【コラム】司法試験短答式試験の科目数変更は無意味だったのか?

【コラム】司法試験短答式試験の科目数変更は無意味だったのか?

2015/08/11

【コラム】司法試験短答式試験の科目数変更は無意味だったのか?

影響はなし?

司法試験短答式試験の科目数変更が話題になった。受験生、司法関係者はやきもきしたに違いない。今年の短答式試験より7科目あった内容を憲法・民法・刑法の3科目に変更された。3科目への削減については受験生の負担を減らし、より高いレベルの知識水準を求めるという趣旨が大義であった。これはあくまで当局の発表にすぎないが、科目減の様々な議論が起きながらも今年の短答式試験は終了した。試験の結果について筆者は、合格者数や合格率に関して大きな変化があったとはいえないと分析している。また、受験回数の制限が従来の「法科大学修了後もしくは予備試験合格後の5年間で3回」から「5年間で5回」に緩和されたため、受験者の年齢層が上振れした影響が強いとの見方を示している。

司法試験最終合格者は予備試験合格組が最多!?

法科大学院別の短答式試験合格者数トップ3は中央大(372人)、早稲田大(363人)、予備試験組(294人)となっている。合格率でみると予備試験組(97.7%)、京都大(82.5%)、神戸大(81.2%)と続く。合格者の平均年齢は32.2歳、最高年齢は75歳。性別では男性4,138人、女性1,170人が合格した。短答式試験の変更はほとんど影響なく終えたようだが、予備試験ルートの受験生が幅を利かせる結果となった。
予備試験組の昨年の司法試験最終合格者は163人、合格率は東大法科大学院の52%を上回る66.8%でトップに君臨している。むろん予備試験をパスすることが極めて難しく、約3%しか突破することができないことから優秀な人たちの集まりであることは間違いない。

論文試験も改革か?

予備試験合格者の内訳は現役大学生、法科大学院生で約80%を占めている。残りが会社員、公務員などの社会人だが、その大半が東大法学部もしくは東大の卒業生といわれている。予備試験はもともと経済的理由から法科大学院に進学できない者を救済する目的でつくられた制度であった。学歴、年齢に関係なく誰もが司法試験を目指せるとの触れ込みであったが気がつけば司法試験受験のバイパスとして人気を後押しした。しかし制度本来の理念は失われつつある。今後もお構いなしに予備試験の人気は過熱していくだろう。短答式試験3科目はむしろ予備試験合格者に有利に働くとの声があり、ますます予備試験の存在がクローズアップされることになるとの指摘が出されている。

法科大学院の存在が揺らぎ始めている今、試験内容の改革はどのようになっていくのだろうか。司法試験論文科目の削減も検討事項とされ、さらに連動して予備試験制度の在り方についても検討議題になっている。短答式試験の科目数変更はこれから始まる司法試験大改革の序章にすぎないのかもしれない。

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