2023年06月27日

攻めの法務とはどのような業務をする?守りの法務との違い

管理部門・士業の転職

攻めの法務とはどのような業務をする?

ビジネスの多様化に伴い、リスクも複雑化した今日、法知識をもとに企業経営をサポートする役割を担う法務の仕事には “攻めの法務”と “守りの法務”があります。
この記事では攻めの法務をメインに取り上げながら、それぞれの業務内容や求められるスキルなどをご紹介していきます。
攻めの法務担当者として活躍することのできる具体的な求人事例も併せてご紹介しておりますので、ぜひ今後のキャリアプランを考える上でのご参考にしていただければと思います。


管理部門・士業の転職

まずは法務の求人をご確認したい方はこちら

法務の求人情報

法務の求人情報

上場企業の法務担当やIPO準備企業の法務担当求人、法科大学院修了生歓迎求人など幅広くご用意しております。
サイト上で公開されている求人はごく一部です。そのほかの求人情報は会員登録することでご確認いただけます。


攻めの法務と言われる戦略法務とはどのような業務内容か

新規事業の立ち上げや海外進出・M&Aなどを法的サポートする戦略法務は攻めの法務と言われており、企業の経営戦略に積極的に携わっていく仕事です。
戦略法務の具体的な仕事内容は以下の5つがあります。

<<新規事業の立ち上げ>>

新規事業を立ち上げる際に生じる法的課題をクリアするためのサポートを行います。
先々に生じ得るリスクを調査して対応することで、監督官庁からの許認可をスムーズに取得したり、取引先との契約トラブルによる損害が生じないようケアしたりします。

<<海外進出>>

進出した先には、その国の法律があります。
海外進出のために現地の法律を調査し、進出に適しているかどうか調べ、法的な手続き完了までにかかる期間を考慮し、海外進出をサポートします。

<<M&A>>

M&Aでは買収スキームの作成および決定、デューデリジェンス(投資先価値判断・リスク調査)、契約書作成などの業務を担います。
企業再編や事業承継が自社の利益の最大化につながり得るものであるかどうか見極める必要があるため、M&Aを担当する法務担当者には経営的視点が強く要求されます。

<<知的財産の活用>>

自社が持つ知的財産をビジネスに活かし、より業績を高めるための取り組みを行います。
自社の競争力を高めるために知的財産を積極的に活用しようとする業務であるので、知的財産が侵害されないように保全する予防法務とはスタンスがまったく異なります。

<<行政への働きかけ>>

ビジネスの展開を考えているエリアにおいて法律や監督官庁の見方が障壁となっているような場合に、それらの改善や見直しを行政へと訴えかけます。
この働きかけによって法律上のハードルの引き下げを狙い、スムーズにビジネスを展開できる環境づくりを行います。


まずは転職エージェントに無料相談する

攻めの法務・守りの法務をそれぞれ解説。違いは?

戦略法務の5つの仕事それぞれがそうであるように、攻めの法務は業績の向上を実現させるべく、企業戦略を法律面からサポートする仕事です。
新規事業の立ち上げや海外進出は事業領域を拡大させて企業収益を更に向上させるための企業戦略であり、M&Aは企業再編・事業承継を通じて競争力を強めたり、自社だけではなし得なかった新分野への進出を叶えたり、といった目的のもとに遂行されます。
知的財産の活用ではライセンス供与による収益の発生をはじめとするメリットを目指す一方、知的財産に抵触している競合他社に対して訴訟を起こし、競合の競争力を削ぎ落すための動きを行うこともあります。
行政への働きかけについても同様です。
ただ現行の法制度においてビジネス展開の可否を測り、法制度にマッチしていないからと様子を見ているだけでは企業戦略を前に進めることができませんので、自らが動いて経営環境を整備するためのアプローチを行います。

守りの法務とは、社外・社外に法的なトラブルが生じるリスクを察知して日頃からその逓減を図るとともに、もしも法的トラブルが生じた場合にはそれを解決に導くための業務のことを指します。
例えば、社外であれば取引先との売買契約、社内であれば従業員との労働契約があるように、企業活動は社内外を問わず利害関係者とお互いの関係性を定める契約にもとづいて進められていきます。
コンプライアンスに社会が強い関心を持っている今日、それらの契約にトラブルが生じれば思わぬ損失となりかねませんので、未然にそれらのリスクを回避できるよう会社を守るための法務が必要となります。


まずは転職エージェントに無料相談する

戦略法務・予防法務・臨床法務はそれぞれ守り・攻め?

戦略法務・予防法務 臨床法務はそれぞれ守り・攻め?

