「国際弁護士」とはなにか? 弁護士のキャリアアップ方法

更新日:2023/04/01
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「国際弁護士」とはなにか? 弁護士のキャリアアップ方法

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「国際弁護士」とはなにか? 弁護士のキャリアアップ方法

現在、弁護士として活躍する人にとって、キャリアアップの一つの方法と言えるのが、海外の案件まで扱う国際資格の取得でしょう。
国際弁護士になれば、仕事の幅が大きく広がる可能性があります。

ただし、国際弁護士という資格は存在しないため、実際には他国の弁護士資格(外国法事務弁護士)を取得することになります。
この記事では、その方法と、国際弁護士として活躍する上でのポイントについて解説します。

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国際弁護士とは

国際弁護士と呼ばれる仕事は、大きく二つのパターンに分類されます。
一つは日本国と他国の弁護士資格の両方を取得し、国内の案件に加えて国際的な案件まで扱う弁護士です。
もう一つは国内の資格だけ取得して、海外の案件にまで対応する弁護士です。この場合、外国の法律に関しては扱えません。

最近は外国企業との取引上、外国の法律に精通する弁護士のニーズが高まっています。
では実際に国際弁護士と呼ばれる人たちは、どのような業務に携わっているのでしょうか。
その主な内容を以下に紹介します。


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国際弁護士のメリット

ここであらためて、国際弁護士になった場合に担当する具体的な業務の一例を挙げてみましょう。

・海外企業との業務提携、M&Aなどの手続き
・特許や商標に関わる手続き
・外国語による諸手続き
・ソフトウェアライセンスに関わる手続き
・国境を越えた弁護士業務

こうした業務を行うためには、海外の法律に精通していることと、各種手続きなどを国を越えて行うための語学力が求められます。
逆に言えば、それらの知識やスキルを身につけていれば、一般的な弁護士と比較して活躍の場を広げられるのです。

特に大手企業では国際的な取引が多く、さらにグローバル化が進んでいるため、国際弁護士の需要が高まっています。
国際弁護士として活躍できれば、大手企業への転職のチャンスが広がるかもしれません。

また、大手企業への転職にこだわらなくても、国際弁護士の業務経験を積むことにより、キャリアの選択肢が増える可能性があります。
たとえば新興ベンチャーのように、積極的に新しい事業に乗り出している企業では、国際弁護士の業務で実績を上げることにより、CFO(最高財務責任者)やCIO(最高情報責任者)など、経営に関わるポジションに就けるかもしれません。

いずれにしても、一般的な弁護士よりも活躍の場が広がることで、国際弁護士は高い年収が保証されるケースが多いと言えます。
収入が増え、社内で重要な人材として評価されれば、仕事に対するやりがいもモチベーションも大いに高まるはずです。


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国際弁護士になるには留学が必要?

国際弁護士という資格は存在しないため、実際に国際弁護士になるには、国内か海外で弁護士資格を取得して、その資格に合わせた業務に携わることになります。


日本国内で弁護士資格を取得する場合

まず国内で弁護士として働くためには、司法試験合格後に1年間の司法修習を経て、研修後の試験に合格してから各地の弁護士会へ登録をする必要があります。
その後は、国際的な案件を扱う法律事務所などに所属して、実務面から国際的な案件に関わり実績を重ねることが一般的です。

もちろん、英語またはその他の言語に習熟することも求められます。
日本国内で英語などの資格試験を受ける方法もありますが、短期で実務レベルの語学力を身につけるためには、留学したほうが効率的でしょう。


外国で弁護士資格を取得する場合

一方、外国で弁護士資格を取得する場合には、取得したい国のロースクールに通うのが一般的です。
一例として、アメリカでの資格取得を考えてみると、アメリカにはJD(Juris Doctor)とLL.M(Master of Laws)という2種類のロースクールがあります。

日本人が留学して資格取得を目指す場合、通常は3年間のJDよりも、1年間という短期コースのLL.Mを利用します。
国内で英語のベースを仕上げておく必要がありますが、現地で1年間英語だけの生活を続ければ、ほとんどの人が実務レベルの英語力を身につけられるでしょう。
日本国内で勉強するよりも、やはり留学したほうが、短期間で国際弁護士に転職できる可能性が高まります。

国内の法律事務所や企業の中には、キャリアアップのために留学をサポートしてくれるところもあります。
一度転職してから、そのサポートを受けて留学することも一つの選択肢になるでしょう。


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どこの国の弁護士資格を取得するか?

海外の弁護士資格を取得したい場合、初めにどこの国の弁護士資格を取得するかを決めなければなりません。

もっともポピュラーなのはアメリカですが、アメリカ以外にも、フランスなどのヨーロッパ、シンガポール、中国、東南アジアなどの各国で資格取得する道もあります。

例えばヨーロッパでは、EU内で弁護士資格を相互承認しているため、EU内の国で弁護士資格を取得すれば、EU全域で弁護士業務を行うことが可能です。
最近では、中国をはじめとしたアジアとの取引も増えており、中国との取引に関心がある方は、中国での資格取得も検討されるといいでしょう。
アメリカの弁護士資格を取得する場合も、どこの州で資格を取るのかを決める必要があります。アメリカの弁護士資格は、州ごとの単位となっていることが理由です。


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アメリカの場合の弁護士資格取得方法は?

