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【コラム】日本版「告発サイト」がスタート...... 追いつかない企業法務

2015年12月03日

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公益通報者保護法が施行されるも効果薄?

近ごろ内部告発から発展した事件が相次いでいる。
たとえば、2000年に発覚した三菱自動車のリコール隠蔽は、同社の経営を揺るがすほどの事態となったが、このケースは内部告発が発端だった。

そして記憶に新しいオリンパス、東芝の粉飾決算も内部告発によるものだ。企業にとって内部告発とは密告であり背信行為となる。

ただ、倫理的な問題もさることながら、法令違反を放置することは企業に多大な損失を与える行為でもある。

内部告発は正式には公益通報と呼ばれ、企業の不正を暴露することにより国民の利益を図ることが期待されている。

しかしながら、告発者はその企業から解雇されることが珍しくないため、通報者を保護するために、2006年から公益通報者保護法がスタートした。

この「公益」とは国民の生命、身体、財産の保護にかかわる400余りの法律が対象となっており、同法の要件に合致する案件のみが救済される仕組みになっている。

裏を返せば、内部告発で暴かれたすべての法令違反がその保護下に置かれるわけではない。公益通報者保護法の対象とならなければ労働契約法など個別の法律に従い救済申請をすることになる。

不祥事が明るみに出ると、計り知れない実害が生じるため、あらかじめ内部通報できるヘルプラインという制度をもうける企業も増えているという。

社内に倫理委員会、社外には顧問弁護士が告発窓口となり、通報者の身元が特定されることなく相談できる仕組みになっている。

とはいえ問題は山積。急がれる法務要員の確保

とはいえ身内に告発できる社員はどれだけいるだろうか。

そうした懸念から、2015年、新たな動きが起きた。日本版「内部告発サイト」の誕生だ。

「日本版」というのは、既に海外では内部告発サイトが実在しているからだ。その代表格が、あの「ウィキリークス」である。

ウィキリークスは政府、企業など各組織の機密情報を、匿名により公開することで知られている。

ウィキリークスにイラク戦争を巡るアメリカの外交機密文書が公開されたことは波紋を呼んだ。告発した軍人は逮捕され、告発サイトの意義が問われた。

告発サイトが隠蔽された真実を明らかにできる点は評価されているが、悪意をもったガセ情報がそのまま独り歩きしてしまう懸念も出てきている。

日本版内部告発サイトの設立者は、駿河台大講師の八田真行氏。このサイトでは、送った情報は複数のサーバーを経由するため、発信元は特定されないという。

ただ、内部告発に詳しい専門家は、告発内容からどの立場にいる人物によるものかは容易に推測できる、と指摘する。むしろ公益通報者保護法の充実を図ることが先決だというのだ。

たとえば、アメリカでは被告発者に課せられた罰金が、通報者に支払われる仕組みが整っている。

インターネット上には根拠のない嘘が無数にあり、当然、告発サイトにも真実にみせかけたガセネタが寄せられる可能性は十分ある。そうなれば企業発の新たな訴訟が勃発することもあるだろう。

幸か不幸か、企業にとって法務要員の確保が急がれる時代になった、ということだけは確かだ。

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(記事提供/株式会社エスタイル)


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