【コラム】パロディ、オマージュ、パクリ、インスパイア......著作権侵害の線引きは?

【コラム】パロディ、オマージュ、パクリ、インスパイア......著作権侵害の線引きは?

2015/04/28


【コラム】パロディ、オマージュ、パクリ、インスパイア......著作権侵害の線引きは?

アイデア自体は著作権法では保護されない

音楽、映画、小説等で、「これはあの作品のパクリでは?」「いや、これはあの作品を意識してオマージュしたものだ」「たんなるパロディだろう」などのように、様々な作品で「パロディ」やこれに似た表現が用いられます。

これは著作権との関係では、どのように位置づけられるのでしょうか?まず、これら「パロディ」「オマージュ」「パクリ」「インスパイア」の一般的な意味の違いを理解する必要があります。

「インスパイア」は日本語では「感化」「啓発」とも言われますが、他の作品に触発されたアイデアに基づいて作品を創作することをさします。著作権法は、人の思想や感情である「アイデア」ではなく、それらが具体化された「創作的表現」を保護していますので、基本的にアイデアを用いること自体は、著作権侵害にはあたりません。


パロディ、オマージュ、パクリの違い

「パロディ」「オマージュ」「パクリ」は、いずれも他の作品から「インスパイア」されたアイデアに基づいて、他の作品の表現を基にして創作した点が共通しています。

一般的に「パロディ」「オマージュ」は、出典が第三者にも明らかであることを前提としているのに対して、「パクリ」は出典が第三者には不明確であり、オリジナルであるように見せかけているという違いがあります。

たとえば、昨年話題になった「論文コピペ問題」は、引用元を明示することなく、大量の論文表現をそのまま用いていました。(学術の分野では剽窃・盗用などと言われます)

「パロディ」と「オマージュ」は、前者が原作品を風刺・揶揄・批判する目的で表現されるのに対し、後者は原作品を尊敬する目的で表現されるという違いがあります。最近でも話題になったフランスのイスラム風刺漫画やイスラム国のコラージュ画像等は「パロディ」と言えるだろうし、「ブラックジャックによろしく」という漫画は「ブラック・ジャック」の「オマージュ」と言えます。これらの違いは、著作権法上不明確であって、作者及び受け手の自由な判断に委ねられていると言えます。


著作権侵害にあたるか?

「パロディ」や「オマージュ」「パクリ」は、いずれも著作権法上明確に定義されておらず、それぞれ著作権侵害にあたるか否かは、ケースバイケースの判断になります。たとえば原作品が著作権法上保護の対象になっていない場合(例えば、保護期間が経過している、ありふれた表現で創作的ではない、作者が権利を放棄しているなど)には、当然著作権侵害にはなりません。

原作品が著作権上保護対象になっている場合には、原作品の創作的表現がそのまま用いられている場合には複製権の侵害にあたり、また、原作品をそのまま用いていなくても「本質的特徴を直接感得する」ことができる場合には翻案権や同一性保持権の侵害にあたり得ます。

ただ「本質的部分」とは何か、「直接感得する」とは何か、というのはなかなか明確な基準がなく判断が難しいところではありますが、法的に著作物の複製や翻案であると認められてしまうと、作者がいくら「パロディだ」「オマージュだ」と主張しても、現在の法的枠組みと裁判では、著作権等の侵害の有無の判断でその点があまり重視されることは期待できません。

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(文/弁護士  中村健三、記事提供/株式会社エスタイル)

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