どこの国で弁護士資格を取得するのか決めたら、次に、その国の弁護士になる方法を調べましょう。
例えば、アメリカでの資格の取得方法は、以下のとおりです。

アメリカではロースクールを卒業後、司法試験(bar exam)に合格したら弁護士資格が認められます。
そのロースクールには、3年(JD)コースと1年 (LL.M) コースがあります。日本の大学の法学部卒業生や法科大学院卒業生、弁護士資格を持っている人であれば、1年コースのLL.M.の卒業で、司法試験受験資格を与えられます。
ただし、細かい要件は州によって多少異なります。 例えばカリフォルニア州では、日本の弁護士資格を持っていると学位に関係なく司法試験受験資格が認められるので、非常に受験のハードルが低いです。
合格率は、州によって異なりますが、日本よりはかなり高めです。
ニューヨーク州の場合、2009年に77.1%、2010年に76.4%でしたが、近年では低下して60%台で推移しています。
カリフォルニア州では、2009年に56.4%、2010年で54.8%でしたが、近年低下して40%前後となっています。それでも、日本より高い合格率です。

なお、制度や方法としては上記のようになりますが、アメリカの司法試験に合格するためには、法的な理解や知識だけではなく、高度な英語力も必要であることは言うまでもありません。


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国際弁護士資格を日本で活かす方法

いわゆる国際弁護士として認められれば、日本国内で活躍できるフィールドも大きく広がるでしょう。
特に外国企業と取引がある国内企業にとっては、さまざまな契約手続きなどを日常的にこなす上で、国際的な法律の知識がある弁護士の存在が極めて重要です。

また現在のビジネスでは、技術またはソフトウェアのライセンス管理が複雑になり、国際的なライセンス管理のニーズも高まっているため、外国弁護士の業務は今後ますます増加すると考えられます。
アメリカ、EU、中国など、世界経済の中心的な国との間で、自身の能力や知識をフルに活用できるのです。

そういった業務に携わるためには、国際的な案件を扱う法律事務所に所属する以外に、企業内の顧問弁護士になるという方法もあります。
海外との取引が増えるにつれ、さまざまな業務をこなすことになり、企業内で重要なポジションを与えられるというチャンスもあるでしょう。

このように、国際弁護士としての実績を積むことにより、その資格を活かす方法はさらに大きく広がります。
国内業務だけに従事する弁護士と比べると、収入面でもワンランク上を目指すことができ、幅広い人脈を築くことも可能になるはずです。
弁護士としてのキャリアアップにも大いに貢献するでしょう。


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国際弁護士の平均年収

国際弁護士の平均年収

現在日本の弁護士の平均年収は減少し続けており、中には年収が300万円程度の弁護士もいるようです。
その原因は仕事の需要に対して、弁護士の数が多すぎることだとも言われています。
しかし国際弁護士のように特別なスキルを持っていれば、収入アップにつながるかもしれません。

たとえば、中小法律事務所で勤務する弁護士では、年収の目安は300~1,500万円程度で、仕事が少ないと100万円台の収入にしかならないケースもあるそうです。
国際弁護士としての実績があっても、小規模な事務所では外国と関わる案件もないため、高収入は望めない状況です。

それに対して日本の五大法律事務所になると、年収の目安は800~2,600万円程度に大きくアップします。
また外資系法律事務所も高収入が見込め、最低でも年収は1,000万円を超えるそうです。

他にも企業に所属して法務を担当するインハウスローヤーの場合、経験とポジションにもよりますが1,000万円以上の収入を目指すことも可能です。

国際弁護士として海外の案件も担当できるようになると、大手の法律事務所内でも一般の弁護士より収入アップが見込めます。
高年収を目指すなら、規模の大きな法律事務所に所属して、国際弁護士の経験を積むことが近道かもしれません。


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まとめ

国際弁護士という呼び方はあります。
しかし、実際に国際弁護士資格という決まったものは存在せず、他国の弁護士資格を取得し、外国法事務弁護士として日本の弁護士会へ登録することで活動が可能です。

日本で弁護士資格を取得し、グローバルな案件に携わるか、他国で弁護士資格を取得したのち正規の登録の上で国際的な案件を担当する弁護士が国際弁護士と呼ばれます。

国際弁護士になるためには、試験勉強以外にも資格を取得するためのコストがかかります。
しかし、外国法事務弁護士として実績を上げられれば、日本国内案件のみ扱う日本の弁護士より活躍の幅が広がり、収入もアップする可能性が高まります。
かかった分のコストは、十分に回収可能だと言えるでしょう。

今後はさらなるグローバル化とともに、ビジネスの世界で弁護士が必要になるシーンがいっそう増えると予測されます。
国際弁護士が活躍できるチャンスも、さらに広がることが期待できるでしょう。

管理部門・士業の転職

この記事を監修した人

大学卒業後、大手信用金庫に入庫。個人・法人営業及びビジネスマッチング等に従事。
MS-Japanに入社後は、横浜支社の立ち上げに加え、経理・人事・法務・経営企画・公認会計士・税理士等、幅広い職種のマッチングに従事。
2021年より東京本社へ異動後は、公認会計士・税理士・弁護士・社労士等の士業を専門とするJ事業部の管理職を務める傍らプレイヤーとしても従事。
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