【コラム】同性婚が企業法務を混乱させる?

【コラム】同性婚が企業法務を混乱させる?

2015/05/19

【コラム】同性婚が企業法務を混乱させる?

同性婚条例は違憲か?

東京都の渋谷区議会で「同性パートナーシップ条例」が成立した。同性婚に相当する関係を認めて、役所で証明書を発行するというものだ。この条例案の反応を見ると、好意的もしくは否定的な両極端のニュアンスが感じられる。そもそも法律や条例で認めようが、逆に規制しようが、同性愛に対する心の問題、生き方を第三者がどうこうすることはできない。

しかしながら渋谷区の条例案のように同性同士の婚姻関係に準じる形の証明書の発行となれば議論が噴出する。憲法24条の婚姻規定を普通に解釈すれば同性婚を排除していると多くの法律家は考えるだろう。一方、憲法13条の個人の尊厳や14条の法の下の平等により同性婚を否定できないと論じる専門家もいる。難しい問題だが今後、渋谷区と同様の条例案が他の自治体でも成立する可能性はある。それに反する形で憲法違反として訴訟の動きが出ないとも限らない。

日本人の10%は同性愛!?

裁判所がどのような判断をするか興味深いし、憲法解釈について法律家の活発な議論が起きることにも期待したいものだ。よく同性愛は少数派であると論じられる。極めてマイノリティーの存在として片づけられる同性愛者(LGBT)だがはたして本当なのだろうか?様々な調査を総合すると幅は広いが日本人の5~10%は同性愛もしくはバイセクシュアルだという。どうしても偏見・差別がまん延しているため、自らカミングアウトするLGBTの人たちは極めて少ない。

ただ、潜在的に職場や友人の中には、同性愛傾向の人たちがいるのは間違いと思われる。実は決して特別な存在ではなく、表面化してないだけで社会的にもタブー視されている。LGBTでも異性の恋人、通常の結婚をしている人たちが少なくない。一部とはいえLGBTであることをカミングアウトする人たちが増えてきたことが、「同性パートナーシップ条例」を後押ししたことは事実と言える。

企業法務に混乱が? 同性配偶者への福利厚生の見直し!

同条例には法律的な拘束力はないが成立した意味は大きいとされる。同性カップルが生活を始めると課題は山積する。会社員では一方が配偶者とみなされず、福利厚生などが受けられないことが当然とされる。そのような潮流に歯止めをかける企業が現れてきた。金融大手のゴールドマン・サックスでは、『「ドメスティック・パートナー」として届け出れば(同居一年以上)、同性間でも夫婦と同様の福利厚生を受けられるようにした。
結婚、育児、介護などの休暇取得のほか、会社が契約する団体生命保険の受取人に指定する』(中日新聞より)という。GSに限らず総じて国内の外資系企業ではLGBTに対する権利の見直しが進んでいる様子が伺える。異性による事実婚でも制度上の壁がいくつも存在する。事実上の同性婚ならなおさら企業の対応は冷たくなる。はたして渋谷区の「同性パートナーシップ条例」が日本企業の伝統的価値観を崩すきっかけとなるか、興味深いところである。

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