大手企業も採用に苦戦、国際法務の経験者が売手市場に。

大手企業も採用に苦戦、国際法務の経験者が売手市場に。

2012/02/24

企業法務経験者の転職活動を支援させていただいて感じるのですが、弊社にご登録いただく法務経験者の方々に、国際法務を経験したいという目的を持った方が増えています。
そこで今回は、国際法務求人について、企業側、求職者側の事情を概観します。 

1.企業側
昨今の円高の影響もあり、国内企業が海外企業をターゲットにM&Aを行う機運が高まっています。そんな状況のなか、多くの企業で国際法務人材の増強が必要になっており、弊社への国際法務に関連する求人の依頼も増加傾向にあります。
ところが、国際法務の実務経験者が転職市場に出てくることは、多くないのが実情です。
その理由としては、企業法務のなかでも花形的な職務である国際法務に従事できている場合、転職したいという理由が形成されにくいことが挙げられます。
企業側の求める人材の必須要件には、以下のような傾向があります。


・若手、および中堅クラスの企業法務経験者
具体的な経験年数の目安として、若手の場合は法務経験2~5年程度、中堅クラスを求める場合は5~8年程度の法務経験を必須要件とする企業が多いようです。


・ビジネスレベルの英語力
英語力の基準としてTOEIC800点程度以上を要求している求人が多いようです。ただし、TOEICのスコアはあくまでも目安であることが多く、仮にスコアが低くても国際法務の経験があり、実務で語学を使用していた経験があればその限りではないようです。


以上のような採用側のニーズを満たす若手から中堅の法務スタッフの人数はそもそも少ない中、転職市場に出てくる人数はごく僅かに限られます。
国際法務の採用については、上記のように限られた人材を企業間で取り合う展開が多くみられるため、採用側はすべての条件を満たす人材を、時間をかけて探すよりも、「譲れない要件」と「妥協してもいい要件」を定め、母集団を広げることで、採用を実現させる場合が多くなっています。


2.求職者側
・企業出身者
冒頭でもお伝えしましたが、法務でキャリアアップを目指されている求職者の方々のうち、国際法務に従事することを志向して転職活動をされている方の割合が増えています。
ひと通りの企業法務スキルを身に付けたが、国際法務経験が積めない環境では、キャリア形成に限界があると感じて転職活動を開始される方が多い傾向にあります。
国際法務の経験が無い人材が国際法務のポジションを目指す場合、必要とされる経験として企業法務の基礎をしっかりと身に付けている必要があります。すなわち、契約法務、株主総会関連、コンプライアンス関連等の業務です。それに加えて、ビジネスレベルの英語力(目安としてTOEIC800点以上)が必要となります。


・弁護士
弊社では、弁護士の方々の転職活動も支援しておりますが、弁護士の方々の希望進路として、法律事務所への転職に加えて、最近は企業内へインハウスとして転職することを希望され、ご登録いただくことが増えています。特に、希望進路の第一希望として企業での勤務を希望される方が多い傾向にあります。
理由としては、「第三者的立場ではなくビジネスに主体的にかかわりたいと考える方が増えていること」、「事務所での仕事が激務なのでプライベートの時間を確保したいこと」等が挙げられます。
経験弁護士がキャリアチェンジを行い、インハウスとして国際法務に従事するために有利に働く経験としては、やはり企業法務を事務所で経験していることが重要です。それに加えて、企業法務経験者同様、国際法務に従事可能な英語力が必要になるでしょう

 

求職者のうち、国際法務の実務経験がある方は限られています。一方、企業側が採用したいのは、国際法務の実務経験者です。こういった需要と供給のバランスが崩れている状況が、国際法務経験者に求人が殺到する状況を形成しています。
このような現状を踏まえ、企業側は採用活動に取り組まなければなりませんし、求職者側は自身のキャリア形成をしていく必要があるでしょう。

(文/キャリアアドバイザー)

 

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