企業法務と弁護士の役割とは

企業法務と弁護士の役割とは

2019/02/08

企業法務と弁護士の役割とは

大量の情報が行き交い、労働者個人の権利保護も叫ばれ、企業のビジネス活動が複雑化していくにつれて、社会のルールをつかさどる企業法務の重要性は高まりを見せています。その中で、法律実務家の最高峰ともいえる弁護士は、どのような役割を果たすべきでしょうか。

企業法務に関わる弁護士には、2種類ある

企業法務に関わる弁護士には、「社外からサポートする場合」と「社内で働く場合」の2通りがあります。前者は、クライアントとなる企業との間で顧問契約などを締結している法律事務所の弁護士です。しばしば「顧問弁護士」と呼ばれます。
一方で、後者は企業の法務部などで従業員や役員として勤務している、いわゆる「企業内弁護士(インハウスローヤー)」です。

顧問弁護士は、自ら法律事務所を経営、あるいは他の弁護士が経営する法律事務所に勤務している立場です。いつでもクライアント企業からの企業法務相談に乗る態勢を整える対価として、定期的な顧問報酬を受け取っています。相談や法的トラブルの有無にかかわらず、クライアントから定額報酬を受け取る契約内容となっているのが一般的です。また、法的トラブルが訴訟などに発展したとき、顧問弁護士が裁判などに対応する必要性が生じれば、顧問契約とは別個の契約を新たに結び、別報酬となることが多いです。

顧問弁護士は、複数の企業・組織と並行して顧問契約を結ぶことができます。クライアント企業としては、弁護士から俯瞰した視点で客観的な助言をもらうことができるメリットがあります。

そのぶん企業法務問題やトラブルに対する当事者性が希薄になり、ともすれば親身に相談に乗ってもらえず、お金だけ取られる顧問弁護士と遭遇するおそれがあります。どの弁護士に依頼するかは自由ですが、それだけに顧問契約先は慎重に選ぶ必要があります。

一方で、企業内弁護士はその企業の損失を回避し、利益を追求できる方向性に沿いながら、法律トラブルに対処したり、必要な就業規則などの内部ルールを整備したりする活動を社内で行います。

顧問弁護士のように、さまざまなクライアントから相談を持ちかけられるわけではありません。しかし、誰の立場や利益を優先して守るべきかが明確ですので、安定した思考で問題に取り組むことが出来るメリットもあります。

また、その企業に関する社会的立場や内部事情について知り尽くした上で、法的な提案を送ることができる企業内弁護士は、他に替えの効かない貴重な存在として、社内で頼りにされる可能性が高くなります。

顧問弁護士としての企業法務での役割とは

顧問弁護士は、クライアント企業にとっての「外部アドバイザー」だからこそ、そうした一定の距離を置くスタンスに特有の強みがあります。

また、顧問弁護士は個人・法人問わず、さまざまな立場で法的トラブルに巻き込まれた人々の相談に乗ったり、代理人等として解決に乗り出したりしています。そうした法律実務家としての多様な職務経験を活かし、応用を効かせながら、クライアントに対して柔軟なアドバイスを投げかけることが可能となります。

「傍目八目」という言葉もありますし、クライアントが巻き込まれている法的トラブルの当事者ではなく、距離を置いた客観的な視点だからこそ、初めて気づけることも十分にありえます。

顧問契約を結んでいなくても、たとえば外部の弁護士は経営体制をチェックする監査役(社外取締役)として、独立した立場を保ちながら業務を進めることができます。いくら「監査役は独立している」といっても、監査役がその会社に勤務する従業員ばかりだと、運命共同体で利害関係が一致しやすいために、会社を厳しくチェックできないのではないかと、株主や取引先、監査法人などから疑いの目で見られかねません。距離を置いたスタンスだからこそ有効な責務を果たせる場合があるのです。

企業内弁護士としての企業法務の役割とは

企業内弁護士としての企業法務の役割とは

企業内弁護士には、その企業にとって利益になる方向でトラブルの法的解決を図るという明確な使命があります。他の企業と利害が衝突した場面では、ただちに代理人として交渉に臨むことができます。その企業のことを日頃から知っているために、問題解決のために必要なコミュニケーションが速やかで円滑に進むメリットがあります。

また、企業にとって必要なときにすぐ相談に乗れる機動性の高さも、企業内弁護士の持ち味です。従業員が法的トラブルを未然に防いで、企業が余計なエネルギーを消耗しないように対策を図る「予防法務」も、企業内に常駐している弁護士のほうに強みがあります。

従業員にとって、すぐに法律相談が出来る「駆け込み寺」のような役割を企業内弁護士が担うこともあります。それが労使間トラブルの場合は、不当に企業側の言い分に偏らず、ひとりの法律実務家として公平な立場でアドバイスする必要があります。

まとめ

企業法務を弁護士が担うときには、その企業の外側からサポートする場合と、内側から支える場合があります。顧問弁護士のように外側からのサポートは従来から普及していますが、国内の弁護士人口が増加するにつれ、企業内弁護士の存在感や役割も増してきています。


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