【コラム】地元企業の優先は違法行為か? 競争入札を巡る行政機関と企業の関係とは?

【コラム】地元企業の優先は違法行為か? 競争入札を巡る行政機関と企業の関係とは?

2015/11/13

 

一般競争入札が原則! 指名競争入札は例外?

競争入札は今や企業にとって欠かせない制度である。国や地方自治体が行う入札は公平でなければならない。入札に参加する企業は公共事業を受注するチャンスでもあり、また実績を積むことで認知度を上げることにもつながる。

行政機関は事業のコスト削減を目的として入札を行う。このため最低価格を提示した企業に事業が発注される。税金の使い道という観点に立てば納税者にも極めて透明で分かりやすい制度といえるだろう。

行政機関、企業それぞれにメリットがある競争入札だが、時にそれがトラブルの元になることがある。

そもそも競争入札は大きく2つに分けられる。一般競争入札と指名競争入札である。一般競争入札が原則としてどの企業でも参加できるのに対し、指名競争入札は事業を発注する行政機関があらかじめ条件をクリアした企業を選定し、そこから競争入札が始まる方式となる。国や地方自治体が事業を発注するため、会計法ならびに地方自治法の規制を受けることになる。

国や地方自治体が事業を発注する場合、基本的には一般競争入札でなければならないとされる(会計法第29条、地方自治法第234条)。

競争入札はやはり公平性が最優先?

一方の指名競争入札は例外的に認められる場合のみ実施可能となっている。ここで当然懸念されるのが指名基準だ。指名競争入札は審査会を開き、関係法令に照らし指名企業を選ぶプロセスをたどる。

過度な裁量権の逸脱はあってはならないが、指名競争入札の不透明性はしばしば問題になる。談合という疑惑をかけられることもあるから、事業を発注する行政機関はとりわけ注意が必要だ。民間企業の間の受発注なら問題にならないケースでも、公共事業になると公平性、透明性が強く求められる。

10月の大分地裁の判決はまさに指名競争入札の問題点を浮き彫りにした事案であった。

ことの発端は大分県国東市が実施した指名競争入札。同市の指名委員会は地元業者を優先させる基準を策定した。

この地元企業の優先から排除された大分市内の土木会社が国東市に対して約1,100万円の損害賠償を求めた。大分地裁は委員会が地元企業を優先させてつくった基準は"著しく妥当性を欠く"と指摘。原告の主張を一部認めたうえで、公共工事入札契約適正化法に違反、裁量権の乱用にもあたるとの認識を示した。

よく地方では地元企業の活力が地域の活性化につながるともいわれる。各地方自治体もさまざまな施策をとりながら地元企業の育成を図る。

国東市の指名競争入札についても地域活性化を目的に指名企業を選んだに違いない。それが結局仇となり、競争入札の基本である入札企業の公平性を裁判所から改めて指摘された。

地域活性化と競争入札のバランスをどうとるか、指名競争入札を巡る大分地裁の判決が投げかけた意味はとても重いようだ。

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