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【コラム】障害者差別解消法が施行。企業に求められる取り組みとは

2016年05月16日

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平成25年6月に制定された障害者差別解消法が、平成28年4月1日に施行された。この法律はすべての役所や事業者(企業に限らず、ボランティア活動を行う団体も含まれる)が対象となっており、障害を理由とする不当な差別的な対応を禁止する目的で成立した。

この法律は、事業者や役所にどのような対応を求めているのだろうか? ここでは障害者差別解消法の内容と、事業者や自治体に必要とされる取り組みについて紹介していきたい。

障害者差別解消法とは、どのような法律なのか

障害を持つ人は社会生活を営む上で、日々さまざまな不都合に直面している。障害者差別解消法が成立した理由とは、そうした社会生活での不都合を可能な限り軽減することにある。すべての役所や事業者は、障害を持つ人たちから不都合を軽減・解消する対応を求められた時には、可能な範囲で応じることが求められている。

この法律が示す障害者の範囲は、障害者手帳を持っている人に限らない。身体障害、知的障害、発達障害を含めた精神障害のある人、その他の心や体の働きに障害があり、そのために日常生活や社会生活に制限を受けている人すべてが対象である。

国、都道府県、市町村などすべての役所は、障害を持つ人たちに対する具体的な配慮の内容を盛り込んだ「対応要領」の作成に努めることとされている。そして役所で働く職員は、所属する役所で作成された対応要領の内容に沿って、障害を持った人たちに対応することが求められている。

一方で、事業者は自身でこうしたガイドラインを作成する必要はない。ただしそれぞれの事業者が所管する国の役所では「対応指針」を作成することとされており、各事業者はこの対応指針にもとづいて障害を持った人たちに配慮して業務を行うことが期待されている。役所は管轄となる事業者に対してこうした取り組みに関する報告を求めるほか、助言指導や勧告をすることができる。

こうした求めに応じない事業者に対しては障害者差別解消法第26条にもとづいて20万円以下の罰金を課せられる場合もあるので、事業者には注意が必要だ。

障害者差別解消法のために、企業は何をするべきなのか

内閣府が発行している障害者差別解消法リーフレットの中で、各役所や事業者に求める取り組みを「合理的配慮の提供」と表現している。また、行うべき対応についても「負担が重すぎない範囲で」としている。
対応要領や対応指針といったガイドラインは存在しているものの、具体的な方策はそれぞれの団体にゆだねられていると現状ではいえるだろう。

また、リーフレットでは「意思の疎通のために絵や写真のカード、またはタブレット端末を利用」「障害を持つ人から代わりに書類を書いて欲しいと伝えられた時、代わりに書くことに問題がない書類の場合には、意思を確認しながら代筆する」といった具体例を提示しており、さらに内閣府のホームページで多くの合理的配慮の事例を紹介している。
それでも必要となる配慮は事業内容や環境によって異なるため、こうした事例を参考にしながら独自の取り組みを打ち出さなければならない。

事業者に対しては、障害を持っている人たちへの不当な差別は禁止しているものの、合理的配慮の提供については努力義務にとどまっている。
ただし附則の7条では施行から3年経過後、必要があると判断した場合は、合理的配慮の義務化についても検討を加えた上で見直しが行われるようだ。

企業によっては、障害者団体にアンケート調査やヒアリングを実施して情報を収集したり、バリアフリーを熟知したコンサルティング会社に対策を相談したりして、自分たちの行うべき取り組みを検討している。
障害者差別解消法の施行は、企業にとって障害を持つ人たちとの関わりを見直す大きな機会となることは間違いないだろう。

業種にかかわらず、障害を持っている人たちへの配慮が行き届いた企業は良い印象を持たれやすいものである。また、障害を理由に正当な理由なくサービス提供の拒否・制限、条件を付けるなどの行為は禁止されているので、企業法務として接客を直接行うスタッフには企業の取り組みと対応を明確にしておくべきだろう。


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(記事提供/株式会社エスタイル)

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