【コラム】チャイナリスクに備えて必要な企業法務

【コラム】チャイナリスクに備えて必要な企業法務

2016/03/28

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ここ数年の間に、「チャイナリスク」という言葉を耳にするようになっている。

これは、外国企業が中国で経済活動を行う際にかかるリスクを示した言葉であり、活動の拠点を中国へ移すケースが増えるにつれて頻繁に使われるようになった。また、2012年に問題となった反日デモや尖閣諸島をめぐる領土問題など、日中関係の悪化によって生じた影響としてメディアで報じられることも少なくない。

こうしたチャイナリスクに備えて、企業法務にはどのような対策が求められているのだろうか?

多くの企業が感じているチャイナリスク

2015年12月、三井物産クレジットコンサルティング株式会社が中国ビジネスに関する意識調査を行い、その結果を公表した。調査は全国の中国企業と取引のある一般企業や団体の経営者および役員、社員、団体役員、職員200人に対して行ったものである。

このアンケートで「中国ビジネス(中国との貿易や中国拠点を通じた地場取引)にリスクを感じているか?」という質問を行ったところ、「リスクを感じている」と回答した人が54%、「どちらかといえばリスクを感じている」と回答した人が37%にのぼり、90%以上が中国ビジネスにリスクを感じていることが明らかになった。

「どの部分にリスクを感じているか」と質問したところ、上位を占めた回答として「為替の変動」が44%、「国民性の違い」が43.4%、「契約違反」が41.8%、「法令・制度の違い」が41.2%といった結果となり、多くの人が同様の問題について懸念していることがわかる。

これらのリスクのうち「契約違反」や「法令・制度の違い」といった内容は、企業法務に関わる者としては決して無視できない問題である。

チャイナリスクに必要な備えとは?

さまざまなチャイナリスクの対策としてもっとも有効なのは、リスクマネジメントの徹底だ。上記のアンケートでも「中国進出・取引においてリスクマネジメント(与信・債権管理)の強化が必要だと感じるか?」という質問があり、88%の回答者が「必要」と回答している。

リスクマネジメントにはまず、チャイナリスクの体系的な把握を行うことが重要である。起こり得るリスクに関して充分に情報収集を行い、直面した場合の具体的な対策を立てることで、被害を最小限に抑えることができる。そればかりか、こうした作業を通じて中国というビジネス環境の特性を把握できる点もメリットの一つであるといえるだろう。

一例として、起こり得るチャイナリスクを「政治的、社会的、経済的要因から生じるもの」「事業運営の過程で生じるもの」「時局によって発生する(たとえば反日デモや、鳥インフルエンザなど)突発的なもの」といった具合に、原因別に大まかな分類を行うといいだろう。
こうしたリスクの把握には、法務の視点からの意見も重要になってくる。そのため中国に進出する企業の法務としては、関連のある法律について充分に知っておく必要がある。

中国で企業に関連する主な法律は公司法だが、行政法規や規章といった法令にも関係があるものが多い。さらに、いざという場合を想定して、最高人民法院の司法解釈や、地方人民政府が制定する地方性法規といった分野まで理解しておくことが理想的である。

多くの法律の知識を有し、どのようなリスクが生じた場合にも即座に応用するためには、高い専門性が必要である。そのため、自社だけですべてのリスクマネジメントを行うことは非常に困難であるとも言われており、弁護士や法律事務所などの力も借りて対処することが現実的であるようだ。実際に中国に進出している企業の中には、現地に弁護士のネットワークを持っている所も多い。

チャイナリスクに備えた対策には、さまざまな手間や困難が伴うが、企業が成長し活動の場を広げる上では、決しておろそかにできない作業である。現地で安定した業務を行うための第一歩として、是非とも重要視してもらいたい。

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(記事提供/株式会社エスタイル)

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