インハウスローヤーを目指す弁護士が知っておくべき企業法務の業務内容~実例を交えてご紹介します。~

インハウスローヤーを目指す弁護士が知っておくべき企業法務の業務内容~実例を交えてご紹介します。~

2016/06/23

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インハウスローヤーの人数は2005年の123人、採用企業数68社から10年後の2015年には1442人、採用企業数742社と大幅に人数が増えています。以前は外資系企業や総合商社や金融機関に数名のインハウスローヤーがいる程度でしたが、特にここ数年の間に、日系の大手企業を中心にメガベンチャー、成長途上の企業などが弁護士を採用する傾向があります。
そこで今回は、企業の法務部門での仕事内容をまとめてみました。インハウスローヤーを検討している弁護士の方に参考にして頂ければ幸いです。

※参照
・日本弁護士会
http://www.nichibenren.or.jp/recruit/lawyer/inhouse/about.html

◆関連トピックス
【コラム】無資格法務部員の仕事はなくなるのか? 企業内弁護士との関係は?
http://www.legalnet-ms.jp/topics/2015/002757.html

3つに分類できる企業法務の仕事

そもそも企業の中で法務はどういった機能を果たしているのでしょうか。
事業を運営するには必ず法的リスクが伴います。特に昨今は、多種多様なビジネスモデルが存在し複雑な法的リスクを抱えています。それを未然に防止すること、また顕在化した被害を最小限に抑えるのが企業法務の役割です。
重大な法令違反や不祥事によって会社が倒産するといった事例もあるので、企業法務の強化が安定的で永続的な会社経営に繋がります。

さて、法務の業務内容は大きく「臨床法務」「予防法務」「戦略法務」の3つに分類することが出来ます。

■臨床法務
臨床法務とは法的トラブルへの対応です。法務担当者が必ずしもすべてのリスクを回避できる訳でありません。取引先の倒産やクレームの発生といった問題が発生した場合には、裁判を含めた法的対応を行い、問題を解決することが求められます。

■予防法務
予防法務は法的トラブルを未然に防ぐための対応のことです。会社契約締結前に契約書をチェックし、紛争の発生を予防するために条項の追加・修正を行うことや、従業員にコンプライアンス教育を行い、不祥事を防ぐことが含まれます。社内の各部門が行っている事業や業務に関する法務的リスクを洗い出し、評価・分析してリスクをコントロールして、他部門にブレーキをかけることが求められます。また、場合によっては想定されるリスクとリターンの兼ね合いで、許容可能な範囲でリスクを取る方法の検討や判断を求められます。

■戦略法務
戦略法務は企業経営上の重要な意思決定に参加し、企業の意思決定にかかわる法律事務を行うことが挙げられます。現地の競争法や会社法、裁判制度など調査・研究して海外での事業展開やや企業の買収や合併(M&A)、新製品の開発などにあたり、法的リスクの分析や効果的な知的財産権の活用方法を提案することで、企業価値を高める意思決定のサポートを行います。法務が経営に提言して積極的にプロジェクトを進めるケースもあります。

以上がおよその企業法務の業務内容です。
次に、具体的に私が担当する企業の法務の業務内容をご紹介します。

某大手メーカーの法務の業務内容

東証一部上場のグローバルメーカーA社の法務の業務内容をご紹介します。
A社では契約書の審査、作成が全体の業務の5割を占めています。グローバル展開も積極的に行っており、クロスボーダー案件も多い環境です。契約書の内容はライセンスや製造販売、業務委託で、割合は和文:英文=4:6程度です。その他の業務として契約交渉や事業にかかる法律相談、訴訟対応、社外クレームの法的サポートです。

上記でも分かるように企業の法務の主たる業務は契約に係るものが中心で、特に契約書の審査が多いです。法的にリスクが含まれていないかを確認することが大前提ですが、契約審査を依頼してきた自社の従業員が何を実現するための契約なのかを確認することも非常に重要です。場合によっては依頼者の打ち合わせにも同席して、目的に適った契約なのか、お客様の意向をくみ取りながらも自社に不利なものではないかなどを検討することが求められます。また、内容によってはリターンやリスクを天秤にかけて、リスクを取っても契約合意に落とし込んでいくことが求められるケースもあります。
このような契約業務に加えて、コンプライアンスや法務の社内研修、株主総会、取締役会の運営、知的財産、M&Aなどインハウスローヤーの業務は多岐に渡ります。

企業の法務の業務内容は、業界や会社規模感、上場・非上場で携われる業務内容が異なります。インハウスローヤーを目指すにあたって、自身がどういった業務に携わり、どのようなキャリア形成がしたいかを考えて、それにあう選択肢を選んでいただくことが重要です。

※参照
・日本組織内弁護士協会(JILA)
http://www.jila.jp/pdf/transition.pdf
・企業法務入門テキスト ありのままの法務(発行所:商事法務)

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(文/チーフリクルーティングアドバイザー)

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