【コラム】有名政治家のニ重国籍騒動、何が問題なの?

【コラム】有名政治家のニ重国籍騒動、何が問題なの?

2016/10/28

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最近、ニュースで「二重国籍(重国籍)」という言葉が頻繁に聞かれました。そのきっかけは、某有名議員に対する「二重国籍ではないか」との追及だったことは、多くの人がご存じかと思います。
実際のところ、こうした重国籍は法律的にどのような問題があるのでしょうか?また、この国における重国籍の実態は、どのようになっているのでしょうか?

二重国籍騒動のあらましについて

そもそも今回の騒動とは、どのようなものなのでしょうか。まずは、そのあらましについて説明しましょう。
この指摘を受けた議員は東京生まれですが、父親が台湾人、母親が日本人であったため、台湾籍を有していました。1985年の国籍法の改正によって日本国籍を取得したものの、その後、台湾籍(日本が認めているところの中華人民共和国の国籍)を抜く「国籍の一本化」が行われていたかどうかが明確になっておらず、そこが指摘のポイントになりました。
また、現在は党の代表となりましたが、指摘された時は党の代表選に立候補する可能性があった点も、問題視する声が大きくなった一因であるといえるでしょう。
そして調査の結果、台湾籍が残っていたことが明らかになりました。この騒動は個人的な追及に留まらず、二つ以上の国籍を持っている人に対して国会議員や国家公務員になることを禁止する改正法案の提出が検討される事態にまで発展しました。

重国籍となる例としては、次のような場合があります。
(1)日本国民である母と父系血統主義を採る国の国籍を有する父との間に生まれた子
(2)日本国民である父または母と父母両系血統主義を採る国の国籍を有する母または父との間に生まれた子
(3)日本国民である父または母(あるいは父母)の子として、生地主義を採る国で生まれた子
(4)外国人父からの認知、外国人との養子縁組、外国人との婚姻などによって外国の国籍を取得した日本国民
(5)帰化または国籍取得の届出によって日本の国籍を取得した後も引き続き従前の外国の国籍を保有している人

となっているので、同議員は上記の(1)に該当しているということです。
法務省によると、「外国の国籍と日本の国籍を有する人(重国籍者)は、22歳に達するまでに(20歳に達した後に重国籍になった場合は、重国籍になった時から2年以内に)、どちらかの国籍を選択する必要があります。選択しない場合は、日本の国籍を失うことがあります」とあります。

重国籍はなぜいけない?

国籍を二重・三重と取得することによって、それだけの権利や義務が重複して発生することになります。こうした事情から公正さを欠くという理由で、重国籍は好ましいものではないと考えられています。

現在、国際結婚は普通のこととなり、日本国内においてもハーフやクオーターの子どもも増えています。また、海外で活動する機会も増え、海外で日本人の子を生んだ、または、外国人との間で子どもが生まれたが、手続きを後回しにして忘れてしまい重国籍のままだという人もいることでしょう。
法律上では重国籍は認められていませんが、徹底した罰則規定が設けられている訳ではありません。そのため、重国籍のまま生活している人も少なくないというのが現状です。罰則に限らず、国籍法に関する知識が浸透していない点も、重国籍が多い原因としてあげられます。

罰則はないとはいえ、国籍を明確にしないと旅券の発行手続きにも支障をきたしたり、雇用の際には重国籍問題が発生するリスクが考えられたりと、就職や結婚にも大きく関わっていきます。
それに伴い、こうした問題に関する相談が法律の専門家である弁護士に寄せられるケースも増えてくることでしょう。さらには、日本の国籍法に留まらず重国籍を認めている国の人と結婚する場合など、このテーマについて考えることになるケースも増えてきます。
「政治家の二重国籍」騒動がきっかけで、国内の重国籍の実態が少しでも明らかになり、国籍を選ぶことの重要性が理解されるきっかけになることを願うばかりです。

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