタイアするという事態も起きかねない。介護で退職するサラリーマンも先々の経済的な問題を抱えることになるが、企業にとっても優秀な人材が早々と離職することは、人材流出を拡大することになるだろう。

(記事提供/株式会社エスタイル)

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