「国際法務」と「外資系企業の法務」で求められる能力の違いと、今後の求人ニーズ

「国際法務」と「外資系企業の法務」で求められる能力の違いと、今後の求人ニーズ

2012/01/30

現在の転職市場において、「国際法務」と「外資系企業の法務」は、混同されることが多いようです。
今回は、一見似ているようで大きく異なる「国際法務」と「外資系企業の法務」の2つの業務内容の違いを整理し、それぞれに求められる経験や人材像を概観していきます。

 

【国際法務】
国内企業が海外進出するためには国際法務の能力が求められますが、そこで必要とされる能力とは一体どのようなものなのでしょうか?

国内市場が減退しつつあると言われている今、企業にとっては海外市場への積極的な進出がますます重要となってきています。国内企業が海外に進出するに際しては、国際的な活動を法的な面からサポートする国際法務に精通した法務スタッフが必要です。
海外に企業が進出する以上、進出先の国や地域の法律や商慣習を扱うことになります。国際法においては、慣習法が大きな役割を果たすなど、様々な点で国内法とは異なっています。また、国際法の背景にある国際情勢や、各国の歴史・文化に関する理解も重要となります。このような事情から、進出先の国で利用される言語がビジネスレベルで使用できると業務がスムーズに運びます。それに加えて、進出先の法律、商慣習、国際情勢、歴史、文化に精通していれば即戦力になりうるといえるでしょう。もっとも実務では、海外の法律すべてに精通することは不可能であり、現地の法律事務所を使うこともできますので、すべてに精通することまで求められるわけではありません。

上記のことから、国際法務で活躍しやすい人材の特徴としては、海外ロースクール留学経験や海外弁護士資格を持つ人材です。このような人材は、現地の言語、法律、慣習等を学んできているため、国際法務の現場で活躍しやすいといえます。

 

【外資系企業の法務】
一方、海外から日本に進出してきた外資系企業(いわゆる海外企業の日本法人)の法務部では、どのような能力が必要とされているのでしょうか?

外資系企業における法務部のミッションは、日本国内のビジネスを成功に導くための法的サポートです。そのため、外資系企業の法務スタッフに求められる能力としては、日本国内の法律、商慣習、文化への理解が挙げられます。また、本国との連携も重要ですので、本国との連絡を取り合えるレベルの語学力も必須です。
したがって、外資系企業の法務部スタッフとしては、日本の国内法務実務に詳しく、かつ本国の言語をビジネスで使いこなせる能力を兼ね備えている人物が適任といえるでしょう。

ちなみに海外では企業の法務部員が弁護士資格を有していることが多いので、日本の弁護士資格をお持ちの方が評価されることも多く見受けられます。

 

【今後の展望】
国内の経済活動が縮小していく中、法務部門では、今後はいかなる人材にニーズが集まるのでしょうか?

円高の影響等で日本国内の経済が空洞化するという予想を前提にするならば、外資系企業の日本進出は低調になるでしょう。実際、撤退している外資系企業も多いのが現状です。一方、M&Aを積極的に進める国内企業は多く、国内の企業はアジアに活路を見出そうとアジア進出を加速させています。
このような状況に鑑みると、前述の外資系企業の法務スタッフに対するニーズは下がり、国際法務に対するニーズは高まると考えるのが穏当でしょう。実際、弊社に寄せられる企業の求人ニーズは、このような予想に合致しています。

法務部門でキャリア形成をお考えの方々は、上記のような状況を踏まえ、ご自身の目指すキャリアの方向性を決めたうえで、スキルアップや転職活動を行うことが必要になっていくでしょう。

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(文/キャリアアドバイザー)

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