【コラム】訴訟で和解をしたい時のテクニック

【コラム】訴訟で和解をしたい時のテクニック

2015/04/03

【コラム】訴訟で和解をしたい時のテクニック

訴訟における和解

訴訟に至っているにもかかわらず、実は和解によって解決を図りたいというケースは少なからずあります。たとえば、依頼者が、事件を早く解決して終わらせて再出発したい、弁護士費用などを抑えたい、こちら側の主張や証拠が弱いことを承知しており敗訴する可能性が高いので判決を避けたい、判決だと世間一般に事案内容を知られてしまうおそれがあるので内密にしておきたい......など、一般的な例を挙げただけでも様々な理由があります。弁護士の立場からしても、時間や労力をかけて主張立証を尽くしていくより、早期に和解で終わらせたいというケースも多いのではないでしょうか。

もちろん和解ですので、相手方も譲歩して和解する意思がなければ和解は成立しません。しかし、相手方に和解の意向がないか、和解可能としてもどの程度のラインで考えているかなどは、通常は推察することは難しいでしょう。双方が和解の機会を探っているものの、言い出せないまま期日だけが過ぎていく......ということも珍しくありません。

和解の一般的な進め方

訴訟上の和解は、裁判所主導で進めていくという方法が定番です。もっとも、和解をどのタイミングでどのようにしてすすめるかなどは裁判官個人の性格・傾向によって大きく左右されます。裁判官も判決を極力書きたがらない人が多いですが、すぐ判決までもっていく裁判官や和解交渉が不得手な裁判官もいます。

相手方の和解の意思がわからない段階でも和解による解決を望む場合には、裁判官に和解の意思がある旨を伝えて和解勧試を打診したり、相手方の弁護士に和解の意向がないか単刀直入に聞いてみたりするという方法もあります。しかし、相手方に全く和解の意思がなかった場合には、こちらが弱気であることを裁判所や相手方に教えるようなものであり、得策ではありません。したがって、相手方の意思が見えない段階でこのような方法をとることは、ギャンブルの要素があり、リスクが高いです。

和解の意思がないかを探る手がかり

和解の話が始まる前に、相手方に和解の意思がないかを探る手がかりは限られていますが、全くないわけではありません。訴訟前の交渉の段階で相手方との交渉の状況の主張内容(たとえば書面の記載や交渉で譲歩の余地があるというコメントがないか)、交渉でのスタンスはもちろん、相手方の社風・性格(たとえば絶対に和解しないという会社もあれば極力和解で終わらせるという会社もあります)や弁護士の性格・傾向も重要な要素になるでしょう。

訴訟では第1回口頭弁論期日の後、弁護士同士で名刺交換をする機会もあると思いますが、この名刺交換の際の雑談や態度などでも和解の意思などを推察することはできます。(もちろん相手方弁護士の性格等にもよりますが)「この件は主張立証を尽くすとかなり長引きそうですね」や「私個人の意見ですが早期に解決した方が双方にとっていいかもしれませんね」等と話しかけてみることもありますが、そこから具体的に和解の話が進んでいくということもあります。相手方弁護士が名刺交換や挨拶もなくさっさと裁判所を後にすれば、和解の意向はあまりないかもしれません。

形勢不利の時こそ鉄砲を撃って前に進め

なお、当方に和解の意向があったとしても、それを主張書面に反映してはいけません。形勢が不利であり弱気になりそうな事案こそ、主張立証は通常以上に強気にしなければ、相手方の和解を引き出すことはできません。関ヶ原の戦いにおける島津軍は鉄砲を撃ちながら前進するという方法で撤退したからこそ、福島正則らをひるませて、被害を最小限にくい止めることができました。弱気の事案、和解をしたい事案こそこのような強気のスタンスで臨むべきと考えます。

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(文/弁護士  中村健三、記事提供/株式会社エスタイル)

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