【コラム】万引きを防止せよ!? 自力救済が企業法務に貢献?

【コラム】万引きを防止せよ!? 自力救済が企業法務に貢献?

2014/12/05

【コラム】万引きを防止せよ!? 自力救済が企業法務に貢献?

万引き防止で企業法務がフル回転!

小売店にとって悩ましい問題に万引きがある。これはよく言われることだが、万引きはれっきとした犯罪行為であり窃盗罪に該当する。万引きは利益率の低い商品を売ってナンボの世界で生きる業界にとっては死活問題。万引きの高止まりを受けて企業法務の対応にも慌ただしさが出ている。近ごろでは高齢者(65歳以上)の万引きが目立つ。2012年の万引きの認知件数は13万件あまり。摘発数は氷山の一角とみられ、潜在的にはその何倍もの万引きがあるものと指摘されている。何かと問題にされる若年者の万引き件数は着実に減っている。

高齢者の万引きに企業法務も苦慮!?

一方、高齢者の摘発件数は急増。これには高齢者の絶対数の増加が背景にあるのは間違いない。ただ、2012年の高齢者の人口に占める割合は24%に対し、同層の万引きの認知件数は31%とそれを上回る。高齢者の万引きには様々な分析がなされ、ありきたりの見方として"孤独"が原因と説く向きもある。もともとこの世代の犯罪発生率は若年時より高い傾向にあり、加えて加齢による認知症などの影響も考えられるため、単純な分析は禁物だ。万引きの理由に経済的困窮をあげる高齢者も少なくない。菓子パン一つを盗むケースもある。貧困が動機の場合、取り締まり強化だけでは解決できない現実があるのも事実だろう。

企業の万引き対策に荒技が登場?

古物店の「まんだらけ」が、防犯カメラに映ったモザイク画の万引き犯の映像を自社のHPに公開して物議を醸した。「万引き犯が、1週間以内に返しに来ない場合は顔写真のモザイクを外して公開します」と警告したことが賛否を巻き起こす。正義の旗振り役のネット住民からは支持する意見が多く出され、予想通りの展開がみられた。法律家などの識者は、自力救済禁止の原則に反すると慎重な対応を求める。感情的には「まんだらけ」のやり方に共感する意見も多くありそうだが、やはり法的、道義的な問題は避けられない。自己防衛として万引き犯の画像を公開すれば、犯人逮捕に加え、万引き抑止にも繋がるだろう。

とは言っても自力救済禁止が壁になる。そもそも民法には自力救済禁止についての規定がない。1965年の最高裁判決で、「私力の行使は、原則として法の禁止するところであるが、権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特別の事情が存する場合においてのみ、例外的に許されるものと解することを妨げない」と示されたことが根拠になっている。例外が認められた判例は、自宅マンション前に3カ月間放置されたクルマを処分した事例(1988年横浜地裁)など、数えられる程しか存在しない。

25万円のブリキ製玩具を万引きしたアルバイトの男(50)は、ネット公開の騒動のさなかに逮捕された。一連の騒動がテレビなどに取り上げられて「まんだらけ」の知名度はあがり、金額に換算すれば5億円程の宣伝効果があったとされる。「まんだらけ」の奇策は話題づくりを狙ったものではないが、結果的に店の名を世間に知らしめることになった。同社の対応について弁護士などからは、名誉毀損罪や脅迫罪に該当する可能性があると指摘される。万引きに頭を抱える小売店が後を絶たない中、「まんだらけ」の奇想天外の行動はとにもかくにも、一定の効果があったことは間違いないようだ。

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