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【コラム】賠償責任も・・・過労死防止のための企業法務

2014年07月17日

【コラム】賠償責任も・・・過労死防止のための企業法務

過労死は他人事ではない、誰にでも起きる可能性がある。そして企業法務の重要なファクターになりつつある。平成24年度の過労死の認定者は272人。しかし、これは氷山の一角と見られている。申請件数そのものが少ないため、過労死に認定されるケースは限られる。自殺者の中にも相当数の過労自殺=過労死が含まれていると指摘されて久しい。ここ最近自殺者数は3万人を割り込んでいるが、依然高い数値で推移している。その中の一部に過労が原因で自殺をした方がいるとすれば過労死の数はかなり増えるだろう。
こうした背景を受けてか、オックスフォード英語辞典には「KAROSHI」が記載され、世界的にも興味深い現象として関心を集めているようだ。

過労死は企業の責任?

ただ、過労死は日本だけの現象でなく、他の先進国でも見られる。アメリカではホワイトカラーの管理職に過労死が起きやすい。移民が多いヨーロッパは労働法制が厳しく過労死とは無縁に思えるが、水面下で過労死と疑われる事例が多々見られる。このように海外においても過労死は存在するが、発生率を比べると日本とは歴然とした違いがあるようだ。日本の過労死率は際立っており、国際的にも問題とされる中、国もここにきて本腰を入れ始めた。過労死等防止対策推進法案が今国会で成立する運びになった。過労死防止法は超党派による議員立法で国会に提出されている。

企業のブラック企業認識に驚き?

デリケートな問題だけに政党の枠を超えた発議は評価できよう。過労死防止の目玉は国の責務を明記したことだ。どこまで実効性があるか怪しい面もあるが、過労死防止の第一歩として期待したい。過労死は最悪の形であり、そこまでいかなくとも働きすぎによる疾病を防ぐことも重要になる。厚労省では残業が月100時間超、または2ヵ月~半年以内に80時間を超えている場合は、過労死のリスクが高くなると警鐘をならしている。
またこのような残業過多のブラック企業について興味深い調査結果がある。株式会社ディスコが就活中の大学生及び企業を対象にブラック企業のアンケートを実施した。

それによると34.4%の学生が、企業がブラック企業に該当するには、1ヵ月の残業時間が100~120時間と答えている。言い換えれば月80時間ならセーフということだろうか? 職業能力開発・キャリア教育が専門の法政大学教授の上西充子さんは月80時間は「過労死ライン」とし、企業側の認識に懸念を示している。確かに過去から続く伝統的慣習に企業も麻痺しているのかもしれない。労働者の方も仕方ないとあきらめ感がある。過労死防止法という法律だけ作って絵に描いた餅になっては意味がない。企業側の協力なくして長時間労働はなくならないだろう。過労死防止法の制定から日本人の働き方がどのように変わるか注視していきたい。

(記事提供/株式会社エスタイル)

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