【コラム】サービス残業、労働者の35%以上が経験 改めて考える「労働基準法」

【コラム】サービス残業、労働者の35%以上が経験 改めて考える「労働基準法」

2016/01/13

 

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未だなくならないサービス残業

「9月に労働者2,000人を対象に労働時間の調査をしたところ、管理職ではない立場の労働者485人のうち38.5%が手当ての申告をしていない、いわゆるサービス残業にあたる時間があると回答した」という報告が、調査を行った連合総研から公表された。

申告をしなかった理由のうちもっとも多いのが「自分の意思で調整した」というもので、全体の69%。そのあとに「上司から言われた」が18%と続いている。時間は平均で18.1時間になるという。

企業が労働者に残業を求めなければならない理由は色々とあるだろうが、規定の時間を超えた労働は多かれ少なかれ労働者に負担を強いるものである。ましてやそれが無償ということであれば労働環境としては決して良いといえるものではなく、たとえそれが自発的に行われたものであったとしても、改善する必要があることは言うまでもないだろう。

労働基準法に抵触するサービス残業 トラブルに発展するケースも

このサービス残業が内包しているリスクというものは、決して労働者側だけに降りかかるものではない。サービス残業は労働基準法第37条第1項に抵触する違法行為であり、訴訟ということにでもなれば支払いを余儀なくされる可能性も十分にあり得る。

現に退職した労働者が、後に企業に対して未払賃金請求訴訟を起こすケースは少なくないようだ。

さらに労働者の一人に未払いの残業代が支払われるや、話を聞いた他の労働者たちも過去の未払い残業代の支払いを求めたり、現社員への支払いを命じられたりするというケースもあり、その場合の支払額は相当なものになる。

場合によっては支払総額が数千万円単位にまでおよぶこともあり、会社の規模次第では倒産のきっかけを招くことにもなりかねない。

また、このような届出があると労働基準監督署からの調査を受けることになり、その応対に大きな手間や時間を割かねばならないことも企業としては見過ごすことはできないだろう。

このように、サービス残業というものは決してその場しのぎでは済まされないリスクを含んでいる。それを防ぐためにはすべての労働者の勤務時間の管理を徹底することはもちろんのことである。しかしそれ以前のこととして重要なのは、サービス残業が生じるきっかけである残業時間そのものを減らすことではないだろうか。

そのためには各々の勤務時間の管理だけではなく、変形労働時間制やフレックスタイム制等による柔軟な労働時間の設定、また勤務人数の偏りによる労働量の増加を防ぐために有給休暇を計画的に付与する、残業を行う際の手続きを見直す等といった対策が考えられる。

サービス残業にまつわる問題は以前に比べて見直されているかもしれないが、解消しているとはいえない状況にあるのも事実のようだ。法務の立場から企業に携わる場合、企業と労働者の間に起こりうる代表的な問題の一つとして改めて考えることも決して無駄ではないのかもしれない。

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