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【コラム】裁判員裁判、導入から6年...... 現在の問題点は?

2015年11月24日

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裁判員制度のメリット・デメリット

裁判員裁判の制度がはじまり、はや6年が経った。最高裁判所による「裁判員制度の実施状況について」によると、平成26年12月までに裁判員に選ばれた人は4万1,834人。一つの事件につき、約92人が選ばれ、60.2%の人が辞退。残りの約29人が裁判所で行われる選任手続期日に行き、クジで6名が選ばれる。

どんな制度にもメリットとデメリットがある。裁判員制度のメリットは裁判への親近感、裁判日数の短縮、費用の削減、世論の反映など。対してデメリットは、選ばれると仕事を休まないといけない、世論に流されて平等に裁けない、冤罪の可能性、裁判員の安全性、裁判後の心のケアなどが挙げられる。

裁判員制度を巡っては、いまだ法曹関係者を中心に根強く反対論がある。殺人、強盗致死などの重大犯罪の法廷においては、証拠として出される悲惨な写真や、細かな事件の内容を知ることで、裁判員による判決は感情論が優先されてしまいかちだ。

裁判員裁判の導入目的はあくまで一般国民の感覚を司法に反映させることであった。そういう意味では感情論が優先されることも悪くないといえる。ただ、一般国民の感情や意見が正しいかどうかはまた別問題でもある。


世論に流されやすいという問題点

今まで3件、裁判員制度によって死刑判決を下したが、高等裁判所がそれを破棄し、無期懲役を言い渡している。裁判員の感情論でなく、前例を基準としたからだ。

また数年前、大阪で発達障害者が実の姉を殺害する事件があった。その裁判員裁判で、発達障害をもつ被告人に、刑務所から出所した後の受け皿がないなどの理由から、検察の求刑を上回る判決が出たことが波紋を呼んだ。ヤメ検を含めた弁護士、法学者などから判決に対する懸念、批判が続出した。

一般的に障害を理由に刑が軽くなることはあるが、反対に障害のせいで量刑が上積みになることなどはもちろんなかった。前代未聞の裁判として海外の国際的な人権団体からも抗議が寄せられた。判決理由にあった発達障害者の受け皿については、福祉関係者から全国各地にそのための施設が多数あることが指摘された。


裁判員のストレス

裁判中に被害者の惨い写真を見せられて、急性ストレス障害になったとして、元裁判員が政府に賠償を求めた訴訟の判決が2014年10月に行われた。地裁はそれを棄却したが、因果関係を認め保証を受けられるとの考えを示した。ほかにも審理の最中に倒れたりするケースもあり、毎日新聞が裁判員経験者に行ったアンケートでは、男性の3人に1人、女性の過半数がストレスを感じたと言う。最高裁では「裁判員メンタルヘルスサポート窓口」を設置し、対面カウンセリングも行っている。

このように、6年経った今でも裁判員制度にはさまざまな面でデメリットも多く、改善と見直しが必要とされている。

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(記事提供/株式会社エスタイル)

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