【コラム】アサヒとサントリーが特許権をめぐる争いに終止符......和解成立までの道のり

【コラム】アサヒとサントリーが特許権をめぐる争いに終止符......和解成立までの道のり

2016/08/30

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みなさん、ビールはお好きですか? ちょうど今はビールの美味しい季節ですよね。一口にビールといっても、多くのメーカーからさまざまな銘柄が出ていますよね。

ところでその中の大手二社、アサヒビールとサントリーホールディングスが特許権をめぐって争っていたことをご存知でしょうか? 両者の間で、昨年よりノンアルコールビールの特許権侵害をめぐり裁判になっていましたが、今年平成28年7月20日、ついに和解が成立したのです。

裁判の始まりは平成27年1月でしたが、書面上での争いは裁判よりもっと前、平成25年10月からすでに始まっていました。

ことの発端は一通の手紙から

平成25年10月、アサヒが「ドライゼロ」の製法をリニューアルし、キャンペーンを展開していた矢先に、サントリーから一通の手紙が届きました。その内容は、サントリーのノンアルビールの製法が近々特許を取得するが、ドライゼロがその特許を侵害しているというものだったのです。

その後アサヒは特許が無効であると主張し、それに対しサントリーがその根拠を求め、またアサヒがそれに回答し......という書面上のやりとりが続いた後、ついに両者の話し合いの場が実現。その席でサントリーは和解協議を提案したものの、アサヒが拒否しました。
さらにその後もサントリーは和解の条件としてドライゼロの製法の変更を求め、続けて製造・販売の中止を求めるに至りましたが、アサヒは応じなかったため平成27年1月、争いが法廷に移ることになりました。そして特許侵害訴訟が幕を開けたのです。

裁判で、サントリーはドライゼロが自社の特許権を侵害していると主張。一方、アサヒはサントリーの製法が「既存の製品等から容易に発明できたもの」であることや、特許出願後にサントリーが無理のある特許範囲の修正を行ったと主張していました。同年10月にサントリーの訴えは棄却されましたが、翌11月サントリーが知財高裁に控訴。それに対し、アサヒが特許庁に特許無効審判請求書を提出していました。

特許侵害訴訟件数がまだまだ少ない日本

日本は諸外国と比べると、特許侵害訴訟が起きるケースはまだまだ少ないのが現状です。特許侵害訴訟が少ない理由としては、日本の国民性として訴訟を好まないこと、訴訟の費用が高くつくこと、特許権者が敗訴した場合リスクが大きいことなどがあげられます。原告の勝訴率も2010~2014年にかけてはおおよそ20~25%の間で推移しており、決して高くはありません。

しかし、裁判の判決だけでなく、和解という形である程度原告の満足が得られているというデータもあります。2011~2013年に行われた訴訟判決137件と和解92件の計229件のうち、45%前後のケースで原告側の権利の実現がなんらかの形で図られたと分析されました。

今回のケースでは、裁判所の勧めもありサントリーが訴訟を取り下げ、アサヒも無効審判請求を取り下げ、今後はこの件で一切争わないことで合意し、和解が成立しました。和解内容は両社の間で「守秘事項」とされていますが、アサヒはこれまでどおりドライゼロを製造販売していくことができるようです。裁判上での争いは和解という形で幕を閉じましたが、両社は引き続きノンアルビール市場でしのぎを削る戦いを繰り広げることになるでしょう。

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