2023年04月12日

企業法務ってどんな仕事?資格やキャリア等、転職方法も紹介!

管理部門・士業の転職

この記事では、企業に欠かせない「企業法務」という仕事について、さまざまな視点から解説します。
法務の役割や働き方、資格などの情報を知ることで、企業法務へのキャリアを考える参考になれば幸いです。
実際に企業法務への転職を希望している方に向けて、転職方法や求人情報もご紹介します。


管理部門・士業の転職

企業法務とは?役割と仕事内容

そもそも企業法務とは、どういった役割で、どのような仕事内容なのでしょうか。

まず、役割としては「攻めの法務」と「守りの法務」という2つの機能があります。
「攻め」では利益追求のための企業活動を支援し、「守り」では不利益を被らないように法的なトラブルを防ぎます。
攻守のバランスに優れた企業法務は、会社のメリットにつながる重要な任務を担っているのです。

次に、企業法務の主な仕事内容を取り上げます。


法律相談

法務の担当者は、法律にかかわる事案について経営者や各事業部から相談を受け付けます。
丁寧なヒアンリングをもとに問題点を把握し、適切な助言・提案を行います。


契約法務

取引を行う相手方との契約では、互いの権利・義務などを専門的な視点からしっかりチェックします。
実務としては、契約書の作成や、契約内容の法的な妥当性を確認する契約書レビューなどがあります。


機関法務

株主総会や取締役会といった企業内部の機関活動を適法に運営するため、会社法にかかわる法律知識が求められます。
また、組織再編やIPO対応なども機関法務の一環です。


紛争対応

社内外のトラブルや顧客からのクレームに、法務担当者が解決に向けて対応することは珍しくありません。
訴訟などの紛争に発展した場合、外部の弁護士や法律事務所との連携・調整も行います。


コンプライアンス対策

昨今、多くの企業で認識が強化されつつあるコンプライアンス(法令遵守)への対策は、企業法務の主要な仕事です。
就業規則や対外的な行動指針など、従業員が遵守すべき規範を定め、コンプライアンスの浸透に向けた社内環境を整備します。


法令調査

法令が改正された場合、自社にどのような影響が及ぶのかを調べることは重要です。
新規・既存にかかわらず、事業活動を行う上での規制や想定リスクを調査し、社内に周知することが企業法務の役目です。


労務・労働問題

企業と従業員は労働法に基づいた雇用関係であるため、双方にトラブルや紛争が生じた場合、法務担当者があいだに入ります。
職場のハラスメントも労働問題の一環として捉え、法務担当者が相談の対応をバックアップします。


知的財産業務

特許・商標・著作物などの知的財産権にまつわる紛争が生じた場合は、法務担当者が外部の弁護士と連携して早期解決に導きます。
知的財産権の出願登録が必要な場合も、弁理士を交えながら出願業務に当たります。


債権回収・債権管理

未払いの売掛金や長期滞留債権などを回収する立場として、催告から支払督促、訴訟の法的手続きも含めて、状況に応じた措置を講じます。
債務不履行のリスクを見越して、支払期限や時効期間を周到に管理することも企業法務に求められる仕事です。


まずは転職エージェントに無料相談する

企業法務の役職クラス別平均年収

企業法務は、重要な任務も含めてさまざま役割を担うだけに、年収がどのくらいになるのかも気になります。
厚生労働省が出している令和2年の賃金構造基本統計調査企業法務全体の平均年収は400~500万円ですが、以下、役職クラスごとの平均年収を見てみましょう。


若手クラス(20代):350~400万円

20代の若手法務部員は、経験による年収差はほとんどありませんが、企業規模や業種によって相場が異なります。


中堅クラス(5~10年目、30代):450~800万円

30代は結婚や育児など生活環境が変化しやすいので、年収の水準だけでなくワークライフバランスも含めて検討が必要です。


課長クラス:750~1200万円

年功序列の企業では、管理職になると年収アップが見込めますが、法務の実務経験に加えてマネジメント能力も重視されます。


部長クラス:800~1500万円

部署の責任者として最終的な意思決定を行う部長は、経営者側の視点を持つ役職でもあるため、年収レンジも高水準になります。


企業の規模や業種、資格の有無によって振り幅はありますが、専門知識が評価される企業法務の年収は、おおむね高めと見てよいでしょう。

企業法務に携わる上で、役職に就く以外に年収を上げる方法としては、主に中小企業が設ける「法務立ち上げポジション」への転職、もしくは一般的に年収が高い「外資系企業」への転職が考えられます。

【参考URL】
企業法務で年収800万円以上を目指すには?年収アップのポイントも解説!


