司法修習では何をやるのか!弁護士・検察・裁判官になるための研修内容
司法修習では何をやるのか!弁護士・検察・裁判官になるための研修内容
司法修習は、司法試験合格者のうち、法曹三者(弁護士・裁判官・検察官)の業務に就くために行う公式の研修です。司法試験に合格した人しか受けられない司法修習の実態は、一般にはあまり知られていません。どのような研修が行われているのでしょうか。
司法修習の研修内容とは
裁判所法67条では、1項で「司法修習生は、少なくとも1年間修習をした後試験に合格したときは、司法修習生の修習を終える」と定められています。かつては2年間の修習が義務づけられていましたが、司法試験の合格者が増加するにつれて、充実した修習の品質を確保するため、一定のキャパシティを保つよう、修習期間が1年6カ月、1年4カ月と短縮されました。
そして、法科大学院制度ができて以降の新司法試験合格者については、修習期間が1年間とされているのです。
裁判所法67条3項には、「修習及び試験に関する事項は、最高裁判所がこれを定める」と書かれており、司法修習の内容は最高裁判所の内部ルール(司法研修所規則・司法研修所規程・司法修習生に関する規則)で定められています。
司法修習中のスケジュールとは
1年間の司法修習は、毎年12月に始まり、11月に終わります。
司法修習は、おもに司法研修所で法律解釈学に関して、起案などの体系的な座学を受ける「集合修習」と、先輩の法律家の仕事場に就いて、現場でOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を受ける「実務修習」の2種類があります。
まずは導入として1カ月足らずの「導入修習」が集合修習の形式で行われます。12月の初めに開始され、年内に終わります。
その後、全国各地の修習地で「実務修習」を行います。修習地について修習生各自で希望を出せますが、最高裁判所が最終決定をしますので、希望が通るとは限りません。
最後は、しめくくりの集合修習と、各自の関心や志望に応じて選択する実務修習を、それぞれの1カ月半の日程で行います。
<集合修習>
最初の導入修習と、実務修習を受けた後の集合修習の2期間で実施されます。
埼玉県和光市の司法研修所で集中的に行われますので、首都圏以外の地方を拠点とする司法修習生は、集合修習を受ける目的のために上京しなければなりません。
地方の司法修習生向けに、司法研修所と併設された「いずみ寮」が用意されています。しかし、司法修習生の増加に伴い、希望者全員が入寮できるわけではなくなっています。抽選に漏れた修習生は、研修所から通える距離の民間のウィークリー(マンスリー)マンションを一時的に借りるのが一般的です。
集合修習では、裁判に関する書類を作成練習する「起案」を重点的に行います。裁判官や検察官の志願者は、起案の成績がよくなければ志願が認められなかったり、たとえ認められても不利な待遇を受けることがありえます。
<実務修習>
弁護士・裁判官・検察官のいずれを志望していようと、弁護修習・検察修習・民事裁判修習・刑事裁判修習をそれぞれの修習地で2カ月ずつ受けることになります。
法曹三者は各自、自らの職責だけでなく、他のそれぞれの立場までも知り尽くしていなければ、充実した司法制度にならないという「法曹一元」の考え方を基にしています。
書物を読んで得た知識だけでなく、実際に動いている生の司法現場に直接触れて、先輩法律家と著説話したり、交流を深めたりたりすることによって、修習後に実務に就いたときにも生かせる学びを得ることができるのです。
たとえば、弁護士を志望していても、裁判所で4カ月間、検察庁で2カ月間の実務修習を受けるので、裁判官や検察官の立場や気持ちを肌感覚で理解できるようになります。
司法修習の最後に課される二回試験
裁判所法67条1項に定められている「試験」とは、司法修習の最後にその習得状況を測定するための修了試験と位置づけられており、通称を「二回試験」といいます。司法試験に続く重要な試験という意味合いがあります。二回試験に合格すると、晴れて法曹資格を取得します。
一方で、二回試験に不合格となると、かつてのような追試験の制度が廃止されましたので、いったん司法修習生の立場を解任され、翌年改めて二回試験を受験する流れとなります。二回試験に3年連続で不合格となれば、また司法試験の受験からやり直さなければなりません。
二回試験合格後、晴れて弁護士として活動可能に
任官の希望を出し、起案の成績が一定水準以上の優秀さを示していれば、裁判官や検察官になることができます。それ以外でも、二回試験にさえ合格すれば、誰でも弁護士登録が可能です。
ただし、法律事務所に就職できるかどうか別の問題です。弁護士志望者は、修習を受けるのと並行して、就職活動も行わなければならないため、その点では大変です。
まとめ
司法修習制度は、法科大学院や司法試験では身につけられない、司法の最前線に関する知識や経験を得られる貴重な機会です。修習同期に得られた人脈は一生ものでもありますので、勉強だけでなく人付き合いも積極的に行うようにしたいものです。
<参考>
・ 裁判所 司法修習
・ 裁判所 新司法修習について
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