攻めの法務、守りの法務に分けていく場合、法務の仕事を戦略法務・予防法務・臨床法務という3つに括りながら考えられています。
以下にそれぞれを簡単にご紹介します。

<<戦略法務>>

企業戦略を法的にサポートすることでビジネスの展開をスムーズに後押ししたり、より一層の競争力を得られるよう図ったりしながら、更なる業績向上へとつなげていくための法務です。
新規事業の立ち上げ・海外進出・M&A・知的財産の活用・行政への働きかけ、という戦略法務の5つの仕事の特徴からも明らかなよう、戦略法務は攻めの法務としてカテゴライズされます。

<<予防法務>>

予防法務は将来的に起こり得る自社の法的課題を未然に防ぐための業務のことをいい、具体的には以下のような業務があります。

  • ・契約書の作成およびチェック
  • ・コンプライアンス対策
  • ・雇用契約書や就業規則の整備
  • ・セクハラ、パワハラなどのハラスメント防止
  • ・知的財産権の取得や侵害の確認
  • ・情報漏えい対策

法的課題を完全に防ぐことはできませんが、予防法務を適切に行っていくことでトラブルが発生したときの損失の軽減へとつながっていきます。
このような性質より、予防法務は守りの法務であるといわれています。

<<臨床法務>>

臨床法務は法的なトラブルが生じた後の対応業務のことであり、具体的には以下のような業務があります。

  • ・訴訟対応
  • ・損害賠償請求
  • ・債権回収
  • ・財産の保全
  • ・クレーム対応
  • ・従業員の不祥事への対応

いずれも放置しておくとより大きなトラブルとなりかねないため、できるだけ早期に適切な対応を行うことでトラブルによる損失を小さくすることができます。
法的トラブルの相手方の矛先が自社に向けられてから対応を行うため、臨床法務も守りの法務に分類できます。


まずは転職エージェントに無料相談する

戦略法務業務を含む求人事例

MS-Japanで取り扱っている戦略法務業務を含む求人を一部ご紹介します。 これら以外にもMS-Japanでは多数の戦略法務業務を含む求人を取り扱っていますので、気になる方はぜひ利用されてみてはいかがでしょうか。

■『成長著しいIPO準備企業の法務募集』

ポジション:IPO準備企業 IT・通信全般 法務
想定年収:600万円 ~ 1100万円
業務内容
・各種契約書作成・リーガルチェック
・営業チーム等、各種部門からの法務相談
・内部統制対応
・IPO関連業務
・コンプライアンス関連業務
・法務トラブル対応
・事業推進のために必要な法令調査・検討、法的リスクの分析
・関係当局との折衝・交渉サポート
・契約書作成・リーガルチェック
・商標、特許などの知的財産権の管理
・登記事務
・株主総会の運営

■『東証スタンダード上場メーカーの法務担当者募集』

ポジション:東証スタンダード上場 製造全般 法務担当者【シニア】
想定年収:450万円 ~ 900万円
業務内容
・契約書の作成・チェック・修正・交渉※英文契約書含む。
・取締役会及び株主総会の準備、運営、対応
・社内の法律相談窓口及び顧問弁護士対応
・コーポレートガバナンス対応
・M&Aなどの戦略法務関連業務

■『東証プライム上場企業の法務担当者募集』

ポジション:東証プライム上場 金融全般 法務担当者
想定年収:700万円 ~ 1310万円
業務内容
・新規ビジネス創造のために必要な法令調査、事業スキーム構築、法的リスク分析、関係当局との折衝、契約書作成
・既存ビジネスに関する法改正動向調査、改善案の提案、法的リスク再評価
・投融資案件(含M&A)に関するスキーム構築、法令調査や検討、契約書レビュー/ドラフト、交渉のサポート
・相談、契約書のレビュー/ドラフト、交渉のサポート、捺印/保管
・国内外の取引先、投融資先との間で生じた紛争(潜在的なものも含む)における訴訟、国際仲裁、債権回収など

まとめ

ビジネスのグローバル化やスピードアップに伴い、ビジネスを取り巻く法的課題も多様化していることから、攻めの法務と言われる戦略法務の担当者を求める企業は近年多くなってきています。
戦略法務としてキャリアを重ねていくには、戦略法務を積極的に行っている企業で実務経験を重ねていく必要があるため、もしも現在の勤務先で戦略法務に関連する業務を十分に経験できていないようであれば、この機会に転職を検討してみるのも選択肢のひとつです。

管理部門の転職支援に特化した転職エージェントであるMS-Japanに利用登録すれば、応募前にどのような業務に従事するのか熟知した上で求人企業を選ぶことができますので、戦略法務を担当できる企業にも転職しやすくなります。
利用登録は完全無料ですので、是非ご登録の上無料サポートも受けてみてください。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

椿 大樹

大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

あなたへのおすすめ求人

サイトメニュー

職種で求人を探す
資格で求人を探す
勤務地で求人を探す
資格の転職情報を調べる
転職セミナー・個別相談会
転職サービス紹介
転職ノウハウ
求人企業の皆様へ
MS-Japanについて

業界最大級の求人数・転職支援実績!管理部門・士業の転職に精通した専門アドバイザーがキャリア相談~入社までサポートいたします。

無料でキャリア相談する

関連おすすめ記事

新着記事

業界最大級の求人数・転職支援実績!管理部門・士業の転職に精通した専門アドバイザーがキャリア相談~入社までサポートいたします。

無料でキャリア相談する