トップ>リーガルトピックス>2016年>【コラム】改めて知っておきたい、知的財産権の話題あれこれ

リーガルトピックス

【コラム】改めて知っておきたい、知的財産権の話題あれこれ

2016年05月27日

 20160527column.jpg

企業法務に携わる人にとって、知的財産権はなじみの深い言葉だろう。一般の人の場合、知的財産権という言葉を耳にする機会は少ないかもしれないが、「著作権」や「特許」と言えば、多くの人がピンとくるに違いない。

さまざまな呼ばれ方で浸透している知的財産権だが、取り扱っている範囲は広く、権利を守るために行っている取り組みも多い。中には知的財産権を取り扱っている人でも、意外に思うような話題もあるかもしれない。
ここでは知的財産権に関する内容を再確認すると共に、最近のトピックスについても紹介しようと思う。

音や色まで......知的財産権の内容とは?

そもそも知的財産権とは、知的創造活動によって生み出されたものを、創作した人の財産として保護される権利である。
知的財産基本法によって定められたその内容は、「知的創造物についての権利」と「営業上の標識についての権利」の2種類に分けられる。これらに分類される権利の種類は、以下のようになる。

・知的創造物についての権利
特許権(特許法)......発明を保護。出願から20年(一部25年に延長)。
実用新案権(実用新案法)......物品の形状、構造または組み合わせに係る物を保護。出願から10年。
意匠権(意匠法)......物品のデザインを保護。登録から20年。
著作権(著作権法)......文芸、学術、美術、音楽、プログラムなどの精神的作品を保護。死後50年 (法人は公表後50年、映画は公表後70年) 。
回路配置利用権(半導体集積回路の回路配置に関する法律)......半導体集積回路の回路配置の利用を保護。登録から10年
育成者権(種苗法)......植物の新品種を保護。登録から25 年 (樹木30 年) 。
営業秘密(不正競争防止法)......ノウハウや顧客リストといった技術上・営業上の情報による不正競争行為を規制。

・営業上の標識についての権利
商標権(商標法)......文字や図形、記号といった商品・サービスに使用するマークを保護。登録から10年 (更新あり) 。
商号(商法)......社名や屋号といった営業上自己を表すために用いる商号を保護。
商品表示、商品形態(不正競争防止法)......「混同惹起行為」「著名表示冒用行為」「形態模倣行為」「ドメイン名の不正取得」「誤認惹起行為」といった不正競争行為を規制。

このように、知的財産権は細かく分類されており、あらゆる分野において創作物の権利が守られている。
2014年には特許法等の一部が改正され、音や色彩なども知的財産権の対象に含まれることとなり、話題に上ったことは記憶に新しいだろう。対象となったのは、特有の商品が持つイメージカラーやテレビCMに使う効果音などである。上記の分類において、これらの権利は商標権に該当している。
「音商標」「色彩のみからなる商標」のほか、「動き商標」「ホログラム商標」「位置商標」の計5種類が新たに商標登録可能となった。

「色彩のみからなる商標」の例としてはタカラトミーが販売しているプラレールの線路に使われているやや淡い青色や、久光製薬のサロンパスに使われている青と緑の組み合わせがある。
「音商標」の例では江崎グリコがCMで使用する「グ・リ・コ」や、味の素が商標登録された。

中小企業の海外進出を支援する中小企業等外国出願支援事業

最後にもう一つ、近年の大きな動きについても紹介しておこう。
事業のグローバル化に伴い、海外進出を計画している中小企業の負担を軽減する目的で、特許庁は「中小企業等外国出願支援事業」を行っている。

今までは独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)と、各都道府県等中小企業支援センターが窓口だったが、2015年から地域団体商標の外国出願については、商工会議所・商工会・NPO法人などでも応募できるようになった。また「ハーグ協定に基づく意匠の国際出願」も支援対象となった。

ご存知の方も多いと思うが、外国での知的財産活動費は高額だ。さらに一つの国で特許を出願してしまうと、他の国では新規性が認められず特許が取得できなくなってしまう。
PCT(特許協力条約)国際出願制度を利用すると、PCTに加盟している全ての国に対して国内出願を行ったのと同じ扱いが得られ、最初の出願日から30カ月の期間内に権利を取得したい国に書類を提出すれば権利が取得できるが、こちらの費用も安くはない。

中小企業等外国出願支援事業はこうした問題を解消するため、1社当たり300万円を上限として出願費用の半額を助成している。海外での出願を検討している企業にとっては、非常に大きな助けとなっている制度である。

知的財産権は多くの企業に関わる法律であり、企業法務に携わる人にとって知っていて当然とさえ言える分野であるかもしれない。ここにあげた中小企業等外国出願支援事業のように、制度の改正や新たな制度の導入も行われている。こうした変化について細かく目を配っておくことも、企業法務にとって大切な作業であるに違いない。

【この記事を読んだ方におすすめのコンテンツ】
◆≪リーガル領域の転職はプロにおまかせ!≫無料転職サポートサービスとは?
◆≪まずは気軽に話を聞いてみたい、そんな方へ≫無料転職相談会・無料転職セミナーはこちら
◆≪期間限定プレゼント≫今なら、企業法務・弁護士の転職動向レポートが手に入る!最新情報満載のメルマガはこちら

(記事提供/株式会社エスタイル)

次の記事【コラム】フランク三浦はOK。パロディー商品が許される理由とは?

前の記事【弁護士・企業法務の転職成功事例Vol.7】弁護士とワークライフバランスを両立させる働き方を探して

リーガルトピックス一覧へ

求人をお探しの方

企業法務や法律事務所、特許事務所の求人情報が豊富に掲載されています。

求人情報

登録はお済みですか?

転職者と求人側の現状や希望をコンサルタントが常に分析。適職とのマッチングを第一に考え、マンツーマンで質の高い求人情報をご提供します。

新規会員登録

法律知識と経験が活かせる
7つのビジネスフィールド

法務・弁護士に特化した
職務経歴書の書き方をご紹介

会員登録がまだの方
新規会員登録
会員登録がお済みの方
ログイン

↑ページの先頭へ