2023年06月09日

弁護士になるための費用となった後にかかる費用は?予備試験受験料や初期登録や年会費など

管理部門・士業の転職

一般的に、弁護士を目指すにはお金がかかると言われていますが、法科大学院と司法試験予備試験のどちらを利用するかによって、大きく相場が変わります。 また、実際は弁護士になる前だけでなく、なった後にも様々な費用が発生するのです。

この記事では、弁護士になるために必要な費用と、弁護士になった後に必要な費用について、具体的な金額をもとに解説します。

弁護士になるためにかかる費用

たとえば医師のように、専門の知識やスキルが必要な職業では、教育を受けてから就業するまでにかなりの費用がかかります。 同じく士業である弁護士も同様で、弁護士になるには相応の費用が必要です。

実際にどの程度の費用がかかるか知っておくことで、その後の人生設計をより具体的にできます。
ここでは法科大学院ルートと、司法試験予備試験ルートに分けて、弁護士になるためにかかる費用を紹介します。

弁護士になるまでの大まかな流れ

弁護士になるためには司法試験に合格する必要がありますが、受験資格を得るには法科大学院を卒業するか、司法試験予備試験に合格しなければなりません。

法科大学院では既修コースで2年、未修コースの場合は3年の履修が必要です。
一方の司法試験予備試験には受験資格の制限がないものの、試験そのものの難易度が非常に高ため、確実に司法試験受験資格を得るためには、法科大学院に進学することをお勧めします。

まず、どちらのルートで弁護士になる場合でも、基本的に必要になる費用を以下にまとめます。

・司法試験講座:約30万円(平均)
・司法試験受験料:28,000円
・日弁連登録費用:30,000円
・弁護士会登録費用:約3万円~(都道府県により異なり、最高では60万円も)
・その他必要経費:約10万円

これらを合計した概算で約50万円は、弁護士になるための基本費用と考えればよいでしょう。

法科大学院ルートでかかる費用

次に法科大学院を経て弁護士を目指す場合には、以下の費用が別に必要になります。

・法科大学院の学費:約200万円/2年コース:約300万円/3年コース
・生活費:約100~200万円

これに上記の基本費用を加算すると、2年コースでは約350~450万円で、3年コースでは約450~550万円が必要です。
ただし、学費は大学ごとに異なり、生活費に関してはあくまでも目安です。

司法試験予備試験ルートでかかる費用

一方司法試験予備試験を経て弁護士を目指す場合、基本費用の約50万円に加えて、以下の費用が必要です。

・予備試験講座:約100万円(目安)
・予備試験受験料:17,500円
・生活費:約100~200万円

これらを合計すると、全体では約250~350万円となり、法科大学院ルートに比較するとかなり費用を抑えられます。
独学で合格を目指すなら、予備試験講座の費用は必要なくなりますが、試験の難易度からすると、現実味はあまりないと言えるでしょう。

いずれにせよ、費用はかかっても確実に司法試験受験資格を得るためには、法科大学院コースのほうが安心でしょう。

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学費免除や奨学金制度とは

弁護士になるには、どのコースを選んでもかなりの費用がかかります。
しかし、法科大学院では学費免除奨学金制度を設けている大学も多く、そのほかに日本学生支援機構の奨学金制度を利用することもできます。
ここで、それらの概要を紹介しましょう。

法科大学院の学費免除・奨学金制度

国立と公立の法科大学院には、入学料と授業料の全額免除、もしくは半額免除の制度があります。 その対象にならない場合でも、徴収猶予と分納の制度を利用可能です。
これらの制度は主に経済的理由で、入学料や授業料の納付が困難な場合に利用できます。 また、成績優秀者という条件がつくことが多いのですが、大学によっては経済的支援制度を利用することも可能です。

一方で私立大学にも同様の制度があり、経済的理由があることや、成績優秀であることなどの条件によって、学費の免除制度や、生活費も含めた経済的支援制度などを利用できます。 経済支援には給付の場合と、返済が必要な貸与の場合とがあります。

