トップ>リーガルトピックス>2019年>法科大学院を留年すると就職に影響するのか

リーガルトピックス

法科大学院を留年すると就職に影響するのか

2019年02月12日

法科大学院を留年すると就職に影響するのか

法科大学院(日本版ロースクール)は、弁護士・裁判官・検察官になるための登竜門である司法試験の受験資格を得るために通う専門教育機関です。一般的には法学部出身者は2年(法学部出身者は既習コース(2年)or未習コース(3年)のいずれかを選べる。他学部出身者は未習コースしか選べない。)、他学部出身者は3年の課程を修了することになりますが、もし留年すればその後のキャリアに影響するのでしょうか。

特に未習コースで留年が出やすい

法科大学院を修了すると、法務博士の学位を取得でき、司法試験の受験にチャレンジすることができます。大学の出身学部によって、必要となる課程の年数が異なります。法学部出身者は「既習コース」で2年、法学部以外出身者は「未習コース」で3年の課程を修了することが条件となっています。

ただ、各年次の定期試験(通常は「前期試験」「後期試験」の年2回)で、所定の成績を納められない場合は、進学できずに留年の決定がくだることになります。特に未習コースでは、約半数の法科大学院生が留年する危険性があるといわれており、社会問題にもなっているのです。

未習コースには、弁護士などの法律家の仕事には憧れているものの、そもそも法律的な思考(リーガルマインド)になじめず、適性に欠けている人も多く混じっていると指摘されています。そして、「思ったよりも大変で辛い」と、法科大学院への入学後に後悔し、モチベーションが下がってしまうことになります。

もちろん、入学試験の段階で法曹職に関する適性はペーパーテストで測定しているのですが、やはりペーパーテストだけでは完全に選別しきれるわけではないのです。法律的思考はコツさえ掴めばそれ以降はスムーズに学習も進んでいくのですが、コツを掴むまでには人によって、数年単位の時間がかかる場合があります。

法学部出身者(既習コース)は、大学時代の4年間で法律的思考をみっちり学び、さらに法科大学院で2年間、計6年間で修得できる点でアドバンテージがあります。その一方で、他学部出身者(未習コース)は、たった3年間で司法試験受験レベルまで実力を養成させなければならないので、相当不利で大変な学習環境であることには違いありません。

未習コースで留年したとしても、同情の余地があるのも確かです。また、留年すれば学費を余分に払わなければなりません。預貯金などの資産を切り崩さざるを得なかったり、奨学金の残高がかさんだりするなど、経済的負担が増えてしまうことも避けられません。

そのせいで、やむを得ず法曹への道を断念し、法科大学院を中退せざるを得ない人も現れているのです。

留年が就職に影響するかどうかは事情次第

法科大学院での留年が、就職に影響するかどうかを考えるには、おもに2通りが考えられます。それは、法曹への道を断念し、「一般企業への就職を考える際に不利になるかどうか」と、司法試験に合格して、弁護士になるとき「法律事務所などでの就職で不利になるかどうか」です。

そして、いずれにしても、留年が就職に影響するかどうかは、その人次第といえます。もし仮に、まったく同じ背景がある法科大学院出身で、法務博士の学位がある求職者が2人いるとして、片方はストレートで修了、もうひとりは留年歴ありだとすれば、その留年歴は不利に作用しても仕方ありません。

ただ、留年したかどうかは、学問上の事情であって、アカデミックな世界で決して優秀でないとしても、一般企業にとってはほとんど関係ありません。就職活動では「企業の利潤追求のためにどれだけ貢献できる人材か」をチェックされるため、たとえ留年していても、営業能力や商品開発力、コミュニケーション能力や事務処理能力などが特別高いのであれば、すぐに採用されます。そこに留年歴が問題として横たわる余地があろうはずがないのです。

法律事務所での就職であれば、法科大学院での留年歴がネックになる可能性もありますが、高望みせずに求人先を選んで、法律家としての現在の能力をしっかりアピールすれば十分に採用されます。

就職が決まっていて、留年が決定...どうなるの?

就職が決まっていて、留年が決定...どうなるの?

もし、法科大学院に通いながら修了見込みを前提に就職活動をしていて、内定が出た後に留年が決定してしまった場合には、内定が取り消されるおそれもあります。修了見込みで内定が出たとすれば、その前提が崩れるからです。

ただ、大学の留年と、法科大学院の留年は少々事情が違います。法科大学院を留年しても大学卒の学歴はあるのですから、その求人先で学歴の要件を満たしていれば、十分に採用される(内定が取り消されない)余地があります。

どちらも中途半端にならないよう、法科大学院は中退して、就職して社会人として心機一転を図るべきときです。

まとめ

法科大学院では、学力が司法試験受験レベルに達していないとみなされれば、容赦なく留年となります。特に未習コースでの留年が多くなっています。ただ、留年したからといって、引け目に思う必要はありません。法科大学院における尺度で評価が足りないだけであり、その外の世界であなたが高く評価される余地は十分にあるのです。

法科大学院修了生向けの就職情報はこちら

<参考>
読売新聞オンライン 法科大学院はどこへ向かうのか(下)

【この記事を読んだ方におすすめのサービス】
◆≪リーガル領域の転職はプロにおまかせ!≫無料転職サポートサービスとは?
◆≪まずは気軽に話を聞いてみたい、そんな方へ≫無料転職相談会・無料転職セミナーはこちら
◆≪期間限定プレゼント有≫転職やリーガル業界のお役立ちトピックスをキャリアアドバイザーが毎週ご紹介!メルマガ登録はこちら


次の記事弁護士の未来像は、こうあるべき!

前の記事企業法務と弁護士の役割とは

リーガルトピックス一覧へ

年収診断

求人をお探しの方

企業法務や法律事務所、特許事務所の求人情報が豊富に掲載されています。

求人情報

登録はお済みですか?

転職者と求人側の現状や希望をコンサルタントが常に分析。適職とのマッチングを第一に考え、マンツーマンで質の高い求人情報をご提供します。

新規会員登録

法律知識と経験が活かせる
7つのビジネスフィールド

法務・弁護士に特化した
職務経歴書の書き方をご紹介

会員登録がまだの方
新規会員登録
会員登録がお済みの方
ログイン
年収診断


法科大学院修了生向け

↑ページの先頭へ