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【コラム】親の責任は問えない? 賠償判決が揺らいでいる!

2015年08月06日

【コラム】親の責任は問えない? 賠償判決が揺らいでいる!

子どもの責任は親が負うべきか?

悪意を持って他人を傷つけることは論外だが、不可抗力により予期せぬ事故はいつ起きても不思議ではない。それに加えて子どもが加害者となれば親の監督責任という複雑な要素が加わり、問題はいっそうややこしくなる。2004年、愛媛県今治市の小学校でサッカーをしていた子どもの蹴ったボールが、当時バイクを運転していた80代の男性にあたりそうになり、それを避けようとして転倒する事故が起きた。男性は足の骨を折るケガを負った。

加害児童の蹴ったサッカーボールが校庭を乗り越えて、被害男性にぶつかるという不慮の事故のため、論点はいくつも考えられる。学校側の校庭における管理状況、加害児童に対する親の教育指導など、事故を防ぐ手だてはあったかもしれない。被害者は事故により入院を余儀なくされ、その翌年には肺炎のため死亡している。被害者の家族が加害児童の両親に損害賠償を求めて提訴したため、親の監督責任が争点となった。

下級審の判決では両親の責任を認定

一審の大阪地裁は、サッカーボールが校庭の外に出ることは予見できたとして加害児童の過失を認めた。さらにケガによる入院が長引き、死亡原因の肺炎との因果関係にも言及した。二審の大阪高裁では一審判決の損害賠償を減額したものの、再び親の監督責任を認めている。ただ、加害児童の親は日頃から子どもに対し外で遊ぶ時のマナーを言い聞かせており、親としてやるべき教育はしていたようだ。

そして事故から11年経った今年4月に開かれた最高裁で、一、二審の賠償命令を破棄し逆転勝訴が確定した。問題は、学校側の施設管理は争点になっていないことだ。校庭の周りには金網が張られ問題がないようにも思えるが、不慮の事故を防ぐことができるほどの適切なものだったかは疑問が残る。校庭ではサッカーや野球などが行われ、いつボールが外に飛び出るかわからない。

なぜ行政責任は問われないのか?

最近では運動場の周りを高い網で囲み安全対策をとる小学校も増えてきている。不可抗力による事故の場合、親の監督責任といっても限界があるだろう。子どもは社会の宝とよく言うが、学校で子どもたちが元気に遊ぶ姿を見ればほっとする。学校を含めた大人がすべき安全対策こそが何よりも重要になる。被害者および遺族にしてみれば不可抗力の事故といっても加害者側に責任を認めてもらいたいだろう。

一旦事故が起きればどのような状況であれ被害者、加害者双方に傷が残る。いくら民事裁判で争ったところですっきりとした結論は出にくい。まず優先すべきは、事故は起きるものという前提で安全対策をとるべきだ。はたして学校を管理していた行政の対応は万全だったのだろうか。たいへん疑問が残る。

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(記事提供/株式会社エスタイル)

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