制度利用の条件などは大学ごとに異なり、場合によっては別な支援制度を利用できる可能性もあるので、事前に調べるか大学に相談するとよいでしょう。

学生支援機構の奨学金制度

日本学生支援機構では法科大学院の学生向けに、無利子貸与の第一種奨学金と、有利子貸与の第二種奨学金を提供しています。
在学中の生活費なども考慮して、収入がなくても就学できるように、第一種と第二種を併用することも可能です。

学生支援機構の奨学金制度では、経済的な理由を原則に、成績が優秀であることも求められます。
奨学金は法科大学院の標準修業年限内で受給でき、司法試験終了後のタイミングから、金額に応じて12~20年間で返還する仕組みです。

この奨学金には返還免除制度もあり、在学中に優れた成績をあげた学生が申請すると、大学の学長の推薦が受けられれば、奨学金の全額または一部の免除が認められます。
ただし、対象は第一種奨学金だけで、免除実績は全額が全受給者の約1割で、半額免除が約2割ということです。

さらに、奨学金返済開始までに法科大学院を修了できなかった場合や、司法試験に合格できなかった場合、または就業してから経済的に返還が困難になった時などは、減額返還や返還期限猶予などにより、返還計画が緩和されることもあります。

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弁護士になった後も費用が発生する

弁護士になった後も費用が発生する

弁護士資格を修得した後、弁護士として活動していくためには、日弁連(日本弁護士連合会)や弁護士会の登録料・会費など、自ら負担しなければならないさまざまな費用があります。
なぜ、弁護士がこれらの金額を自己負担しなければならないのでしょうか?

それは、日弁連や弁護士会が、国家から監督を受けていない自治組織だからです。 弁護士は時として国家機関と対決することもあるため、国家機関から独立した組織として機能するために、独自の自治権を保持しているのです。
そのため、組合内部ですべての運営を行わなければならず、その費用を、会員からの会費によって賄っているからです。

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地域によって大きな差がある弁護士の初期費用

まずは、弁護士になった際の初期費用について説明しましょう。
弁護士になると、必ず加入しなければならないのが日弁連各地の弁護士会です。
日弁連への名簿登録料は 3万円ですが、各地域の弁護士会の入会金は、最安値が東京の3万円、最高値が奈良の60万円と、地域によって大きな差があります(*平成22年時点)。 会員が少ない地域は、少人数で運営費を負担しなければならず、それが金額の差になると考えられています。

それに加えて、資格免許を登録する際に支払わなければならない「登録免許税」という国税がかかります。 登録免許税は資格によって異なりますが、弁護士は6万円です。

つまり、東京都の弁護士は合計12万円、奈良県の弁護士は合計69万円の初期費用を支払うことになります。

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年間費用は50〜100万円。若手には減免措置もあり!

初期費用のほかにも、毎月負担する会費があります。 日弁連の会費は、ひと月あたり1万4000円。
これに加えて、事件や法律援助の基金などのために日弁連特別会費も徴収されます。 そのうえ、各地域の弁護士会の会費がかかります。
これも地域によって異なり、毎月の弁護士会費の最安値は静岡県の1万2000円、最高値が島根県の6万円となっています。 弁護士会の特別会費を徴収するところも多く、さらに、地域によっては支部・地区会費やブロック会費などを年間で支払うケースもあります。
これらをすべて合わせた年間負担額は、50〜100万円程度。 具体的に、最安値は愛知県の49万8000円、最高値は山口県岩国支部の117万8400円となっています(*すべて平成22年時点、5年目の弁護士の場合)。
大きな負担となるため、まだ収入の少ない若手弁護士に対しては、数年の間は会費を減額・免除するなど、各地でさまざまな措置が取られています。

弁護士の組合を運用するための大切な初期費用と年会費。自分の所属する地域の会費や若手への減免措置について、きちんと調べてみましょう

この記事を監修したキャリアアドバイザー

小島 亜里紗

大学卒業後、ウェディングプランナー、業界大手で求人広告の企画提案営業を経て、MS-Japanへ入社。
企業担当のリクルーティングアドバイザーを経験した後、現在は転職を考えられている方のキャリアアドバイザーとして、若手ポテンシャル層~シニアベテラン層まで多くの方の転職活動のサポートをしています。
人材業界での経験も長くなり、いつまでも誰かの記憶に残る仕事をしていたいと思っています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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