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リーガルトピックス

司法試験に合格/不合格でロースクール生の進路はどう変わるのか?

2018年06月28日

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司法試験は、法律実務家になるための登竜門です。もちろん、不合格となってしまった場合、弁護士・裁判官・検察官といった法律のプロになる道は断たれます。それでは、不合格になったロースクール生と司法試験予備試験合格者の進路はどうなってしまうのでしょうか。今回は、合格した場合の進路についてもあわせてご紹介致します。

司法試験の受験について

司法試験を受験する資格を得るためには、「法科大学院(ロースクール)の修了」か、「司法試験予備試験の合格」のいずれかが必須です。

ロースクールは、法学部出身であれば「既修者」として2年間で修了できるコースがありますが、他学部出身者であれば「未修者」として修了までに3年間を費やさなければなりません。

ロースクールは、2000年代から始まった司法制度改革の一環として導入されました。それまで、法曹を志す人々は、大学2年までの課程を修了したら誰でも受けられた「一発勝負」の司法試験に合格すればよかったのですが、それでは受験テクニックの偏重になり、社会性に欠けた人材が法曹界に入ってくることが懸念されていたのです。

そこで、ロースクールは2年~3年という時間的な幅を設けて「法律家の卵」を養成することを主眼に置いています。その課程を修了した者だけに司法試験の受験資格を与えて、バランス感覚のよい法律家を後進として育てようとしているのです。

一方で、司法試験予備試験は、ロースクールに通う経済的余裕のない人のために設けられた救済策です。合格すれば、ロースクールを修了したのと同等の法的学力があるとみなされます。司法試験予備試験はさまざまな工夫を重ねて、刹那的な受験テクニックだけでは合格点を獲りにくい出題傾向が構築されつつあります。ただ、それでも「テクニック偏重の一発勝負」という印象論に基づく批判は、どうしても避けられません。

司法試験には、「5年間に5回」という受験回数制限があります。超難関にもかかわらず受験回数制限がなかった旧司法試験では、何回受験しても諦めきれないまま年齢を重ねてしまい、最終的に就職の進路が絶たれてしまったり、精神疾患にかかったりする弊害が見られました。その打開策として、司法試験の受験には回数制限が導入されるようになりました。

司法試験に合格した場合の進路とは

 

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 司法試験に合格すると、1年間の司法修習期間を経て、裁判官・検察官・弁護士のそれぞれの仕事現場を体験することができ、いずれかの進路に進むことができます。

司法試験に合格し、修習を終えれば、少なくとも弁護士になる資格は得ることができます。

裁判官や検察官という進路は、公務員であって採用枠も決まっていますし、それぞれの立場で職務を全うできる適性や意欲もチェックされます。そのため、志望したからといって必ず採用されるとは限りません。
一方で、裁判官や検察官を退職すれば、いつでも弁護士登録することは可能です。俗に、裁判官から転身した弁護士を「ヤメ裁」、検察官から転身した弁護士を「ヤメ検」ともいいます。

また、司法試験に合格しても、法曹の進路を選択しない人も徐々に増えています。司法試験の受験準備をしている間に、他の職業が気になってくることもあるでしょう。弁護士資格の希少価値が失われつつある現在、司法試験に受かったからといって、法曹の進路にこだわるべき理由も昔と比較して薄れつつあると感じる人もいるのかもしれません。
そこで、法曹とはまったく異なるジャンルへ、法律的な知識と素養を身につけている人材が参入することは、それだけで稀少であり、新たなチャンスも生まれると考えられます。

司法試験に不合格となってしまった場合の進路

司法試験に不合格となっても、年に1回、合計5回まで受験のチャンスがあります。そのチャンスを全て使い果たしたら、ロースクールを修了するか、司法試験予備試験に合格するかして、再び司法試験の受験資格を得ることもできます。
ただ、5回受験して司法試験に合格できないというのは、その受験者に法曹の適性があるとは言い難いかもしれません。受験回数制限を使い果たしたのをきっかけと捉え、他の進路を選択することで、社会人人生をスタートされる方は多くいらっしゃいます。

また、司法試験に合格できなくても、ロースクールを修了していれば「法務博士」という学位が与えられているので、その学歴をアピールして就職するという進路もあります。
日本は法治国家です。法律事務所や企業法務部に限らず、法律の素養を身につけた人材が活躍できる進路は想像以上に多くあるはずです。
特に、法学部以外からの出身でロースクールを修了していれば、大学での専攻と法律知識を組み合わせることで、人材としての独自性をアピールすることもできます。

長い間、会社勤めから離れていた人が、司法試験からの撤退をきっかけに就職活動をすれば、その先は辛い道のりが待っているかもしれません。しかし、どんなに厳しい道のりとなっても、諦めさえしなければ、必ず道は開けます。

まとめ

司法試験に合格したこと自体が幸せなのではありません。合格しても、社会人としての経験や感覚に乏しく、法律事務所の経営に苦しむ新人弁護士も後を絶ちません。弁護士という資格から自由になることで、創意工夫して現代社会の中で活躍できる場面も増えていくという考え方もできます。

さらに、「法律のことも知っている○○」という立場を武器に全く違った進路にチャレンジすることで、弁護士資格を持っている人より活躍の幅が広がるかもしれません。
たとえ司法試験に合格できなくても、その過程で身につけた粘り強さや論理的思考力は、あらゆるキャリアフィールドで役に立つはずです。

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