【コラム】あの会社も検査の対象に。「前払式支払い手段」とは?

【コラム】あの会社も検査の対象に。「前払式支払い手段」とは?

2016/05/02

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4月6日、関東財務局が無料通話アプリの大手「LINE(ライン)」に対して立ち入り検査を行ったことが報じられた。

LINEとはスマートフォンなどを利用して、無料でチャットや通話、ゲーム(一部有料)などが利用できるサービス。若い世代を中心に広く利用されている。利用したことはなくても、ほとんどの人が一度くらいはその名前を耳にしたことがあるだろう。

そのLINEに財務局がチェックに入った今回の件、どのような点が問題となったのだろうか? ここではその概要を紹介すると共に、今回のニュースのポイントとなった法律について紹介する。

オンラインゲームのアイテムは通貨なのか?

今回、財務局が注目したのはパズルゲーム「LINE POP」。このゲームの中で使用できる「宝箱の鍵」と呼ばれるアイテムが、検査の対象となったのだ。

このアイテムを入手するためには、課金購入しなくてはならない。財務局の見解では、このゲームで使用される仮想通貨が「前払式支払手段」に該当し、資金決済に関する法律に触れるのではないかということで、立ち入り調査になったようだ。

「前払式支払手段」は財務局への届け出が必要だ。それに対してLINEでは、この件に関して事前に専任の法務担当者と外部弁護士に相談した経緯があり、その結果として前払式支払手段にはあたらないと判断したという見解を述べている。

前払式支払手段の内容とは?

判断のポイントとなっている前払式支払手段とは、どのような内容なのだろうか?

この前払式支払手段とは、「資金決済法」と呼ばれる法律によって定められている。
資金決済法とは、情報通信技術の発達に伴って多様化したさまざまな資金決済システムに対応するための法律で、2010年4月に施行された。
一般社団法人日本資金決済業協会の公式ウェブサイトには前払式支払手段に該当する条件が記載されており、具体例として商品券、ギフト券、プリペイドカード、電子マネーがあげられている。

前払式支払手段に該当すれば、通貨と同様であるとみなされる。そして発行会社の倒産や経営不振によって未使用の前払式支払手段が利用できなくなる場合に備えて、保有残高が1,000万円を超える場合は、その半額を発行保証金として法務局や財務局といった最寄りの供託所に供託することが義務付けられている。

今回の問題は故意的というよりも、ゲーム内のアイテムが前払式支払手段にあたるかどうかの判断のズレが引き起こしたといえるだろう。
その背景にはスマートフォン専用アプリケーションのゲーム開発スピードに法整備が追いついておらず、裁判所の判断も明確になっていないという現状があるようだ。

このアイテムが前払式支払手段に該当するかどうか、LINEと財務局の間で現在も協議が行われている。この結果が一つのガイドラインとなって、以前よりも安定してユーザーにゲームが提供できる環境が整備されることを期待したい。

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