【コラム】

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2014/10/27

【コラム】

"残業代ゼロ"法案、企業の人件費抑制に効果?

"残業代ゼロ"法案なるものが物議を醸している。
この制度は政府の産業競争力会議が提言した。正式には日本型新裁量労働制と言うらしい。ホワイトカラー・エグゼンプションといえば聞いたことがあるだろう。もし正式に残業代ゼロ法案が国会で成立すれば、企業法務にも少なからず影響がでることが予想される。
政府は、新裁量労働制の導入を目指すとしているが、現時点では対象となる職種などが二転三転しており、不透明な部分が目につく。刺激的な呼び名をされる残業代ゼロ法案だが、メディアで報道された当初は、制度に反対する論調に支配されていた。

大企業の社員だけが損?

しかし、識者の間から支持する意見もあがり始め、玉石混交といえる状況になってきた。
日本世論調査会が実施した労働問題の調査では、新裁量労働制について53%が反対の姿勢を示している。その理由は、長時間労働に繋がるとの漠然とした"不安"が目立った。制度の賛成派に対象とすべき年収を尋ねると、1000万円以上との回答が最も多かった。高額所得者なら金をたくさん貰っているから、無報酬の残業もOKだろうとの感覚なのだろうか。ただ、年収1000万円ラインのサラリーマンは必ずしも生活にゆとりがあるとは限らない。

特定業種が対象、どうする企業法務?

年収1000万円ラインのサラリーマンになると、税金の負担率が急激に増える。年収1000万円前後のサラリーマンより、むしろ700万~800万円のサラリーマンの方が、実質的な生活レベルにゆとりがあるという指摘がなされているほどだ。いろいろな意味で年収1000万円のサラリーマンが、狙い撃ちされている感が見え隠れする。政府は、残業代ゼロの対象範囲を、年収1000万円以上の社員に限定したいと考える。とはいえ、1000万円以上稼ぐサラリーマンは4%程しかいない。高額の給与所得者だけを対象にしても、効果はほとんどないと財界は見ている。年収にプラスして職種も対象にすべきだとか、政府内では百家争鳴の議論が続く。

政府の思惑はどこに向かうのか

最終的にはもっと対象年収を下げ、すそ野を広げたいとの思惑が政府にあるのかもしれない。元大蔵官僚の小黒一正・法政大准教授は、「残業代を支払えば労働時間は法的に上限なく延長可能となっている。これが、日本で長時間労働が多く、過労死が多い原因だ」(Business Journalより引用)と指摘している。また同氏は、EU諸国を例にとり、厳密な労働時間の規制が実行されており、結果、ワーク・ライフ・バランスが実現しているとも述べている。まさにここにこそ核心部分があるように思える。日本型新裁量労働制は、いったい誰のためのどのような効果を期待しての制度なのか、冷静な議論を望みたいものだ。

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