弁護士人数の推移 弁護士の働き方はどうなるのか?

更新日:2019/10/22
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弁護士人数の推移 弁護士の働き方はどうなるのか?

管理部門・士業の転職

「弁護士になったとして就職先はあるの?」
弁護士を目指していても、そのような心配する人は多いと思います。
たしかに、近年になり弁護士数が増え、弁護士は「就職難」といわれることもあります。
しかし、企業内弁護士など、組織における有資格者の需要は確実に高まってきています。
この記事では、弁護士の人数の推移、および弁護士の働き方はどうなるのかを見ていきましょう。

管理部門・士業の転職

弁護士数の推移

それでは最初に、司法試験合格者数および弁護士数の、過去5年間の推移を見てみましょう。

過去5年間の司法試験合格者数

過去5年間の司法試験合格者数の推移は、下の表の通りです。

出願者数 受験者数 合格者数 合格率
2015年 9,072 8,016 1,820 22.7%
2016年 7,730 6,899 1,583 22.9%
2017年 6,716 5,967 1,543 25.9%
2018年 5,811 5,238 1,525 29.1%
2019年 4,930 4,466 1,502 33.6%

出典:法務省

この表を見ると、過去5年間、司法試験の合格者数は減少しています。
司法試験の合格者数は、2006年に新司法試験制度が導入されてから数年間、毎年2,000人を突破していました。
しかし、その後は減少に転じ、1,500人程度に落ち着くようになっています。
減少している原因は、出願者数および受験者数が減少したことによります。

弁護士数の推移

次に、弁護士数の過去5年間の推移は下の表の通りです。

弁護士数 増減数
2014年 35,045 1,421
2015年 36,415 1,370
2016年 37,680 1,265
2017年 38,980 1,300
2018年 40,066 1,086

出典:日本弁護士連合会『弁護士白書2018年版 弁護士人口』

弁護士数は、過去5年間で増加しています。
しかし、その増加数は、徐々に小さくなっている傾向が見られます。

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弁護士人口の将来予測

日本弁護士連合会による、弁護士人口の将来予測を見てみましょう。

司法試験
合格者数
弁護士数 43年前新規弁護士
登録者数
前年比
増加数
国民人口
推計
弁護士1人
あたりの
国民数
2023年 1,500 44,397 419 1,006 122,122 2,751
2028年 1,500 49,252 427 998 118,293 2,402
2033年 1,500 54,018 501 924 113,970 2,110
2038年 1,500 58,639 577 848 109,250 1,863
2043年 1,500 61,781 1,350 75 104,253 1,687
2048年 1,500 63,715 1,131 264 99,131 1,556
2053年 1,500 60,468 2,101 -676 93,993 1,554
2054年 1,500 59,822 2,071 -646 92,964 1,554
2055年 1,500 59,192 2,055 -630 91,933 1,553
2056年 1,500 58,630 1,987 -562 90,901 1,550
2057年 1,500 58,082 1,973 -548 89,865 1,547
2058年 1,500 57,676 1,831 -406 88,826 1,540
2059年 1,500 57,344 1,758 -333 87,783 1,531
2060年 1,500 57,265 1,504 -79 86,737 1,515
2061年 1,500 57,265 1,425 0 85,680 1,496

出典:日本弁護士連合会『弁護士白書2016年版 弁護士人口の将来予測』

上の表は、2023年~2061年の司法試験合格者数、弁護士数、および弁護士1人あたりの国民数をシミュレーションしたものです。
司法試験合格者数は、近年の司法試験合格者数の推移、および日本弁護士連合会の提言にもとづき「1,500人」と仮定されています。
また、43年前に新規弁護士登録をしたのと同数の弁護士が、引退や死亡により弁護士でなくなると仮定されています。

この表によれば、弁護士数は2048年をピークとして減少に転じるとされています。
また、国民人口の推計とあわせ、2016年に3,352人となっている弁護士1人あたりの国民数は、1,500人程度にまで落ち着くとされています。

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大規模法律事務所の弁護士数

大規模法律事務所などの法律事務所に、何人の弁護士が所属しているのかを見てみましょう。

順位 事務所名 弁護士数
1 西村あさひ法律事務所 522
2 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 437
3 長島・大野・常松法律事務所 417
4 森・濱田松本法律事務所 402
5 TMI総合法律事務所 383
6 弁護士法人アディーレ法律事務所 163
7 ベリーベスト法律事務所 147
8 シティユーワ法律事務所 146
9 弁護士法人大江橋法律事務所 137
10 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 121

出典:日本弁護士連合会『弁護士白書2018 事務所における弁護士の人数』

また、このトップ10の事務所も含め、事務所規模ごとの過去3年間の所属弁護士数推移は下の表の通りです。

人数 2016年 2017年 2018年 2016年~2018年
の増減数
1人 9,404 9,689 10,038 634
2人 5,868 5,980 5,936 68
3~5人 9,027 9,222 9,540 513
6~10人 5,092 5,377 5,469 377
11~20人 3,047 3,192 3,282 235
21~30人 1,339 1,377 1,278 -61
31~50人 769 823 997 228
51~100人 531 556 536 5
101人以上 2,603 2,764 2,990 387
合計 37,680 38,980 40,066 2,386

出典:日本弁護士連合会『弁護士白書2018 事務所における弁護士の人数』

2016年~2018年までのあいだで、弁護士事務所の所属弁護士数は2,386人の増加となっています。
101人以上の大規模事務所をはじめとし、多くの事務所規模で、所属弁護士数は数百人単位で増加しています。

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企業内弁護士数の推移

近年では、企業内弁護士が大幅に増加しています。
企業内弁護士数の推移は、下の表の通りです。

出典:日本組織内弁護士協会『企業内弁護士数の推移(2001年~2018年)

企業内弁護士数は、2001年の時点で66人だったものが、2018年には2,161人となっています。 実に30倍以上となる右肩上がりの伸び率です。

弁護士の人数が増え続けても就職先はあるのか?

以上のデータを見ることにより、次のことがわかりました。
(1)弁護士数は、増加の伸び率が落ち着きをとりもどしており、将来は減少の予測がされている。
(2)弁護士事務所の所属弁護士数は増加している。
(3)企業内弁護士数は大幅に増加している。

弁護士の人数が増えたため、たしかに「就職難」といわれることもあります。
しかし、一方で、弁護士の雇用に対する需要も高まりを見せています。
特に、企業内弁護士など組織における有資格者の需要は、大幅に高まっているといえます。

まとめ

弁護士の人数は増えてはいても、弁護士の需要も同時に高まっているのが近年の傾向です。
たしかに、司法修習を終えれば確実に全員が弁護士になれた昔に比べれば、弁護士の就職は大変になったといえるでしょう。
しかし、今後については、就職の状況は改善されていくと見込めます。
弁護士の就職活動は、企業・法律事務所など求人情報を幅広く集めることが大切です。

管理部門・士業の転職

<参考>
日弁連『弁護士白書2018年版 弁護士人口』
日弁連『弁護士白書2016年版 弁護士人口の将来予測』
日弁連『弁護士白書2018年版 事務所における弁護士の人数』
日本組織内弁護士協会『企業内弁護士数の推移』

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