司法試験に不合格...民間企業の法務職に就職するためには?

更新日:2023/04/01
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司法試験に不合格...民間企業の法務職に就職するためには?

管理部門・士業の転職

司法試験は人材選抜試験である以上、法律実務家としての適性に不足していると判断されれば不合格となります。
しかし、司法試験に不合格となった人でも、民間企業では重宝される可能性があります。今回は、司法試験に不合格となってしまった後の進路として、企業法務部への就職に切り替えるための必要な事柄について考えてみましょう。

司法試験に不合格となってしまっても...

かつては受験回数制限がなく、不合格が続いても、合格するか自らの意思で諦めるまで、何度でも納得するまでチャレンジできた司法試験。その結果、社会人としての復帰が難しくなったり、精神的なプレッシャーが積もったりして、優秀な人材が社会で活躍できなくなり、社会問題となりました。

しかし、司法制度改革を経た現在では、法科大学院の修了か予備試験の合格を条件に、司法試験の受験資格が与えられ、さらに「5年間で5回」という受験回数制限が設けられています。

もし、この回数制限を使い切ってしまい、不合格となってしまった場合には、再び法科大学院を修了するか、予備試験に合格する必要があります。ただ、現行の司法試験を5回受験して不合格となった場合は、別の道へ転身する方がほとんどでしょうし、そうして優秀な人材を社会の中で有効活用するのが、回数制限が定められた本来の目的といえます。

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不合格になってしまっても、就職を目指せば道は開ける!

企業の社員として働きながら司法試験を受験していた人は、そのまま今の職場で働き続けることができるでしょう。
ただ、司法試験の合格に人生を賭けて、仕事を辞めて、あるいはパートやアルバイトである程度の収入と勉強時間を確保しながら受験準備に取り組んだ方はその後が厳しいでしょう。司法試験の受験回数制限の5回全て不合格となってしまったことをきっかけに、就職活動に切り替える必要があります。

いざ就職活動を始めたとしても、司法試験受験に専念した時期があるため、履歴書の「職歴」欄に空白期間がある点を気にする人事担当者も一部にいます。このことは仕方ありません。

ただ、司法試験に不合格となった方でも、試験勉強等を通して身につけてきた法律知識の質と量、そして正確さは、一般の社会人を遥かに凌駕するものです。昨今では、企業においてコンプライアンス(法令遵守)が特に重視されるようになっており、コンプライアンスを確保できていない企業は社会的信頼を得られず、収益にも影響するリスクがあります。

よって、企業が遵守すべき法律を正しく知っている人材を、多くの企業が欲しがっているのが実態です。特に法律知識が求められる企業セクションとしては、法務部が代表的です。しかし、総務部や人事部でも労働法規を中心に知識が求められますし、そのほか、営業や経理、経営企画など、それぞれの分野で規制がありますので、その点で法律的な考え方(リーガルマインド)が身についている人材が重宝される可能性が高いです。

面接では、面接担当者から厳しい質問や、突き放すような発言などがあるかもしれません。ただ、履歴書の職歴期間に空白があったとしても、その不利な経歴を埋めて余りあるほど、「私を採用すると、企業にとって得である」と、自信を持ってアピールできるかどうかが、就職活動で結果を出すための鍵のひとつといえるでしょう。

また、不合格が続いても司法試験の受験を決して諦めなかった根性や集中力は、今後の社会人生で必ず活かせるはずです。それは面接でのアピールポイントとしても有効となりえます。

それでも、法律的な素養が身についている人材は就職活動の市場で貴重ですので、粘り強く挑戦することが重要です。法務部に限らず、法律知識を活かせる職場はたくさんありますし、法律と直接関係がなくても、司法試験に何度も食らいつき続けた根性や心意気を発揮できる場所は多くあるはずです。

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別の資格を取得し、就職に有利なカードを確保する

司法試験に不合格になったからといって、士業の道が断たれたわけではありません。弁護士の他にも、いくつかの法律系資格があります。
その中でも、登記や供託業務、成年後見など、民事系法律のスペシャリストである司法書士や、役所などの公的機関へ提出する書類作成のスペシャリストである行政書士が代表的です。憲法や民法、会社法など、司法試験の出題科目との重複も多いです。

しかし、いずれも合格率が低く、特に司法書士試験の民法では物権や債権に関する細かい知識を尋ねられるため、司法試験よりも難度が高いとされています。いくら司法試験を長く受け続けたとしても、就職に有利なカードを増やす目的で簡単に取得できる資格ではありません。少なくとも数か月から1年ほどの準備が必要です。

他にも、企業が加入すべき厚生年金や健康保険、労働法に関するスペシャリストである社会保険労務士の資格があれば、総務や人事で働く上で有利といえるでしょう。

また、企業向けの公的コンサルティング資格である中小企業診断士は、法律だけでなく経済知識もバランスよく兼ね備えている資格ですので、人事担当者からの評価が高いです。不動産を扱う業界を目指すのであれば、宅地建物取引士の取得も有利です。

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まとめ

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司法試験が不合格になってしまったからといって、絶望する必要はありません。合格に向けて勉強をして身につけてきた知識は、必ず社会で活かすことができます。
組織の中に溶け込んで、組織のために法律知識を活かして仕事をすることができれば、外部の弁護士よりも頼りにされることは間違いありません。さらに、社会人として円滑に事を進めるには、法律知識のみならず、周囲に合わせる態度など、組織内でのコミュニケーション能力が求められるでしょう。

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