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4月から弁護士になってつらいと思っているあなたへ ベテラン弁護士が新人弁護士に伝えたいこと

2018年05月14日

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無事に弁護士登録を終えた皆さん、辛く大変な時期を乗り越え、今は期待と不安で胸が一杯になっていることでしょう。しかし、かつては最強の国家資格のひとつだった弁護士も、今となってはその資格があるだけでは安泰とはいえぬ、つらい状況です。
そこで今回は、とあるベテラン弁護士にインタビューをし、激動の時代の新人弁護士に伝えたいメッセージを伺ってきました。

このつらく厳しい時代に、弁護士になろうとする偉大さ

今から一昔も二昔も前に弁護士となった者として、今の若い弁護士に対し、敬意を表すべき点があります。
それは、弁護士にとって厳しいこの時代に、あえて弁護士になろうと決めて、法科大学院や司法試験、司法修習で努力を重ねてきた点です。

司法制度改革の一環で弁護士の人口が急増し、この資格における社会的希少性が一気に低下しました。それに伴い、弁護士の平均年収が減少傾向にあることも統計に表われています。
かつて、特に男性は弁護士であるという事実だけで女性にモテる傾向があったかもしれませんが、今では「生活苦の弁護士」に関する報道が一般にも知られるようになり、未婚の弁護士も増加しているようです。

弁護士がありふれた存在になったことで、顧客獲得競争も激化しました、中には、法律家としての品位に欠ける、行き過ぎた宣伝手法も見られます。弁護士というだけで人々から尊敬の念を集めることも過去と比較して減りつつあり、現在の弁護士にとってつらい状況となっています。

そのような弁護士業界全体にとって「逆風」が吹きすさぶ時代に、あえて弁護士を目指す人々の多くは、かつての先輩たちよりも純粋な思いや大志を持って、この世界に入ってきているのだろうと思います。

安定収入を確保する重要性

従来も、ほとんど儲からない案件に手弁当で取り組む弁護士は一部いました。公害問題、国家賠償請求、冤罪支援など、いつ終わるか分からず、良い結果が得られない可能性も高いような案件です。社会の矛盾に虐げられた被害者のつらい思いに寄り添い、果敢に戦い続けてきた人たちです。

ただ、そうした先輩弁護士の多くは、他方で大企業の顧問などを務めていました。ひとまず経営に困らないだけの収入の基盤を確保した上で、そのような難事件に取り組んでいたのです。

しかし、これからはどうなるでしょう。大企業の顧問弁護士という立場は、そこに座れる椅子の数が限られています。若手弁護士も、その過酷な椅子取りゲームというレッドオーシャンに挑み、強引に顧問の座を勝ち取るのか。それとも中小企業や個人向けのサービスを開発し、別の安定収入の道を模索するのでしょうか。

いずれにしても、そうした安定収入は、社会の不条理に巻き込まれたつらい境遇を抱えた人々を助けるために確保する手段と位置づけなければなりません。

もし、収入獲得競争への勝利が一番の目的となれば、弁護士が再び尊敬の対象となることもありませんし、同業者同士の奪い合いに疲弊し、業界全体が弱っていくに違いありません。弁護士が十分な収入を確保することが難しくなったこのつらい時代だからこそ、収入の確保が自己目的化する危険と隣り合わせになるのです。

弁護士には権力を動かす法的知識があります。その力は、自己利益のために用いられるべきではありません。ただ単にお金が欲しいだけなら、別の職業に就いたほうがよほど効率的です。

「法廷こそが弁護士の晴れ舞台」という思い込みから脱却する

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 ドラマや映画の登場人物に憧れて弁護士を目指す人は、今も昔も変わらず多いようです。「父の会社の事業失敗によるつらい状況を、弁護士が救ってくれた」とか、「子どもの頃は暴れたこともあったが、付添人の弁護士の一言で立ち直った」など、ドラマチックなきっかけは実際にはめったにありません。

ただ、従来の典型的な弁護士像は、法曹人口の増加によって見直しが迫られています。法廷に立つ弁護士はかっこよく見えますが、裁判になるようなトラブルの件数は年々減少しています。

よって、弁護士は「法廷で依頼人の代弁をする仕事」という捉え方は、あえて強い言葉を使えば「思い込み」であり「偏見」です。弁護士として末永く稼働していくためには、そうした自らの偏見を塗り替え、脱却しなければなりません。

弁護士の仕事は法廷に立つだけではないと、頭では分かっていても、実際に脱却のため具体的な行動を起こしている人は、そう多くありません。やはり、弁護士にとって裁判所の公開法廷は晴れ舞台であり、法廷弁護士には「花形」のイメージがあるからです。

とはいえ、現在ではトラブルになりうる芽が大きくならないうちに摘んで、裁判を未然に防ぐ「予防法務」が注目を集めており、弁護士もその予防法務の担い手となるべきです。会社や自治体などの内部に入ってアドバイスを行う組織内弁護士(インハウスローヤー)も、予防法務の役割を担う立場です。

まとめ

法曹界は、新しい人材や価値観が呼び込まなければ、必ず衰退します。法曹界が衰退することは、民意で定められた「法」が目指すべき目標から、この社会が少しずつ懸け離れていくことを意味します。つらいことも多いでしょうが、新人弁護士の皆さんの果たすべき役割や将来性に、大いに期待しています。

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<参考>
愛知県弁護士会-会報「SOPHIA」 平成21年2月号より 特集 就職最前線(後編)
・ダイヤモンドオンライン-新人弁護士「年収100万でファミレスバイト掛け持ち」貧困の実態

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