企業内弁護士とは? 増加の背景や年収など

企業内弁護士とは? 増加の背景や年収など

2019/06/12

企業内弁護士(インハウスローヤー)とは? 増加の背景や年収など

企業内弁護士(インハウスローヤー)が近年大幅に増加しています。10年間で10倍近くの増加となり、採用する企業数も右肩上がりで増えています。
ここでは、企業内弁護士とはどのようなものなのか、および増加の背景や年収などを見ていきましょう。

企業内弁護士とは

企業内弁護士(インハウスローヤー)とは、企業の社員として雇用される弁護士のことです。企業内弁護士の人数は、近年大幅に増加しています。
以前なら、弁護士を企業が社員として雇用することは稀であり、企業は弁護士と顧問契約を結ぶことが一般的でした。顧問契約は、訴訟などのリスクが明らかになった時点で、弁護士と対応を相談する形となります。
それに対して、近年では多くの企業が「企業内弁護士」として弁護士を雇用するようになっています。

日本弁護士連合会の調査によれば、企業内弁護士数の推移は次のようになっています。

企業内弁護士(インハウスローヤー)とは? 増加の背景や年収など

出典:日本弁護士連合会「企業内弁護士とは」

2008年に266人だった企業内弁護士は、2018年に2,161人となっていますので、10年間で8倍近く増加したことになります。

企業内弁護士を採用する企業も右肩上がりに増えています。

出典:日本弁護士連合会「企業内弁護士とは」

企業内弁護士を採用している企業のトップ10は次のようになっています。

順位 企業名 人数
1 ヤフー 27
2 野村證券 23
3 三菱商事 22
4 三井住友銀行 21
5 三井物産 17
6 双日 16
6 三菱UFJ銀行 16
6 LINE 16
9 アマゾンジャパン 15
9 丸紅 15
9 三井住友信託銀行 15
9 三菱UFJ信託銀行 15

出典:日本弁護士連合会「企業内弁護士とは」

企業内弁護士を採用している企業の業種も、製造業や証券・金融業、銀行・保険業、卸売・小売業、情報・通信業、サービス業、不動産業、建設業、運輸・郵便業など多岐にわたります。

企業内弁護士が増加している背景

企業内弁護士が増加している背景として、
・法務リスクの拡大
・弁護士人口の増加
があげられるといわれています。

法務リスク拡大の要因は、
・規制緩和が推進されることにより、企業のコンプライアンス経営強化が求められるようになった
・グローバル化が進行することにより、国際間での取引やM&A・組織再編が増加した ・社内における労使トラブルが増加した
などがあるとされます。
これらの要因により拡大する法務リスクは、以前よりはるかに複雑化・多様化する傾向にあります。
法務リスクに迅速・内密に対応するため、企業内弁護士を採用する必要性が高まっているといわれます。

また、司法制度改革による弁護士人口の増加も、企業内弁護士が増加する背景にあるとされます。
弁護士人口が増加し、弁護士就職の受け皿が法律事務所だけでは足りなくなったことにより、企業内弁護士としてのキャリアを弁護士が積極的に選択するようになっています。

企業内弁護士は、以前であれば法務部門に配属されることが一般的でした。
しかし、近年では多くの企業が、企画や商品開発などの法務以外の部門に企業内弁護士を配属し、法的なチェックをより迅速に行える体制を作っています。

企業内弁護士の待遇や年収

企業内弁護士の待遇や年収はどの程度なのでしょうか?
MS-Japanの調査によれば、法律事務所と企業のそれぞれに勤務する弁護士の平均年収は、ほぼ同等になっています。

平均年収
法律事務所 794万円
企業 805万円

※ 法律事務所の年収は代表/パートナーを除く

年齢による平均年収の推移を比較すると、30代中盤までは、法律事務所が企業を100万円程度上回っています。
しかし、30代後半以降は、法律事務所は横ばいとなり、順調に伸びる企業がそれを上回ることとなります。

法律事務所の平均年収は、パートナーになれるかどうかが伸びに大きく影響します。上の調査において法律事務所の平均年収が30代後半以降で横ばいになっているのは、パートナーを除外してあることが原因だと考えられます。
それに対して企業では、昇給・昇格についての人事制度が整備されていることから、年齢が上がるにつれて年収も着実に伸びるケースが多くなります。
管理職クラスとなる40代後半では、企業内弁護士の平均年収は1,000万円を超えています。

また、法律事務所の年収は企業とくらべてバラツキが大きいことも特徴です。
29歳以下の年収は、法律事務所の場合には、約6割が600万円以下であるのに対し、1,000万円を超える人も約2割となっています。
企業の場合は、29歳以下で1,000万円を超える人はいませんでした。

企業内弁護士になるには? 実務経験者が求められるのか?

企業内弁護士になるためには、実務経験者が求められるのでしょうか?
外資系企業の場合には、弁護士としての経験年数が長い企業内弁護士が多いことが特徴です。
採用にあたっては、実務経験の年数は5年以上が条件となり、さらに海外留学と同等の英語力、および特定分野に関する専門性も求められます。

それに対して国内の企業では、若手の弁護士を採用することが一般的です。
実務経験5年未満の弁護士も多く採用されています。司法修習生からの採用を行う企業もあります。

まとめ

企業の法務リスク拡大と弁護士人口の増加を受け、近年、企業内弁護士は大幅に増加しています。
法律事務所と比較してワークライフバランスが取りやすいことから、希望する弁護士も増えています。
国内企業においては、採用にあたって実務経験が問われないことが多くあります。
「安定した職場で生活も充実させながら働きたい」と思う場合は、法律事務所からの転職を検討するのも良いでしょう。

>> 【弁護士のおすすめ求人】弁護士の転職限界説は〇〇歳?!30代・40代弁護士の転職事情とは

企業法務の求人はこちら!

【おすすめ記事】
企業内弁護士に転職したい方へ!個人受任の取り扱いには要注意!
【年収編】弁護士にとって、どっちがお勧め?!法律事務所とインハウスを徹底比較

会員登録がまだの方

転職者と求人側の現状や希望をコンサルタントが常に分析。
適職とのマッチングを第一に考え、
マンツーマンで質の高い求人情報をご提供します。

求人をお探しの方

法務・弁護士・弁理士等、法律領域トップクラスの転職サポート実績。企業法務や法律事務所、特許事務所の求人情報が豊富に掲載されています。

登録はお済みですか?

転職者と求人側の現状や希望をコンサルタントが常に分析。適職とのマッチングを第一に考え、マンツーマンで質の高い求人情報をご提供します。