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【コラム】企業にとって避けて通れない使用者責任! どこまで責任を負うのか?

2015年11月26日

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委託契約に対して使用者責任はない?

企業の使用者責任は民法第715条に規定されている賠償責任である。大雑把にいってしまえば企業の監督責任を問う法律であるが、どこまで企業が使用者責任を負うかその線引きはとても難しい。とりわけ業務とは直接関係のない行動にまで使用者責任が及ぶのか、雇用形態の種類により企業の責任範囲は変わるのか、法務担当者ならば是非とも押さえておきたいポイントといえる。

最近その好例として考えさせられる民事訴訟があった。大手家庭教師グループの男性家庭教師(当時23)が、教え子の男子児童(当時小4)にわいせつ行為をして逮捕された事件である。

家庭教師の容疑者は起訴され、懲役1年・保護観察付き執行猶予3年の有罪判決が下された(週刊文春より)。被害に遭った男子児童は心に大きな傷を負ったことだろう。

児童の保護者は家庭教師会社と家庭教師を相手取り損害賠償請求の訴えを起こす。口頭弁論で家庭教師会社は、家庭教師とは委託契約のため使用者責任はないとし、賠償責任を負わないとの主張を展開したという。裁判は継続中のため成り行きが注目されているが、使用者責任の有無の認定は企業にとって大きな意味を持つ。

使用者責任はなかなか認められない

通常、社員なら雇用契約が結ばれ、労働基準法などの適用を受け、会社の指揮命令下に置かれる。一方、委託契約は労働基準法の労働者にはあたらず、企業との従属関係とは距離を置く。家庭教師事件の事案はあくまで個人事業主が起こした事件である、との認識を、家庭教師会社はもっている。

裁判所の判断がとても興味深いが、企業が問われる使用者責任には従業員が社用車で交通事故を起こし他人にケガをさせた事案や、派遣社員が派遣先の会社で施設を破損するなどの違法行為を行い、訴えられるという事案などがポピュラーである。

社員が通勤もしくは業務中に起こした自動車事故、被災労働者や遺族から訴えられる労災はともにケース・バイ・ケースで使用者責任が認められているが、時代の流れとして企業の責任が認定されるケースが増えてきているようだ。

そもそも、使用者責任とは事業を監督する者、すなわち企業を対象にしている補償制度のように思われがちだが、補償されるのは使用者ではなく、労働者の方である。労働者が業務中に第三者に加えた損害を賠償する責任を負おうというものなので、企業は使用者責任の適用を受けなければならない。

ただ、使用者責任を巡る民事裁判ではかたくなに企業が責任を認めないケースも少なくなく、使用者と被用者の関係性は白黒と単純に分けられるものでもないようだ。

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(記事提供/株式会社エスタイル)

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