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【コラム】大学発ベンチャー企業はもう古い? 国立大学の上場企業出資が現実みを帯びる

2015年11月24日

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大学発ベンチャー企業は衰退傾向?

ひと頃、大学発ベンチャーが隆盛を極めた。最近ではあまり話題として取り上げられることもなくなり、現状がとても気になる。

大学発ベンチャーが登場した背景には、大学の収益確保や、大学がもつ技術力をビジネスにいかすという狙いがあった。1998年に制定された大学等技術移転促進法では、研究者の開発成果から得られた利益が大学に還元されるようになり、2000年からスタートした産業技術力強化法では、兼職で大学教官を務められるようになった。

こうした立法により、大学発ベンチャーの設立を後押しする土壌はある程度整っていった。2002年には、「大学発ベンチャー1,000社設立」という政策を掲げた政権もあったが、このころを境にムーブメントがおさまっていく。

2013年にリリースされた、帝国データーバンクの「大学発ベンチャー企業の実態調査」によると、大学発ベンチャー企業の設立数は、2003年(年間設立数64社)をピークに年々減り続け、陰りが見えている。また、2012年の損益状況が判明している304社を見てみると、設立後5年未満の企業の約70%が赤字だ。

しかし設立後5年以上では、約50%以上の企業が黒字となっている。一般企業であれば銀行からの融資で事業予算を確保する必要があるが、大学発ベンチャーでは大学予算において研究開発費が事前に割り当てられるため、会社設立から2、3年という短いサイクルでも黒字化できる特性があるからだ。

大学・企業の連携強化で効率的な技術開発を

会社経営をしたこともなければ、ビジネス経験もない大学教官が主体的に事業を行う割には、安定経営をする大学発ベンチャーが意外にも多いことに気づかされる。しかしながら、大半の大学発ベンチャーは中小・零細企業並みの事業規模であり、思うように売上が伸びていない。2012年の売上高が1億円未満の企業は全体の67.2%にものぼる。

大学発ベンチャーには、優良企業が多いと言われるが、大学がもつ特許や技術を効率よく事業化できないジレンマに苦しむ場合も多い。

これらの課題を克服するため、政府は2015年9月に「国立大学の企業出資解禁」という、新たな方針を打ち出した。大学が保有する研究成果を利用する企業に対して直接出資を認めるほか、大学の研究施設を企業に解放することも視野に入れた、産学連携の強化を図る施策である。

政府は、産業競争力強化法により、さらなる企業投資の拡大と、大学・企業の連携強化を目論んでいる。文部科学省は「国立大学経営力戦略」と銘打って、大学から企業への出資に関する規制を緩和し続けている。いずれにしろ大学・企業間の関係が強まり、大学の企業化が促進されているのは間違いない。一般的に、基礎研究から実用化まで10年、20年はかかるといわれる新技術の開発だが、大学と企業とが資本面で急接近すれば、事業プロセスの短縮には多大な貢献をしてくれることだろう。

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(記事提供/株式会社エスタイル)



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