まずは転職エージェントに無料相談する

企業法務の魅力とやりがい

企業法務の魅力・やりがいは、業務の幅広さや収入面だけではありません。
ポイントは次の3点です。


専門知識が活かせる

企業法務は、法律の専門知識を仕事で活かせることが魅力です。
努力して身につけた法律の知識が、多くの人の役に立つのであれば、大きなやりがいにつながるでしょう。


周囲から頼られる

企業で行われる業務は、どの部署であっても法律と無縁ではありません。
従業員の多くが法律の知識を持ち合わせていない中、専門的な立場で各部署をサポートする法務部員は、希少な存在として頼られます。


経営陣との距離が近い

企業法務の仕事のほとんどは、意思決定を司る経営陣に近い距離で行われます。
社内全体の営みを見渡せるポジションにいるため、仕事を成し遂げたときの達成感はひとしおでしょう。

【参考URL】
法務としてのやりがいや仕事内容


まずは転職エージェントに無料相談する

企業法務になるには?転職するには?新卒と中途

法律分野のエキスパートである企業法務は、就職や転職が難しいものなのでしょうか。
以下、新卒・中途の2方向から見た採用事情です。


新卒採用

企業法務に新卒で就職するためには、法科大学院を卒業することが有利です。
もちろん他の学部からでも企業法務に就職することは不可能ではありませんが、採用側からすると、法科大学院生としてしっかり勉強に取り組んだことや、法律分野の成績が良かったことなどがアドバンテージになります。

また、大学の法学部でも、法科大学院生と遜色ないレベルの法律知識を身につけていれば、採用の評価につながるでしょう。


中途採用

法務で扱う法律は、建設業は建設業法、飲食店は食品衛生法など、業界によって異なります。そのため、法務経験者でも異なる業界への転職は難しいとされていました。
しかし、希少性のある法務職を企業が重視する傾向に伴い、法務は売り手市場となりました。
さらに、法務未経験者でも、法律知識を備えていれば採用されるケースも増えています。

法務経験者の転職活動では、キャリアや実績を具体的にアピールすることがポイントです。
法律はたびたび改正される性質があるため、常日頃から法律の知識やスキルをアップデートしていくことも必要です。
これまでどのような業務に携わり、どういった案件に対応してきたのか、知識やスキルも含めてしっかりとキャリアの棚卸しをしましょう。

法務未経験者の場合は、法律に関する資格を取得することで法律の知識や法務への意欲をアピールすることができます。
次の章で法務未経験者におすすめの資格を紹介します。

【参考URL】
法学部の学生や法科大学院生が法務部に就職するには?
法務の転職を成功させるポイントを紹介!難しさや対策もあわせて確認


まずは転職エージェントに無料相談する

未経験から企業法務になれる?有利な資格・スキルは?

法務の実務経験がない場合は、客観的な評価を得るために資格やスキルがあればなお有利です。
以下、おすすめの資格とスキルを紹介します。


資格

ビジネス実務法務検定
ビジネスに欠かせない法律知識を体系的に取得できます。

知的財産管理技能士
商標・特許・著作権などの知的財産を適切に管理・活用する国家資格です。


さらに、法律系の資格として一定の評価が得られる「司法書士」や、国家資格の「行政書士」、知的財産の専門家「弁理士」、法律のスペシャリスト「弁護士」など、グレードの高い資格取得を目指すことも企業法務の転職では大いに役立ちます。


スキル

文章力
契約書や就業規則などを作成する際、正確でわかりやすい文章力は法務スキルとして必要です。

コミュニケーション能力
法務の仕事は、社内外のスタッフと協力して仕事を進めることが多いため、円滑にコミュニケーションを取れる人材が求められます。

法律知識
基礎的な法律知識は法務に必要不可欠ですが、未経験から法務を目指すなら、法改正に対するキャッチアップも重要です。

事業・業界理解
法律知識を持っていても、それを活かすための事業や業界を知らなければ、宝の持ちぐされになってしまいます。

英語力
国際取引や渉外業務を行うグローバル企業の法務は、一定レベルの英語力が必須です(TOEICスコア800点以上が目安)。

ITと個人情報に関する知識
ネット社会に起きやすいトラブルを未然に防ぎ、問題発生にも迅速に対応できるよう、ITや個人情報保護への理解も重要です。

【参考URL】
未経験でも法務部に転職できる?初めての法務への転職の疑問に答えます!
企業法務が人材不足の今、求められるスキルや資質とは?
法務としてのキャリア形成とは?法律知識に加え大切なもの


