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【コラム】120年ぶりの民法改正が企業法務に襲いかかる!

2014年12月16日

【コラム】120年ぶりの民法改正が企業法務に襲いかかる!

民法改正により企業の法務担当者は対応に追われる!

民法における債権分野が全面改定されることになりそうだ。実現すれば民法制定(明治29年)以来の大改革となる。企業の経済活動、とりわけ企業法務に多大な影響がでることは避けられない。企業担当者が慌ただしく対応に追われる日々が目に浮かぶ。法制審議会の民法部会が、法改正に伴う契約ルールの原案をまとめている。それによると、シンプルで分かりやすい契約ルールが盛り込まれている。"契約・約款"については、トラブルの宝庫といってもよいほど、消費者と企業の間で揉め事が絶えなかった。アパート・マンションを借りる際の契約ではトラブルが相次ぐ。その中でも敷金ルールについては、身近で起こる消費者トラブルの代表事例といってよいだろう。

契約ルールの明文化で企業法務はどうなる?

国民生活センターに寄せられる賃貸住宅に関する相談件数は、年間1万件を超える高水準で、推移している。敷金問題に悩む消費者は少なくない。住宅を退去しようとしたら、「敷金に加え追加の料金を請求された」「敷金が返金されない」「修繕費と称して敷金より高額な支払いを要求された」などの声が寄せられる。店子と大家(業者)で解決できればそれにこしたことはない。しかし、泥沼化するケースも目立つ。訴訟に発展することもある。これまで敷金について詳細な規定が民法にはなかったため、トラブルが発生しやすく、貸し手・借り手の性善説に立って契約がなされることが常識だった。法制審が示した原案によると、敷金を"家賃などの担保"として捉え、契約が終わり部屋を明け渡すときに、返還義務が発生するとしている。

企業の活動に制約?

敷金の概念を広く捉える向きもあったが、定義を明確にすることで曖昧さを払しょくした。また、原状回復義務についても目安を示した。通常の生活によってついた部屋のキズは、修繕不要と規定している。修理・修繕の必要性は家主の主観に頼り過ぎていたため、退去時のトラブルのもとになっていた。賃貸アパートは、社会経験の浅い学生や単身者が多く住み、トラブルが起きても泣き寝入りするケースが少なくなかった。契約ルールを明確にすることでトラブル回避に繋がると期待されている。法制審が提示した原案は、消費者保護に重点が置かれ、企業の負担ばかりが目につく。契約書、約款の見直しを迫られるため、経済界からは「企業活動が制約される」と早速疑義が噴出。

ただ、時代の流れは消費者の視点が取り入れられ、訴訟においても消費者勝訴という結果が目立つ。ネット取引の拡大で新たな契約トラブルが発生するご時世でもある。民法の規定がよりクリアになれば、契約内容の説明・確認の簡略化により、企業側の負担は軽減される。トラブル回避によるコスト削減も期待できるだろう。契約ルールの変更がどのような変化をもたらすか見守りたい。原案に示された主な改正点は他にもある。業種ごとに異なっていた消滅時効の統一、企業向け融資における個人保証の原則禁止など、興味深い条項が目白押しだ。原案をまとめる際に行われたパブリックコメントには、各界各層から多数の意見が寄せられたという。消費者、企業に直接利害が関わる問題のため、国民の関心度は高いといえる。120年ぶりとなる民法大改正が、企業法務にもたらす影響は決して少なくない。改正案は来年の通常国会で提出される見込みだ。

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(記事提供/株式会社エスタイル)


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