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新たな試み? 企業内弁理士のゼネラリスト化を探る動き【コラム】

2017年04月13日

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企業内弁理士は増加の一途をたどっている。弁護士と弁理士のダブルライセンスを持っているという方もいることだろう。専門職として採用することもあれば、社員に弁理士資格を取得させるケースもあるという。企業としては、特許関連業務を社内で賄うことができれば大幅なコスト削減にもつながるため、今後さらにインハウス弁理士は増えるとも予測されている。

右肩上がりの企業内弁理士

インハウスローヤーとともに増加傾向にあるインハウス弁理士。今までは特許事務所や法律事務所が弁理士の所属場所であった。ところがここ20年あまりの動向をみると、企業に身を寄せる弁理士が右肩上がりに増え、従来の価値観にはなかった状況が定着しつつある。

上場企業においては知的財産の関連部門を整備する動きが活発だ。これを受けて企業では、インハウス弁理士の配置に本腰が入る。企業内弁理士には、経費削減と知財業務の迅速化が第一に求められている。
企業には大いにメリットがありそうな話だが、別の観点からも企業内弁理士には期待がかかっている。知的財産の長期的な開発戦略に企業内弁理士が欠かせないというのだ。製品は発明から開発まで長い時間を要し、企業が開発した製品や技術は特許を取得して初めて権利が行使できる。

優先主義の弊害が露呈?

弁理士はこの権利を具現化する専門家であるが、目先の利益ばかりを追い求める傾向にある。そのため、特許を取得するための代理人としての肩書きのなかで、業務を完結しなければならない。
弁理士が、短期的な成果として特許優先主義に走れば特許件数は必然的に増え、その結果、特許を取得しているのにビジネス上は活用しない「休眠特許」も増えてくる。国内の特許件数のうち半数は休眠特許といわれている。休眠特許がすべて問題というわけではないものの、権利化ありきの弊害部分が目立ってきた。

理想的なことをいえば、特許とはビジネスに直結することで意味が出てくるものだ。本来求められる「特許」の意味を、企業が模索し始めている。企業は利益を出すことによって評価され、いくら特許を量産しても実益を上げなければ企業の成長はあり得ない。
製品の企画・開発段階から弁理士を関与させることができれば、将来を見越したビジネスチャンスと特許が組み合わされ、休眠特許という形式ありきの権利行使を防ぐことができる。特許手続きの代理人として知財職のみに携わる時代は終わり、長期的なビジネス戦略の枠組みのなかでインハウス弁理士をどのように活用すべきか、企業は目下模索中である。

知財運用のみは時代遅れ?

米国では、ビジネス戦略において、インハウス弁理士を関与させることは当然のごとく行われている。米国は先進国のなかでも突出してインハウス弁理士の数が多く、そのモデルケースとして注目を集める。

国内でも新たな動きがうねりをみせる。企業内弁理士には、知財運用のスペシャリストであるのと同時に、特許知識を前提としてビジネス全般に助言ができるアドバイザリー機能が求められている。埋もれた権利である休眠特許について弁理士が積極的に関与し、製品化する動きはその一例である。いわばゼネラリストとしての側面にも期待が寄せられているのだ。
特許事務所に籍を置く弁理士と同じくらいの数が企業内弁理士として活動している。米国では、インハウス弁理士の活動領域は広がりをみせ、他国に先んじて幅広いスキームのなかで仕事をしている。
この流れはいずれ国内の企業内弁理士にも波及する可能性がある。企業で働く弁理士が、知財運用のみに縛られる時代はもはや終わったのかもしれない。


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(記事提供/株式会社エスタイル)


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