まずは転職エージェントに無料相談する

企業法務に関わる弁護士について

企業法務に関わる弁護士には2つのタイプあります。


企業内弁護士(インハウスローヤー)

特定の企業に所属する弁護士として、その企業が不利益にならないように法務全般を担います。
社内に常駐しているため、従業員が困ったときの法律相談や法的トラブルの予防・対応など、機動力の良さが特徴です。


顧問弁護士

複数の企業を受け持つ「法律の外部アドバイザー」として、多様な業種の企業法務を専門的にサポートします。
クライアント企業と一定の距離を置く立場から、客観的で的確なアドバイスを行えることが強みです。

【参考URL】
企業法務関わる弁護士は2種類!顧問弁護士と企業内弁護士の役割の違いとは?


まずは転職エージェントに無料相談する

企業法務が扱う法律とは?

企業法務は携わる業種によって必要な法律知識が異なりますが、修得しておくべき法律を大まかに4種類紹介します。


民法

売買や秘密保持、業務委託といった契約に関する民法の知識は、企業法務に携わる上で欠かせません。


商法

法務として社内の利害関係を調整するためには、主に株式会社の機関や組織運営に関する会社法を理解する必要があります。


労働法

労働者保護の観点からさまざまな規定や制限を設けており、法務担当者は自ら労働者の立場としても注視すべき法律です。


独占禁止法

市場における公正な企業活動を定めた規範・知識は、社内のコンプライアンス啓蒙にも役立ちます。

【参考URL】
企業法務が仕事でよく使う法律とは?何をどうやって勉強するの?


まずは転職エージェントに無料相談する

企業法務の転職事例

実際の転職事例をご紹介します。


国内を代表する電機メーカーの法務担当に転職したAさん。

年収:550万円→800万円(250万円アップ)

1カ月半程度の転職活動で採用が決定し、希望年収も大幅にアップ。


英語力を活かせる外資系企業の法務に転職したBさん。

年収:600万円→650万円(50万円アップ)

TOEIC800点台の英語力を活かし、外資系企業の法務としてグローバルに活躍できるポジションに転職成功。


未経験から上場企業の法務へ転職したCさん。

アルバイト収入→年収330万円

大学卒業後、法律事務所でのアルバイト経験と大学で学んだ語学力を活かして、法務未経験ながらもIT上場企業の法務に転職成功。


まずは転職エージェントに無料相談する

企業法務の求人情報

企業法務の求人情報

転職エージェントのMS-Japanでは企業法務の求人を多数ご用意しています。
その一部として、上場企業の法務担当求人をご紹介します。

●国内トップシェア・東証一部上場の独立系産業機器メーカーより法務担当の求人です。
⇒この求人を詳しく見る

●東証プライム上場IT企業から法務の募集です!
⇒この求人を詳しく見る

●埼玉県在住の方必見/東証スタンダード上場/法務総務担当
⇒この求人を詳しく見る

まずは法務求人をご確認したい方はこちら

法務の求人情報

法務の求人情報

上場企業の法務担当やIPO準備企業の法務担当求人、法科大学院修了生歓迎求人など幅広くご用意しております。
サイト上に公開されている求人はごく一部の求人です。会員登録することでご確認可能です。



まとめ

法律の専門知識を活かすことができる企業法務は、経験者はもちろん、未経験でも採用の間口は広がっています。
興味のある方や、実際に転職をお考えの方は、MS-Japanの無料転職サービスをご利用ください。
キャリアアドバイザーから、企業法務のキャリアに関するご相談や転職市場の情報を提供させていただきます。


まずは転職エージェントに無料相談する

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

鈴木 雅也

大学卒業後、飲料メーカー営業、学習塾の教室運営を経て19年MS-Japanに入社。キャリアアドバイザーとして企業管理部門、会計事務所などの士業界の幅広い年齢層の転職支援を担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

あなたへのおすすめ求人

サイトメニュー

職種で求人を探す
資格で求人を探す
勤務地で求人を探す
資格の転職情報を調べる
転職セミナー・個別相談会
転職サービス紹介
転職ノウハウ
求人企業の皆様へ
MS-Japanについて

業界最大級の求人数・転職支援実績!管理部門・士業の転職に精通した専門アドバイザーがキャリア相談~入社までサポートいたします。

無料でキャリア相談する

関連おすすめ記事

新着記事

Manegyニュースランキング

マネジーでポイントを貯めて、
豪華商品に交換しよう!

詳しくはこちら

powered by

業界最大級の求人数・転職支援実績!管理部門・士業の転職に精通した専門アドバイザーがキャリア相談~入社までサポートいたします。

無料でキャリア相談する