【コラム】「謝り方」も伝授できる弁護士は貴重

【コラム】「謝り方」も伝授できる弁護士は貴重

2013/11/14

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「土下座してください......やれー、大和田!」
このセリフを聞いただけで、「あー、また『半沢直樹』のお話ね」と思ってしまう方も多いことだろう。

「半沢直樹」で土下座ブーム!?

それにしても空前絶後のメガヒットだった。最終回の視聴率は40%を超え、平成のテレビドラマでは、あの「家政婦のミタ」を超えて最高記録を叩き出した。ドラマを見逃し、ブームに乗り遅れた方への説明を端折って申し訳ないが(この国民的ブームの中で見ていない方に配慮する必要はないかな......苦笑)、最終回のクライマックスシーン。東京中央銀行に勤務する主人公(演・堺雅人)が取締役会で、かつて父親を自殺に追い込んだ宿敵でもある大和田常務(演・香川照之)の不正を暴き、あらかじめ約束していた土下座を迫る中で、このセリフが飛び出した。堺さん、香川さんの熱演はドラマ史に残る名演技だった。

ドラマが社会現象となったことで他局でも話題になるのがしばしばだ。NHKは最終回から間もない10月8日、「クローズアップ現代」の冒頭でこのシーンを放送した(参照;クローズアップ現代 氾濫する"土下座")。というのも、この日のテーマは「氾濫する"土下座"」。2000年以降、不祥事を起こした企業トップなどが謝罪に当たって土下座をする場面が目立つようになった社会的背景を探るというものだ。番組では、コメンテイターの一人が「全面的な屈服を強要するようになった」と指摘していた。

「謝罪」に注目が集まる中で

NHKの特集は、土下座に焦点を絞っていたが、メディアでも謝罪の仕方を取り上げる動きが増えていると感じる。この放送があったと同時期に週刊プレジデントでも特集を組むことになり、筆者も編集部からの依頼で「ネット炎上」の視点から見た謝罪問題をテーマにしたオピニオンのインタビュー記事の取材を担当した(11月18日号)。編集部から本誌を送られて担当外の記事も含めた全容を読んでみたが、謝り方には一定の工夫・ノウハウがあるものだと再認識した。

筆者は新聞記者時代に何度か企業や役所などの謝罪や釈明の会見に出席したことがある。時には弁護士が同席することも多い。法的な見解を示すことで取材攻勢を少しでも和らげる効果があるのは確かで、不倫問題の釈明をした女優の記者会見に同席した弁護士がワイドショーのレポーターの勢いを削いだのは、以前のコラムでも取り上げた通りだ。質疑応答の輪に加わらずとも有事の際に報道対応について顧問弁護士が陰から指導・サポートすることもある。

「謝り方」を伝授できる弁護士は最強

しかし、法律の専門家ではあっても、コミュニケーションのノウハウを知っているかは別問題だ。レストランのメニュー偽装表示問題で有名ホテルの社長が辞任表明した記者会見の映像を見ると、傍らに弁護士とみられる男性が同席していたが、「顧客への裏切り行為」と謝る一方で、偽装の意図はなかったとする、ちぐはぐな対応しかできていなかった。(そういうわけなので筆者のような広報コンサルへのニーズがあるわけなのだが。)

弁護士業界でも受注競争は昔より激しくなっている。生き残れる弁護士はやはり交渉事などの実務に強いわけだが、企業の顧問弁護士として売り出すメニューとして、上手な謝り方といった危機管理の対応法も指南できると差別化できる。法的な知識にコミュニケーションの素養があれば鬼に金棒だし、メディアにとっても手強い存在だ。もっとも我々広報コンサルにとっても大変な競争相手なのでプレイヤーが増えるのはしんどい話だ。

(文/新田哲史=コラムニスト、記事提供/株式会社エスタイル)

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