法科大学院には行くべきなのか?メリットとデメリット

法科大学院には行くべきなのか?メリットとデメリット

2019/06/03

法科大学院には行くべきなのか?メリットとデメリット

社会人が司法試験やその先にある弁護士を目指す場合に、法科大学院へは行くべきなのでしょうか?
法科大学院は、修了すれば司法試験の受験資格が確実に得られることがメリットです。
一方、お金と時間がかかるデメリットもあります。
ここでは、法科大学院のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

法科大学院の現状

法科大学院の現状は、残念なことに「芳しい」とはいえません。
法科大学院の数および志願者・入学者の数はともに減少しています。
法科大学院は、もっとも多いときには全国で74校がありました。
ところが、2018年度までにそのうち35校が募集停止や撤退に追い込まれてしまいました。
募集停止・あるいは撤退したのは、2011年の姫路獨協大を皮切りに、大宮法科大学院大、駿河台大、明治学院大、獨協大、東海大、新潟大、信州大、島根大、鹿児島大、熊本大、青山学院大、立教大など。有名私立大学や地方の国立大学も含まれることとなっています。

法科大学院が募集停止や撤退を決めるのは、学生が集まらないことが理由です。
法科大学院の志願者数および入学者数は、2005年の時点では、志願者:4万1,756名、入学者:5,544名でした。
ところが、2018年には、志願者:8,058名、入学者:1,621名となり、志願者は約5分の1、入学者は3分の1以下となってしまっています。
存続している法科大学院の学生減も深刻です。残っている39の法科大学院のうち10校は、定員の半数以下しか学生が入学していません。

司法試験の合格率

法科大学院に学生が集まらないのは、法科大学院修了生の司法試験合格率が低いことが原因の1つとしてあげられます。
2018年の司法試験で、法科大学院修了生の合格率は24.7%となっています。法科大学院別に見ると以下の通りです。

順位 法科大学院名 受験者 合格者 合格率
1 東北学院大学 5 3 60.0%
2 一橋大学 121 72 59.5%
3 京都大学 216 128 59.3%
4 東京大学 252 121 48.0%
5 神戸大学 301 118 39.2%
6 慶應義塾大学 301 118 39.2%
7 大阪大学 133 50 37.6%
8 早稲田大学 301 110 36.5%
9 九州大学 87 29 33.3%
10 名古屋大学 95 29 30.5%
11 白鳳大学 7 2 28.6%
12 東北大学 55 15 27.3%
13 香川大学 12 3 25.0%
14 広島大学 48 12 25.0%
15 中央大学 435 101 23.2%
16 愛知大学 13 3 23.1%
17 信州大学 22 5 22.7%
18 首都大東京 103 23 22.3%
19 岡山大学 51 11 21.6%
20 創価大学 61 13 21.3%

以上は、司法試験合格率が上位の大学となります。しかし、有名大でも合格率が、
・筑波大学 13.2%
・上智大学 14.8%
・明治大学 12.3%
・立命館大学 11.4%
と、低水準になっているところもあります。また、合格率が10%を下回っていたり、合格者数が0であったりする大学も多くあります。

法科大学院に進学するメリット

以上で見てきたように、人気が低迷している法科大学院ですが、進学するメリットはどのようなものがあるかを見てみましょう。

①確実に司法試験の受験資格が得られる

法科大学院に進学するメリットとして第1にあげられるのは、修了すれば司法試験の受験資格が確実に得られることです。
司法試験の受験資格を得るためには、
・予備試験に合格する
・法科大学院を修了する
の、どちらかを選ばなければなりません。
予備試験の合格率は約4%となっており、非常な狭き門だといえます。それに対して、法科大学院なら、大学を選ばなければ比較的容易に入学することができます。

②社会人でも通える

夜間部を設けている法科大学院もあるため、社会人でも通えることも法科大学院のメリットだといえるでしょう。
社会人が司法試験を目指す場合は、受験資格を得るために予備試験を選択すると、どうしても1人での勉強を続けなければなりません。
1人での勉強は、孤立感に苛まれたり、勉強度合いの進捗の判断がむずかしくなったりする場合があります。
法科大学院ならば、同じ目標をもった仲間から刺激を受けることができるため、モチベーションを保ちながら勉強を続けることが容易になります。

③教員と学生の距離が近い

大学の法学部と比較して教員と学生の距離が近いことも、法科大学院のメリットとしてあげることができるでしょう。
大人数で行われる法学部の授業とは異なり、法科大学院では比較的少人数で、教員と学生の双方向、また学生同士の多方向のコミュニケーションを取りながら授業が行われることが多くなります。教員や他の学生との対話のなかで、さまざまな発見をする機会が増えるでしょう。
また、教員には、実務家も多数います。法科大学院の在学中に法曹界への人脈を広げることも可能となります。

法科大学院に進学するデメリット

法科大学院に進学するデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
デメリットの第1にあげられるのは、やはり法科大学院に進学すればお金と時間がかかることです。
お金については、国立大学の場合でも、入学金が約30万円、学費は約80万円となります。私立大学の場合には、より高額であるケースが多くなります。
また、社会人であれば、2年または3年にわたって仕事と両立しながら通学しなければなりません。このことも、かなりの負担になるといえるでしょう。

加えて、先に見た通り、法科大学院を修了した場合の司法試験合格率が低いことも、法科大学院に進学するデメリットだといえるでしょう。
卒業すればほぼ確実に医師免許が取得できる大学の医学部と比べると、法科大学院は大きく異なるものとなります。

法科大学院進学後の就職先

法科大学院に進学し、修了した後のキャリアは、司法試験に合格した場合には、もちろん弁護士になることが第1にあげられます。弁護士になる場合の具体的な就職先は、
・法律事務所
・一般企業(インハウスローヤー)
・すぐに独立開業する(即独)
などとなるでしょう。
また、司法試験に合格できなかった場合でも、企業の法務部などへ就職することも可能です。

まとめ

法科大学院には行くべきなのか?メリットとデメリット

法科大学院は、入学は比較的容易であるため、司法試験の受験資格を得るためにはおすすめです。
ただし、お金と時間がかかるわりには、司法試験の合格率は低いものとなっています。
法科大学院に進学する場合には、司法試験対策を万全に行うことが重要です。

法科大学院修了生向けの就職情報はこちら

【おすすめ記事】
法科大学院を留年すると就職に影響するのか
司法試験にまつわる年齢の結びつき

<参考>
法務省「平成30年司法試験法科大学院等別合格者数等」
日本弁護士連合会「司法試験合格者の状況」
文部科学省「各法科大学院の平成30年度入学者選抜実施状況」

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