【コラム】 弁護士だってクリエイティブ思考の時代

【コラム】 弁護士だってクリエイティブ思考の時代

2013/08/29

普段は忙しくてテレビを観ない弁護士の皆さんも、ビジネス系の番組だけは欠かさずチェックしている方も少なくないはず。その中でも、「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)は、実業界で旬の第一人者への密着取材VTRと、スタジオで作家の村上龍さんが鋭く切り込むトークを組み合わせた構成で人気を博し、今年で8年目に突入している。

8月8日のゲストは、アートディレクターの佐藤可士和さん。ユニクロや楽天のロゴマーク、NTTドコモの携帯電話やキリングループの飲料、SMAPのCDジャケットなどのデザインを手掛け、ヒット作を連発していることで知られる。

番組では、企業側が商品開発の重要局面でお伺いを立てているシーンを紹介していたが、広告業界で厳しい注文を付ける経営者として怖れられているセブン&アイホールディングスの鈴木敏文会長が、全幅の信頼を置いているという。クライアント企業は、いまや「可士和詣で」無しには商品プロデュースが進まないほどの影響力を誇っている。

佐藤さんが、企業の宣伝戦略のカリスマとして注目されるのは、単に商品のデザイナーとして優れた作品を生み出す才能があるからだけではない。商品開発から消費者の手に届く段階までのプロセスをトータルでデザインする戦略家としての力量も大きい。つまりデザイナーとしての才能+マーケティングコンサルタントの顔もある。

佐藤さんは、大手広告会社で駆け出しだった頃は、自分の着想力を出発点に、クライアントの商品プロモーションにどう反映させるかというアプローチだった。しかし、ある時点で行き詰まりを感じて試行錯誤する中、クライアントや商品が持っている特性などの本質的な部分をしっかり把握したうえで、多角的にその魅力を引き出す手法に変えていったそうだ。

弁護士の場合も若手だと、学びたての法律の理論を先行させ過ぎる余り、うまく進まない案件にも遭遇することがあるのではないか。同じ国家資格でも、規程のルールに沿った仕事が中心の会計士や税理士よりも、弁護士は教科書通りにはいかない、現実社会の複雑な案件と向き合うことが大半。ときには判例がほとんどないケースに遭遇することもあるだろう。その場合は、どう解決するのか徹底したリサーチや提案力といったコンサルタント的な立ち回りも必要になってくる。

ここで佐藤さんに見習うべきは、クライアントとの向き合い方だ。
村上龍さんとのトークでも触れていたように、佐藤さんは自らの仕事を医者、悩みを抱える企業を患者に見立て、「問診」を重要視している。著書「佐藤可士和のクリエイティブシンキング」(日本経済新聞出版社)によると、佐藤さんは①人の話をちゃんと聞く②話の本意を読み取る③自分の考えを正確にまとめる④相手にわかりやすく伝える――の4点を心掛けている。いずれも当たり前のことではある。しかし、実際のビジネスの場面で毎度のようにこれを実行するのが難しいことは皆さんも経験されているだろう。佐藤さんは時に相手に極論をぶつけて揺さぶってみたり、共感を集めることを主眼にしたプレゼンテーションをやってみたりと創意工夫を重ねている。

佐藤さんは、創造的な考え方で問題を解決していくことを意識づけている。仕事のできる弁護士になるためには、異業種の第一人者からも貪欲に学びたいものだ。

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