増加する企業内弁護士 ~後編「年収やキャリアビジョンから見る企業内弁護士」~

増加する企業内弁護士 ~後編「年収やキャリアビジョンから見る企業内弁護士」~

2012/12/06

企業内弁護士を目指す弁護士が増加していますが、企業内弁護士の実態は、あまり知られていません。MS-Japanの法務&弁護士専任のキャリアコンサルタントが、日々のカウンセリングで得た生の声を元に、その秘密に迫ります。
今回のコラムでは、前編「なぜ弁護士が企業に転職するのか?」に続き、企業内弁護士の年収やキャリアビジョンについてお伝えします。

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転職をご検討されている弁護士の方から、企業内弁護士として勤務した場合の年収やキャリアビジョンについて、ご質問を頂くことが多くなっています。企業内弁護士を目指す場合に、希望年収をどの程度に設定すればいいのかよくわからないというのが本音のようです。今回は、法律事務所に勤務する弁護士が、企業内弁護士を目指す場合に、期待できる年収についてと、企業に勤務した後のキャリアビジョンついてお伝えします。


①企業は弁護士をいくらで採用しようとしているのか?
企業が弁護士を採用する際、「弁護士を採用する場合、年収はどれくらいが妥当ですか?」というご質問を頻繁にいただきます。企業側も弁護士を採用する際の年収相場がわからないケースが多いのです。年収相場は、日々変動し続けるものですので、明確化することは難しいところがありますが、企業側が出そうとしている年収相場は、過去のデータから以下のような結果が出ております。

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※MS‐Japan データベースより算出

約8割が899万円以下となっています。1000万円を超える年収が想定できる求人は13%でした。
この結果が示すこととして、多くの企業は、弁護士といっても通常の法務部員と同様の処遇で採用する場合が多いということです。企業内弁護士として働くことをお考えの弁護士の方は、まずこの実態を認識する必要があります。ただし、企業内での処遇には、法律事務所とは異なる点も多く、住宅手当や家族手当、退職金などの福利厚生や、仕事内容、残業時間などの労働環境といった様々な要素が絡むため、年収(いわゆる給与額)以外の点も考慮され転職活動をされることをおすすめいたします。


②企業に入社した弁護士の年収はどの程度だったのか?
それでは、実際に弊社から入社した弁護士の方の年収はいくらだったのでしょうか?
上記グラフのデータは、求人票に記載されている年収ですので、実際に内定が出たときの年収についても調べてみました。過去半年間で、弊社のご紹介で企業へ入社された弁護士の平均年収(入社時)は686万円でした。
上記グラフのデータにおいても、600万円台がもっとも割合が多く、実際の入社時の年収もそれに対応していると言えます。当社登録の弁護士の現在年収の平均が925万円であることを考えると、企業内に転職するということは、年収を下げる覚悟が必要であると言えそうです。


③企業内弁護士のキャリアビジョン
(1) 法律事務所→企業内弁護士
法律事務所から企業内弁護士への転職は、現在のトレンドであり、弁護士事務所での実務経験の強みを生かして、企業内で働くというケースが一般的です。弁護士業界を熟知しているということが、弁護士の強みとして挙げられます。企業が法律事務所に業務を委託する際に、どの法律事務所がどの分野に強いのか、社内で処理することのできる業務とアウトソーシングする業務の割り振りはどうすればよいか等の判断が可能であれば、無駄な弁護士費用の発生を抑えられ、コスト削減に寄与することができます。もっとも、一般民事中心の法律事務所に勤める弁護士については、上記メリットが少ないため、企業内への転職のハードルは高くなります。年齢が高くなるにつれ企業の求めるハードルも高くなるため、一般民事中心の法律事務所から企業内への転職を目指す場合は、できるだけ若い年齢で転職活動を開始することが重要になります。

(2) 企業内弁護士→法律事務所
企業内弁護士から、法律事務所への転職は、一般的に厳しいと言われています。企業内の法務で磨けるスキルは、法律事務所でのそれとは異なります。そのため、年次が上がるほど、転職は厳しくなると言えます。もっとも、企業内で形成した人脈で、転職先の法律事務所に新たな顧客を提供できるなどの強みがある場合はその限りではありません。
いずれにせよ、ひとたび企業に入社したら、その企業内で法務部長を目指すキャリアプラン、もしくは一定の経験を積み転職によってキャリアや年収などのキャリアアップを探るプランなど、通常の法務部員と同様のキャリアビジョンをイメージすることになります。

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(文/キャリアアドバイザー)

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