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【コラム】交通事故多発で企業法務がフル回転!?

2014年06月05日

交通事故の死亡者数は年々減少傾向にある。1970年には死者数が1万6000人を超え、交通戦争といわれる時代もあった。その後、交通死亡事故を減らすキャンペーンが各地で行われ、2012年の犠牲者は4,000人超まで減少している。

交通事故の発生件数・負傷者数もここ最近減ってきている。しかし、死亡事故のピークだった1970年と比べて、事故発生率は劇的に減少しているとはいえない状況にあるようにも思える。大事故がひとたび起これば、被害者・加害者双方の人生を大きく変えてしまう。後遺症に苦しむ被害者、賠償責任を負う加害者という、交通事故にまつわる様々なドラマが交錯する。

使用者責任の拡大で企業法務は......?

社員が業務中に起こした交通事故は、当然のことながら会社が責任を負わなければならない。民法の使用者責任に該当し、使用者は被用者が第三者に加えた損害を負うことが条文に記載されている(民法第715条)。自動車損害賠償保障法においても企業は運行供用者責任が問われことになる。

業務中というわかりやすい事例だと見解の相違はないが、社用車の無断使用、通勤中の事故などあらゆる場面で交通事故は起こる可能性がある。従業員が社用車を無断使用した場合は、会社の管理状況により使用者責任の有無が変わるようだ。過去の判例によると、業務中でなくとも客観的・外形的に職務の範囲との認識ができれば、企業側の責任が認められると示されている。

マイカー通勤でも企業の責任あり?

使用厳禁を知りながら社用車を使い事故を起こしたケースでは、運行供用者責任を免責した事例が存在するが、原則的に企業の使用者責任を問う判決が多いようだ。一方で、マイカー通勤による事故では、状況により企業責任が分かれている。

会社がマイカー通勤を認め、通勤手当を支給していた場合は、使用者責任・運行供用者責任が認定される傾向にある。どのような事態にも対処できるように企業は、事故が起きることを想定した対策に乗り出す必要がありそうだ。まずはマイカー通勤する社員の任意保険の契約状況を確認することから始めたい。

任意保険は、「私的利用」「通勤利用」「業務利用」に区分がされている。利用目的に合わせて保険金支払いが行われるため、企業は保険の加入状況とともに契約内容を把握していなければ、社員が起こした人身・物損事故の賠償責任を負担しかねない。社用車の私的利用禁止、車のカギの厳重管理、運転する際の帳簿記載などを徹底することで、事故が起きた時のリスクを極力最小限にすることができるだろう。

業務中の交通事故は製造業、建設業で多く見られる。職務か、私的利用かの判別がつきにくいグレーゾーンが幅を利かせる社用車の事故は、企業にとって看過できない問題になっている。交通マナーの規則を定め、社員に周知させることを再度確認したいものだ。

(記事提供/株式会社エスタイル)

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