検事のキャリア・仕事内容・給与やその後のキャリアパスについて

検事のキャリア・仕事内容・給与やその後のキャリアパスについて

2018/06/06

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司法試験に合格し司法修習を終えると、裁判官・検察官(検事)・弁護士になる資格を得ます。ただ、裁判官と検察官は、本人が希望したからといって就けるとは限りません。
法曹三者の中でも「選ばれし者」の部類に入る検事の仕事やキャリアは、どのようなものか紹介します。

検事のキャリアとは?

検事になるためには、司法試験や司法修習の中で、起案などの手際が良く、ある程度はいい成績を収めておかなければなりませんし、露骨に反体制の考え方を持つ人物も採用されにくいでしょう。
一方で、検事に向いていると判断された司法修習生は、検察修習の先輩検事や、検事出身の教官などから、スカウトを受けることもあります。その人が弁護士志望なら、「弁護士は、いつでもなれるよ」と口説くこともあるようです。

そうして専門の試験を受け、晴れて検察官になることができたのならば、まずは東京や大阪といった大規模庁で、捜査や公判に関する基本的な現場知識や技術を身につけます。新人研修のようなものです。
そうして、全国各地の地方検察庁で現場経験を積むことによって、一人前の検察官として育っていきます。

ちなみに「検察官」は職名であり、「検事」は官職(一種の肩書きやランク)です。このほかに、検察庁法で「副検事」「検事長」「次長検事」「検事総長」といった官職が定められています。
検察官の場合、官職の名前だけからは、どのような立場なのかわかりにくいのが特徴です。裁判官のように「簡裁判事」「地裁所長」「最高裁長官」などと呼ばれれば、どこに所属し、どのような立場なのかある程度わかるのですが、検察官の場合はそうなっていないのです。

副検事は、各地方の「区検察庁」に所属し、主に簡易裁判所の刑事裁判において、比較的軽い罪を犯したとみられる被疑者を捜査し、訴追する役割を担います。

検事は、地方検察庁(全国で50カ所+支部)・高等検察庁(全国で8カ所+支部)・最高検察庁(東京)において、捜査や公判の現場で活動する検察官です。

検事正は、地方検察庁のトップの立場です。地検で働く部下たちの仕事に関して責任を負い、決済を担当します。

検事長は、高等検察庁のトップの立場です。高検で働く部下たちの仕事に関して責任を負い、決済を担当します。

次長検事は、最高検察庁において、検事総長に次ぐナンバー2の立場です。検事総長に何らかの事故があり、職務を遂行できない場合は、代わって職務を行います。

検事総長は、最高検察庁のトップの立場です。最高検で働く部下たちの仕事に関して責任を負い、決済を担当します。

検察官の仕事について

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検察官は、刑事事件(犯罪)を捜査し、罪を犯したとみられる人物(被疑者)の処罰を求めるため、裁判所に起訴し、法廷において証拠に基づいて犯罪の証明を行うのが主な役割です。
一般的な犯罪は警察官が捜査を行い、「送検(検察官送致)」によって検察官が事件を引き継ぎますが、政治家の汚職事件や高度な経済犯罪事件などは、検察官が自ら捜査し、逮捕や家宅捜索などを行います。

また、中間管理職的な役割として、現場の検察官の指導監督を行う立場もあります。大事件や著名事件など、チームを組んで捜査ならびに公判に関する取り組みを行う場合、全体の方針を立てて、事件処理に関するリーダーとして活動するのです。この検事を特に「三席検事」などと呼ぶこともあります。

出向によって、法務省に移籍して、法案の作成や法制度の研究などに携わることもあります。

わずかではありますが、検察官が民事事件を担当する場面もあります。公益を代表する立場として、「不適法な婚姻の取消しの申立て」や「相続財産管理人の選任申立て」などを裁判所に行ったり、「死亡者に対する認知請求事件」で、死者に代わって提訴を受ける「被告」の立場にもなります。

検察官の給与

検察官の俸給等に関する法律の別表に定められています。

区分 検事総長 次長検事 東京高等検察庁検事長 その他の検事長
俸給月額 1,503,000円 1,228000円 1,334,000円 1,228,000円

検事

区分
俸給月額
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 11号 12号 13号 14号 15号 16号 17号 18号 19号 20号
1,204,000円 1,060,000円 989,000円 838,000円 724,000円 650,000円 588,000円 529,000円 428,800円 394,200円 368,900円 345,100円 322,200円 306,440円 288,200円 277,600円 253,800円 244,800円 234,300円 227,000円

副検事

区分
俸給月額
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 11号 12号 13号 14号 15号 16号 17号
588,000円 529,000円 446,700円 428,800円 394,200円 368,900円 345,100円 322,200円 306,400円 288,200円 277,600円 253,800円 244,800円 234,300円 227,000円 215,000円 206,600円

検察官のキャリアパス

検察官の定年退官は満63歳です(検事総長のみ、満65歳)。定年に達しなくても、出世の見込みが無くなってしまった場合や、検察官以外の世界に関わりたくなった場合などは、弁護士にキャリアチェンジすることになります。

検事経験者が転身した弁護士を、通称で「ヤメ検」と呼びます。
通常は、刑事手続に深く関わり、弁護士の相手である検事の立場を心得ている今までの職務経験をフルに活かし、刑事事件が得意な弁護士になることが多いです。

たとえば、何らかの理由で検挙された被疑者・被告人は、相手方の検察官の発想や戦略などを通常の弁護士よりも知り尽くしており、より有利な結果を引き出せると期待して、ヤメ検弁護士に私選弁護士として就くことを依頼し、多額の報酬を支払うこともあります。また、マスコミでは犯罪に関するニュースを取り上げることが多いので、コメンテーターとして出演依頼が来る場合もあります。

一方で、検察官としての過去の経験にこだわらず、のびのびと活動したいと考えるヤメ検は、企業内弁護士や自治体内弁護士(インハウスローヤー)として、組織に所属したかたちで稼働するヤメ検もいます。

まとめ

検察を辞めた方は、刑事事件を得意とする弁護士にキャリアチェンジすることが多いですが、刑事手続にこだわらず、民事・家事・企業法務などに携わる場合もあります。
法曹の中でも組織で活動することに慣れているヤメ検は、インハウスローヤーの適性も大いにあると考えられます。

<参考>
検察庁-検察官の種類と職務内容
電子政府の総合窓口e-Gov-検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)
法務省-三席検事

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