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弁護士の年収は本当に下がっているのか?依頼がとぎれない弁護士になるには?【コラム】

2018年03月06日

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法律トラブルの解決に関する需要が、なかなか増えません。一方で、司法試験の合格枠の拡張で、弁護士人口はどんどん増え、「供給過剰」が指摘されて久しい昨今です。このような時代に、依頼や紹介がとぎれない弁護士になるには、何が必要なのかを検討します。

弁護士の平均年収が下がっているのは確かです

法務省などの調べによると、2015年に全国の弁護士からアンケートを採った統計値で、平均年収が全般的に低い水準となっていることが判明しました。
2010年時の統計と比較すると、以下の通りに推移しています。

・新人弁護士 「778万円」⇒「568万円」
・登録5年目弁護士 「2166万円」⇒「1412万円」
・登録10年目弁護士 「2657万円」⇒「2251万円」
・登録15年目弁護士 「3702万円」⇒「3085万円」

このように、軒並み低水準となっています。一時期はブームのような盛り上がりを見せた消費者金融に対する過払い金の請求案件が、落ち着きつつあることも一因でしょう。

また、このアンケートの回収率は37%と、全弁護士人口のうち、3分の1強の実態しか反映できていないという点にも注目すべきです。収入に関するアンケートに答えたい心理状態の弁護士は、自分の年収に比較的自信のある人かもしれません。低い収入で苦しんでいる弁護士ですと、そもそもアンケートに参加していない人が多いと考えられます。

いずれにしても、全体の傾向として、弁護士が「資格さえ持っていれば安泰」という時代がとうに終わっていることは確かです。

これからは「仕事を創れる」弁護士を目指すべき

「資格さえ持っていれば安泰」ではないということは、「待っていても仕事が来ない」ということを意味します。法律事務所に勤めていれば、ボス弁や先輩弁護士から仕事が回されることもあるでしょう。

もちろん、仕事をしっかりと誠実に進めて、依頼人の期待に応えるのが弁護士の使命です。それだけでも大変だと思いますが、新人も含めてこれからの弁護士に必須なのは、「経営者としての視点」です。

ひとりの法律家として、法律的なトラブルの解決を目指す基本的なスキルを発揮しつつ、「この仕事はどのようにして依頼されたのか」という、仕事の源泉についても関心を持つ必要があります。
人の紹介ばかりに頼っていてはいけません。恩恵をもらうことが当たり前といった状態になっていると、いつかしっぺ返しが来るものです。

「依頼を招き寄せる」「仕事を創る」といった能力は、まず司法試験では試されませんし、法科大学院でもなかなか教わらないかもしれません。それでも、法曹界の外にも目を向けて、様々な企業経営者がどのようにして仕事を得ているかを観察してみる意識が求められます。
仕事の獲得の仕方は、以下のようないくつかのパターンに分けることができます。

プロダクト型
画期的な商品やサービスが世の中に知られていき、知名度を上げることで、依頼者予備軍の裾野を広げていく方法です。mixiやfacebookがその例として挙げられます。

世話焼き型
とにかく人が大好きな、社交的な人物が向いています。いつも周囲に熱心なファンのような人々がいて、彼らが様々なサポートをしてくれます。そうして、友達の友達から仕事が継続的に舞い込んできたりします。

人脈型
必ずしも深い人付き合いをしているわけではありませんが、様々なパーティに顔を出したり、まめにお礼状を出したりして、自分の存在を地道にアピールし続け、おのずと信頼も獲得します。毎日コツコツと何かを継続することが苦にならない人に適しています。

ウェブ集客型
人の行動を先読みして、戦略を立てたりすることが好きな人に向いています。サイトやブログをつくったり、PPC広告を運用したりするときも、アクセス解析やコンバージョンなどのデータを基にして、結果が出るまで徹底的に修正を繰り返します。

これからの弁護士は、駆け出しの新人アソシエイトも含めて、ひとつの会社の新規事業を立ち上げる代表取締役のように、与えられた仕事をこなすだけでなく「自分で仕事を創っていく」という意識が必須となるのです。

AI(人工知能)時代を乗り越えられる弁護士を目指しましょう

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AIは、人の言葉を正確に聞き取ったり、外国語を自動翻訳したりするなど、目覚ましく発展しています。さらにAIが発達すると、人間のしてきた仕事をどんどん奪っていき、失業者が大量に発生するのではないかと、センセーショナルに報じられることが多くなりました。

弁護士のような高度な知的労働は、一般に人工知能では置き換わらないとされていますが、その中でも、過払い金や未払い残業代の計算や、少額債権の取り立て、判例リサーチなど、単純作業に属するものは、人工知能で自動化することが十分に可能だと考えられています。

一方で、少なくとも当分の間はAIが人間に及ばないと考えられている能力が、新しいアイディアを生み出して果敢なチャレンジを繰り返す「クリエイティビティ」と、人と好意的に付き合う「コミュニケーション」です。前述した4つの「仕事獲得能力」は、クリエイティビティかコミュニケーションのいずれかに該当します。
ただ「ウェブ集客型」の弁護士は、一部がAIに置き換わる可能性もありますので、そのぶん、クリエイティブかコミュニケーションを磨く必要があるかもしれません。

いかがでしょうか。「集客なんて弁護士の本分ではない」と、違和感をおぼえる方も多いかもしれません。「弁護士=聖職」という意識が抜けない方はなおさらでしょう。それでも、戦略的に増やした依頼人から仕事を通じて尊敬を集められれば、何も問題はないはずなのです。

 

<参考>
LEGAL NET-貴方の希望はどれ?弁護士年収をタイプ別に比べてみた【コラム】
LEGAL NET-【年収編】弁護士にとって、どっちがお勧め?!法律事務所とインハウスを徹底比較。
LEGAL NET-理想と現実。弁護士の収入格差はなぜ生まれるのか?
日本経済新聞-弁護士の年収低下 新人は5年前比210万円減
PARENA-士業はもう資格だけじゃ食えない!?
月刊SPA!-資格を取得しただけでは食えない?【士業の実態】
給料BANK-弁護士【開業独立・勤務】の給料・年収や手取り額を解説!


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