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プライバシー侵害の判断基準とは?【コラム】

2017年10月24日

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昨今は、個人情報やプライバシーがとても重要視される時代である。それに伴い、プライバシー侵害が問題になっているが、その判断基準はわかりにくいといわれる。そこで今回は侵害の基準を考えてみたい。

プライバシーとは?

誰でも秘密にしておきたい事実や事柄はあるものだ。プライバシーとは、そのような私生活の事実をみだりに公開されない保障または権利の総称である。私たちが生活をするうえでとても大事な概念といえそうだ。

ただし、表現の自由との関係で問題になることがしばしばある。そのリーディングケースとして争われた裁判として、三島由紀夫の小説「宴のあと」に対して、モデルとされた元外務大臣・東京都知事候補が作者と出版社を訴えた案件があった。この裁判ではプライバシー侵害について4つの基準が示された。

(1)私生活上の事実、またはそれらしく受け取られるおそれのある事柄
(2)一般人の感受性を基準として当事者の立場に立った場合、公開を欲しないであろうと認められるべき事柄
(3)一般の人にまだ知られていない事柄
(4)このような公開によって当該私人が現実に不快や不安の念を覚えたこと

つまりこれを平たくいうと、当事者が望んでいないにも関わらず、他人には知られていない私生活上の事柄を暴露され、不安を感じることがあればプライバシーの侵害にあたると判断される。プライバシーとは、他人には知られたくないその人固有の秘密といってよいだろう。

具体的には?

では具体的にどのような事柄がプライバシーに該当するのだろうか。その範囲は実に広いため、一概に決めつけることはできないが、身近な事柄については以下のようなものがあげられる。

■氏名や住所、ならびに電話番号
■病歴や通院歴
■結婚、離婚歴
■職業やそれに伴う収入
■身体的な特徴
■メールや手紙の内容
■犯罪における前科、前歴

このほかにも該当する事柄は多数あると考えられるが、普段なにげなく扱っている情報の中にプライバシーはたくさん含まれている。時代とともに価値観が変われば、またプライバシーの範囲も変わってくるものである。

プライバシー侵害の有無?

上記の事例でもわかるようにプライバシーは身近なところに存在する。ただし、これらの事柄が公にされれば、即座にプライバシー侵害となるかは微妙なところである。というのも、プライバシーとは対極にある「表現の自由」や「知る権利」との調整が必要になるからだ。

かつて最高裁判所は、プライバシーを公開されない権利と、公開する法的利益を比較して、公開されないことが勝るのであれば、それはプライバシー侵害に該当するとの見解を示した。個人のもつ事柄、秘密がすべてプライバシーと認められるものではない。それぞれの状況に応じて侵害の有無が判断されることになるのだ。

誰もが秘密にしておきたい事柄はあるものである。それがあるとき、気づかないうちに公にされたならば、驚くし、不安にもかられてしまう。我慢して受忍できる事柄なのか、それとも限度を超えることなのかは、各々の価値観の問題だ。

しかし、それがプライバシー侵害にあたると思うならば看過できない。ひとたび情報が公になれば拡大の一途をたどる。被害を拡大させないためにも、弁護士と相談しながら訴訟を検討したい。プライバシーは、知らぬ間に侵害されていることを肝に銘じたいものである。

 

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