【コラム】司法試験の合格率70%を目標。一方で不合格者への就職支援は万全なのか?

【コラム】司法試験の合格率70%を目標。一方で不合格者への就職支援は万全なのか?

2016/04/25

20160425column.jpg

社会人入学者が激減!

司法制度改革の一環として法科大学院制度がスタートしてから10年以上が経過した。
導入当初から批判はあったが、法曹人口の拡大とともに質の高い法曹人の養成を目的にこの制度は始まった。
2011年をもって終了した「旧司法試験」と、現在の「新司法試験」の大きな違いとして、受験資格がある。旧司法試験は受験資格制限がなかったが、新司法試験は法科大学院修了者及び司法予備試験の合格者のみが対象となっている。
米国のロースクールを参考にして、政府は2002年に「2010年頃には新司法試験の合格者を年間3000人とする」という目標を掲げたが、それは達成されず、2015年には年間1500人以上と修正した。

新司法試験の導入当初、合格率の高さをアピールしたため、社会人が法科大学院に多く流れ込んだ。
法科大学院には、3年制の法学未修者コースと、2年制の法学既修者コースがある。
既修者コースは適性試験、法律科目の筆記試験、面接などで入試が終了するが、未修者コースは、このうち法律科目の筆記試験がないかわりに小論文試験となるので、法学部卒ではなくても会社を辞めて法曹を目指すことができるからだ。

新司法試験の初回2006年の合格率は48.3%。しかし、毎年合格率は下がり続け、2015年では23.1%となっている。不合格者が続出し、高い学費と相まって法科大学院への入学者数は減り続け、定員割れするところも出てくる始末だ。

累積合格率70%は理想か、現実か?

旧司法試験では、上手くいっても6〜7回の受験で合格。大半の受験生は合格できないまま30歳を超えるため問題になっていた。
しかしながら新司法試験も5年で5回までという受験制限がある。合格率は目標ほど上がらず、30歳になっても社会人経験のない法務博士の称号を持つ元法科大学院生が続出するという、旧司法試験と同じ構図が起きる皮肉な結果となった。

現在、学生募集の停止に追い込まれた法科大学院は約30校、全法科大学院修了生の司法試験の累積合格率はおおよそ50%でしかない。
政府は合格率の上昇を図るべく、法科大学院の累積合格率の目標を70%にすることを、昨年の関係閣僚会議で正式決定した。
現在、この累積合格率が70%を超えている法科大学院は一橋大学、東京大学、京都大学、慶應義塾大学の4校のみである。

法科大学院修了生の進路、「不明」が際立つ!

2015年に発表された、文部科学省が実施している「法科大学院修了者の進路の状況について(2014年10月末時点)」という調査では、2012年の修了者は41.7%、2013年の修了者は29.6%が司法試験に合格し、2〜8.4%が就職している。
しかし進路が「不明」という回答も多く、2012年は24.7%、2013年では23.6%となっており、多くの修了者の進路が把握できないという結果となった。

各法科大学院では進路未定の修了生を対象に就職指導にあたるも、手探りの状態だ。
未経験の場合、年齢や実務経験という側面で就職・転職が難航するケースもある。司法試験合格率の問題もさることながら、不合格となった法務博士の就職問題にも本格的な支援が必要な時期を迎えたといえそうである。

法科大学院修了生向けの就職情報はこちら


【この記事を読んだ方におすすめのコンテンツ】
◆≪法科大学院修了生の方も手厚くサポート!≫MS Agentの無料転職サポートサービスとは?
◆経験豊富なアドバイザーと共に、今後の進路を考えませんか?無料転職相談会・無料転職セミナーはこちら

会員登録がまだの方

転職者と求人側の現状や希望をコンサルタントが常に分析。
適職とのマッチングを第一に考え、
マンツーマンで質の高い求人情報をご提供します。

求人をお探しの方

法務・弁護士・弁理士等、法律領域トップクラスの転職サポート実績。企業法務や法律事務所、特許事務所の求人情報が豊富に掲載されています。

登録はお済みですか?

転職者と求人側の現状や希望をコンサルタントが常に分析。適職とのマッチングを第一に考え、マンツーマンで質の高い求人情報をご提供します。